29th SNOW 主従之契(しゅじゅうのちぎり)
先に言っておきます。
この回は濃いです。
晴夜は基本サポート型なのですが、単体でも普通に強いです。
強いが故の結末、お見せします。
登場人物紹介コーナー、今回は冬岡真雪理です。
冬岡真雪理 21歳 普段はバーテンダー 7月9日生まれ AB型 159センチ 3サイズB87W55H88
現在は神戸在住のバーテンダーをやっている焦茶のロングヘアーが特徴の姉御肌の女性で、10傑の1人。
「創造系」を得意にし、精度だけなら氷華よりも上だが、威力やバリエーションが突出しているとは言えず、良くも悪くも器用貧乏タイプ。
集中力が10傑で最も高く、邪眼開放状態のまま休み無しで物質生成をすることが可能なため、持久力はかなり高い。
エリートの家系で生まれ育ったわけではなく、母も幼少の頃に亡くしているので、術の全てが独学で習得した。
それを隠すかのようなサバサバした性格で、氷華も頼りにしている存在。
九尾の狐は、内心激怒していた。
自らに対して。
人を騙すのが得意な自分が、まさか自らの存在をリークされていて、しかも今自分の目の前にいる「陰陽師」を名乗る美青年に嵌められて拘束されているのだから。
「なんで……!! アタシが九尾の狐だって知ってるの、アンタは!!」
激昂し、声を荒げる九尾の狐に対し、晴夜は冷淡に答える。
先程の人当たりの良さとは打って変わった、冷たい声で、だ。
「……君のことは事前に知っていた。仲間が君に気づかれないように、尾行ていたからね。」
更に血圧が高まるのを九尾の狐は感じた。
だが、一度冷静になる。
ここは逃げるしかない、そう考えた。
何せ自分より頭のキレる相手が目の前にいる以上、勝ち目がないからだ。
「ふーん……でもだからって……! アタシを止めることは出来ないよ!!」
そういって右手の親指を噛み、狐形態に変身して、拘束を解いた。
九尾の狐は思っていた。
晴夜には、全力を出さなければ逃げ切れない、と。
猛毒の瘴気を最大まで、まるで煙幕のように解き放ち、自らは部屋のドアの方まで撤退していく。
晴夜は一瞬面食らったが、冷静に術式の札を取り出した。
「結界術医療式『中和聖鏡』!」
晴夜の放ったミラータイプの結界が晴夜の周囲を覆い、まるで鏡の世界に入っていくかのように、毒の瘴気を吸収していく。
だが、そんなこととは露知らず、九尾の狐はドアへ到着した。
開けて逃げようとする九尾の狐。
その時だった。
ドアノブから巨大な静電気が全身を迸った。
晴夜が事前に貼っていた札が妖気を感知して機能したのだ。
全く気づいていなかった九尾の狐。
静電気が全身を駆け巡っている。
大きな呻き声を、挙げながら。
実は先程の妖気探知の札も、拘束の札も、そして今回のドアノブの札も、純粋な妖怪には見えないようになっているのだ。
感電して倒れた九尾の狐を、今度はまた、「電縛縄」がその姿を捕らえ縛り上げた。
先程よりも、よりキツく。
晴夜が九尾の狐の前に降り立ち、縄に電気を流し込む。
電気が迸る痛みに悲鳴を挙げる九尾の狐。
まるで拷問のようだった。
実際拷問なのだが。
「さぁて、と……君には色々聞きたいことがある。まず……『牛鬼』は今、何処に潜んでいる……?」
牛鬼の情報を何としても引き出させようとする晴夜。
四天王の1人なのだから、頭がキレるタイプの妖怪なのだから流石に何か知っているだろうと踏んだのだ。
「ぎゅ……牛鬼……?? 知らないわよ……!!」
強がって否定して答えた九尾の狐。
その答えを聞いた晴夜は無表情のまま、縄の電気を流した。
また悲鳴を挙げる九尾の狐。
晴夜はこの後も更に問い詰めるが、どれだけ拷問しても、九尾の狐は口を一切割らなかった。
時折「春来直下」を放ったり、口の中に「蛟」を詰めたりしようとも、彼女は一切を吐く気がなかったのだった。
