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39th SNOW 覚悟の証

牛鬼編ラスト2話、頑張っていきたいと思います!

最初は霜乃の氷華への想いが語られるパートです。

後半で氷華パートとなります。

 一方その頃、雪宮家では。


霜乃が雪華と晩酌トークを展開していた。


話題は勿論、氷華のこと。


牛鬼と戦うことを知った雪華が、霜乃の心情が心配で訪問しにきたのだということだ。


お互い酒が入っているため、トークも加速して行っていたのだった。


「ねえ霜乃……氷華は大丈夫なのかな……万が一霜乃みたいに右眼失ったら……」


雪華が心配そうに話すが、霜乃は、


「大丈夫だと思うよ、氷華は。……私の時と()()()()()()()()し。私なんて一人で戦ってたから。」


と、かなり楽観的だった。


「でもさ……雪女の犠牲者の中で……()()()()()()()()()()()()()()()()()じゃない? 氷華で行けると思う?」


「んー……確かにさ、牛鬼のあの形態は対応しきれなくて右眼をやられたのはある。私に関しては。でも氷華は違う。私と違って『創造』系の雪女だから。……これ雪華に言うのは初めてなんだけどさ、長野から帰ってきた時に青い剣、持って帰ってきたんだよ、氷華が。」


「あ、青い剣?? 待って、それと牛鬼にどんな関連があるの?」


「だからまあ……簡単な話、氷華は武器を作って使いこなせるわけじゃん。私なら凍らせる、みたいな。結構使い方には悪戦苦闘してたみたいだよ、氷華は。でも私は氷華が勝つと信じてる。……私の妹だから、ってのは勿論あるよ? けれど……今回は覚悟が違っていた。」


さらに霜乃が続けた。


「もし邪眼の効力が切れた時に背水の陣になるわけだから……その時にあの剣の真価を発揮させられる。……私、御当主様のところで仕事してるじゃん? 今。その時に冷奈さんに調べてもらってさ、あの剣を。……『天叢雲剣』という伝説の剣、またの名を……」


「またの名を?」


()()()()()()()



 その頃氷華は天叢雲剣を振るい、牛鬼に着実にダメージを与えて行っていた。


スピードは両者互角だったが、技の連撃速度がまるで違っていた。


少しずつ、少しずつではあるが、牛鬼を着々と追い詰めていたのは確かだった。


《懐かしや……3()()()()()()使()()()()()()()()()()……あの女だけはまともに戦っても勝てんかった……》


どうやら霜乃のことを懐かしんでいる風だったが、結果論で見れば牛鬼が勝っている。


しかし、霜乃にはどうやら負けたと思っているようで、それを氷華と重ね合わせている風にも見えた。


《一瞬、僅かに見えた隙を突いて我が勝ったが……そうでもしなければ我は今頃お主と戦っていない。》


かつて「神童」と呼ばれた霜乃なら氷結耐性のある牛鬼を追い詰めていてもおかしくない。


《現に我にこれを出させたのは()()()()()()()()()よ。なれど我とてここで負けるわけにも行かぬ。》


「ごちゃごちゃ五月蝿い! アンタはここで屍になってればいいのよ!」


そして身体を捻り、技を繰り出す。


「聖剣・氷結刃!」


唸りをあげる風の太刀。


それは牛鬼の額を切り裂いて大ダメージを与えた。


しかし牛鬼は怯むことなく氷華に襲いかかる。


牛鬼は右の鎌を氷華に目掛けて振り下ろした。


氷華は天叢雲剣でこれを受け止めた。


すると、続け様に左の鎌が飛んでくる。


的は氷華の右眼だ。


まずいと咄嗟に判断した氷華は右手を天叢雲剣から離した。


そして、手のひらで眼をガードしながら鎌を受け止めた。


指で鎌を掴み、左腕で剣を持ちながら右の鎌を押さえている。


氷華の右手を牛鬼の左鎌が貫通している状況。


手が下手をすれば機能不全になる状態なのにもかかわらず、氷華は必死に受け止めていた。


《バカめ……それでは動けないであろう……》


「右眼をやられて負けるよりはマシよ……そうやってお姉ちゃんの右眼も奪ったんでしょうが……!!」


《フフ……ならばお望み通り押し切ってやるわい……》


そう言って牛鬼は氷華にかける力を強くする。


氷華は邪眼の効力を一気に放出し、渾身の氷結系の術を繰り出した。


「雪女凍結系奥義……『絶対零度(ぜったいれいど)』!!!」


雪女の術で最強レベルで強い氷結系の技、「絶対零度」。


全てを凍らせる技で状況の打開に最も有効な大技だ。


牛鬼の左鎌がみるみるうちに凍結していく。


《な……なんだこれは……!!》


その隙に氷華が右手を鎌から引き抜いた。


代償で多量出血をしたが、そこから再び天叢雲剣を両手に持つ。



 【小癪な……だが我にも必殺技がある……()()()()()()()()()()終いよ。】


そう考え、そそくさと舌を伸ばす牛鬼。


狙いは氷華の影。


これが牛鬼の必殺技、「影舐め」だ。


影を舐められたものは一瞬で粉と化し命を落とすという、危険極まりない技だった。


だが、これを見逃す氷華ではなかった。


鍔迫り合いを解き、天叢雲剣を牛鬼の舌に向かって、それを切り落とした。


それと同時に牛鬼の右鎌も、氷華に襲いかかった。


幸いにも右眼には当たらずに済んだが、額から鼻にかけて浅い切り傷を負ってしまった。


相打ちだったが、血管の通る部位が部位なので、ダメージは牛鬼の方にあった。


そして氷華は右鎌を斬り払い、牛鬼に向かってこう言った。


「私は……牛鬼(お前)を超える雪女だ……!!」


氷華の目に、覚悟の目が宿っていた。


そして、この後、決着することとなるのだった。

ホント牛鬼編長かった……

明日で終えることが出来るとなるのは本当に感慨深いですね。

次回、決着です。

あと、更なる伏線が出てきますので、お楽しみに。

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