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4th SNOW 「垢舐め」の美女、そして、「組織」の名称を聞く。

タイトルにもあるように、文香の正体がわかります。そして、組織の名前もここで判明しますので、刮目ください。

あと、最後の方に、雪女の右眼の秘密を載せてます。これで、話の流れの察しのついた方なら、今後の展開はわかるんじゃないかと思います。

 氷華は、文香に誘われるがまま、トイレの一室に二人で入った。


「あ、、あの、文香さん、、これはどういうことですか…?」


「あー、気にしないで。私そういう人だから。……あなたと同じよ。私は。」


突然、なんのことかわからず、氷華は狼狽えた。


「え、え? どういうことですか?」


「フフ、ウブなのね、氷華ちゃん。こういうことよ。」


そう言って、文香は舌を出した。


全長2メートルはあるだろうか、かなり長い舌だった。


それも、どう見ても()()()()()()()()()()()()()


「私は妖怪『垢舐め』の半妖。あなたが雪女との半妖なのと同じよ。……妖怪のスペックとしては、全然低いんだけどね。」


すると、文香はいきなり、トイレの便座を舐めた。垢舐めの習性だろうか。


「汚いですよ! 公共物なんですよ!? これ!!」


氷華は怒りつつもトイレットペーパーで舐めた後の便座を拭いた。


そして水に流した。


ジャーっという音が鳴る。


「ごめんごめん、癖でさ、つい。……垢舐めだから、垢全般が好きなのは仕方ないことだからさ。まあ、専ら普段は人間として生活してるんだけど。」


そんなことは氷華はどうでもよかった。


本題を聞きたかった。


「……陽陰君といた、、本当の目的ってなんなんですか……?」


返ってきたのはまあ、さもありなんという答えだった。


「新人研修も兼ねての妖魔の調査。最近多くってね。この東京に。それは晴夜からも聞いたでしょ? それで、私も仕事が丁度休みだったし、妖がこの辺に出るって聞いたから、晴夜を彼氏のフリして欲しいって言って、今日誘ったわけ。まあ、私は所謂偵察係よ。」


「そう……ですか……」


そうなんだと知った氷華は、個室を後にした。




 話を終えた二人は手洗い場でジェットタオルで手を乾かす。


そして、文香は組織名を明かす。


「……私と、晴夜のいる組織は『Σ(シグマ)』。妖魔専門の部署で、他にも色々な部署はあるけど、今、ここだけで対処しても多すぎるから、班に分かれて対処してる。私と晴夜は『北川班』にいるんだ。」


「もし……私が入ると言ったら、、歓迎しますか……?」


「勿論よ。君みたいに可愛くて強い子、そんないないから、ウチとしたら大歓迎だよ。年齢制限はあるけど、政府非公認組織だから、まあ副業みたいなもんよ。」


「……わかりました。熟考させていただきます。」


そうして二人は、トイレを後にした。




 お待たせー、といった二人を待っていた4人は快く出迎えた。


「おー、氷華ー、待ったぞー。」


梢が声をかける。


そして、玲香と都姫は、大量の荷物を持っていて、晴夜も両肩に乗るほどの荷物を抱えている。


まあ、3人の荷物持ちみたいな物だったが。


「いや、、あのさ……限度ってものがあるでしょうよ……。」


氷華は呆れて物が言えない状態だった。


対して文香は、


「いーねえ! 今の若い子はこうでなくちゃ!」


呆れている氷華を他所に、梢達以上にはしゃいでいたのだった。



 そして、人気のパンケーキ店で食事を終えた6人は帰路に着くこととなった。


「いやー、楽しかったよ。ありがとね。」


どうやら文香は満喫したようだ。


そしてそれは、他のみんなも同様だった。


ただ一人、氷華を除いて。


「あれー? 氷華、楽しくなかった?」


玲香が声をかけると、ハッとした表情で、氷華は顔を上げた。


「ああ、玲香、ごめんね、ちょっと考え事してて……」


「もう……氷華ちゃんは、考えすぎなところあるから、私らに相談してよ…? 友達でしょ…?」


「う、、うん、ごめんね、なんか。」


「そいじゃ、またねー!」


そういって、梢、玲香、都姫は氷華達と別れた。


そして、氷華、晴夜、文香は、というと。


「二人とも、私の車乗ってく?」


「「お願いします!!」」


「うん、じゃあまず、私の家で荷物下ろす作業、手伝ってもらおっかな。」


そういって、文香は車を発信させた。




 ということで、荷物を下ろし終わった3人だが、文香に連れられ、向かったのは、銀座だった。


どうやらここに妖が出るとの情報があったみたいだ。


「文香さん、ここで妖が出るってことでいいんですね?」


晴夜が透き通った声で文香に聞く。


羨ましいくらい、いい声だ。


「そー、、だね。話によると土蜘蛛って話だけど…。」


「……最近、雪女の一族が狙われて、力を奪われる事態が頻発してるんです。文香さん、心当たりってありますか?」


「いや、、土蜘蛛ではないって報告は出てるよ。おそらく、普通に暴れて出てくるんじゃないかな。」


「そうですか…」


そう言っていると、土蜘蛛が現れた。


瞬時に身構えた3人。


そして土蜘蛛は氷華に襲いかかる。


すると、晴夜は、何やら札を取り出した。


「いでよ式神! 『(みずち)』!!」


そういうと、札から蛇のような式神が現れ、瞬時に土蜘蛛の身動きを止めた。


そして氷華は力を解放した。


「『邪眼(じゃがん)』解放。二酸化炭素を極限まで温度を下げ、ドライアイスを生成。」


氷華の右眼が怪しく、赤くなる。


これこそが雪女の力の源、『邪眼』だった。


そして、生成されたドライアイスは、瞬く間に剣と化した。


「我が剣よ。悪しき蜘蛛を打ち倒したまえ。雪女剣術、『昇華一閃(しょうかいっせん)』。」


そうして、土蜘蛛の頸をかっさいた。


土蜘蛛は消滅した。


そして氷華は邪眼を解いた。


この様子を見ていた二人は目を見開き、舌を巻いている。


「凄いな……雪女の力をこの目で見るのは初めてだけど、まさかこれほどまでとは……。」


「これは、Σに入っても即戦力級で強いわ……。改めて勧誘しようかな……。」


「え、、そんな凄いことしてますか? 私。大したことしてないですけど……」


謙遜する氷華をよそに、二人は雪女の力について話が盛り上がっていった。


そして、文香が氷華にこう告げた。


「もし、Σに入るんなら、その時は歓迎するよ。ただ、、入った後が大変、だけどね。」


そういって、文香は車に乗って去っていった。


そして、晴夜は、家まで送るよ、といって、氷華と共に帰路についた。

これ、ラブコメじゃないんじゃないか、という声はあるかもしれないですけど、今後シリアスの中にでもちゃんとぶち込むのでご安心ください。

さて、次回は、、氷華がついに決断します。お楽しみに。

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