数十分が経過した。
どれだけ問い詰めても、拷問しても九尾の狐は「知らない」の一点張り。
九尾の狐は目が虚になろうとも、涙が目から垂れていようと、その目は怒りでいっぱいだった。
これ以上聞いても情報を得られそうにないと判断した晴夜は、深くため息を吐いた。
だが、牛鬼討伐のためには、彼女を殺してはならないと判断していたので、最早強硬手段に出るしか選択肢はなかった。
封印術だ。
陰陽師は、これで捕らえた妖怪を「式神」として使役することが出来る。
無理矢理式神にして、情報を聞き出そうという作戦に出た。
「これだけはあまり使いたくはなかったけど……仕方がない。……封印術『式魔之相』。」
晴夜の出した札に、「電縛縄」が寄せられる。
「ヤッ……待って……辞めて……!!! イヤッ、イヤァァ……!!」
まずいと悟った九尾の狐は必死の抵抗をする。
暴れてなんとか抵抗をする九尾の狐だが、引力が強すぎて抗いきれなかった。
歯を食いしばり、九尾の狐は最後の抵抗で毒の瘴気を晴夜に向かって放った。
晴夜は左腕で鼻を押さえて何とか、少しでも吸い込まないようにガードしながらも、着実に九尾の狐を吸収していった。
そして、こんなことを言った。
「九尾の狐……いや、天狐……!! 君は……僕が恋で悩んでいるところに……親身になって相談に乗ってくれたよね……!? それは……君の本心で、優しさだった……!! 君にあんな事をして言える立場じゃないのは僕自身がよく分かっている……だけど……!! 僕と共に! 来てくれ天狐!! 今度は……牛鬼の部下じゃなく! 僕の『式神』として!!」
だが九尾の狐は何とか抵抗しようとする。
「晴夜……!! 待って! 私はまだ……!!!」
と、何か言い掛けて晴夜の札の中に九尾の狐は封印されてしまったのだった。
翌朝、ホテルで晴夜が目覚めると横には。
寝息を立ててスヤスヤと眠っている「九尾の狐人間形態」もとい「天狐」がいた。
「うわっ!!」と、驚いた晴夜。
どうやらあの後疲れて眠ってしまったようだったが、その後の記憶が一切ない。
動揺する晴夜。
まさか封印を解いて出てきたのか、と一瞬思ったのだが、天狐の入っている札を見ると、キチンと使役出来ている様子だった。
フウ、と息を吐いた晴夜。
と、ここで天狐が目覚めた。
「……ん……晴夜おはよ〜……。」
目を擦りながら晴夜にそう言った天狐。
「あ、うん、おはよう、天狐。」
晴夜も状況がまだ飲み込み切れていないのか、歯切れ悪く返した。
と、天狐が晴夜に抱きついてきた。
「昨日のこと……全然覚えてないんだけど……これからよろしくね? ご主人様……♡」
昨日晴夜にあんな事をされたというのに、まさかのドM発言、しかも晴夜をご主人様呼ばわり。
もうすっかり、天狐は晴夜と恋人気分だった。
というか、主従関係なのではあるが。
とりあえず使役は上手くいったということでいいのだろうか。
晴夜はそう思い、天狐に声を掛けた。
「……あんまりべったりしないで欲しいんだけど……まあいっか。……帰るよ、天狐。」
晴夜と天狐は、宿泊代を支払って、ホテルを後にし、自宅へと帰って行ったのだった。
そのあと天狐は、「稲荷崎天狐」として、晴夜の家に居候することになった。
そしてこの後、牛鬼との戦いは波乱含みの展開になり、そして氷華の恋路にも、天狐は多大な影響を与えるのだった。
まさかの恋のライバル誕生wwww
次回、Σは再集結するのですが、、、メチャクチャカオス展開になりますwwwww
氷華の恋はどうなるのか、晴夜の気持ちはどうなのか、気になりますよね!?皆さん!!
次回の紹介は、氷山三雪希です。
天狐は結構カギを握るので頑張ってそこを書きたいと思います。
ただ、拷問は仕方なかったとはいえ、炎上は否めないですねwww




