27th SNOW 大海の王、海坊主
大技のオンパレード。
海坊主大暴れするで〜〜。
登場人物紹介、今回は雹崎雪美です。
雹崎雪美 25歳 普段は脳神経外科医 4月28日生まれ A型 171センチ 3サイズB94H56W87
「新世代10傑」の1人で、普段は脳神経外科医で総合病院勤務。
医療大卒の秀才で、医者歴は今年で2年目。
脳手術は天才的で、2年目ながら脳の難病の手術を難なく成功させるほどの腕前を持つ。
氷結系を得意にし、前回の10傑にも選ばれたほどで、かなりの実力者。
10傑最年長。
一匹狼的な性格で、群れを嫌い、また媚びることも嫌う。
戦闘では頭脳派の側面を生かし、的確な指示を送る軍師タイプ。
麻雀や競馬が趣味なのだが、金に関しては使い方が荒い上に勝負運も弱いというギャンブル中毒者でもある。
怜緒樹は、蛇の尾を柄のように持ち、濡れ女に向けて構える。
「ハアッ!!」と、怜緒樹が掛け声を出して、蛇を鞭のように振るった。
濡れ女も身体を畝らせて抗戦する。
黒雲を展開しつつ、濡れ女の動きに合わせて蛇を振るっていく怜緒樹。
時間稼ぎとはいえ、体力をかなり使う。
(チッ……コイツに使うのは癪だが猿のアレを使うか……)
と、怜緒樹は大きく息を吸い込んだ。
そしてそれを咆哮のように吐き出した。
濡れ女は咄嗟に目を瞑り、毒に瘴気を咳き込んで吐き出して身体を振るっていく。
だが、その隙を怜緒樹の蛇の牙が見逃すはずがない。
胴に食らい付き、蛇毒を注入する。
人間相手であれば20秒ほどで息絶えさせることができる猛毒だ、妖怪相手でも殺せは難しくとも、痺れさせるには十分だ。
「な……何を……した……!?」
身体の動きがぴたりと止んだ濡れ女はこう発した。
しかし、怜緒樹はそんなことはお構いなしに虎を解放して、連続攻撃を放った。
巨体のため、毒が回るには時間は多少掛かるが、それでも十分に火力は稼げる。
「……言っただろ? テメエはアタシが殺すって。」(ホントは時間稼ぎだけど。)
次々に顔面や腹部に強烈な一撃を見舞う怜緒樹。
しかし、濡れ女もやられっぱなしではいられない。
唸り声をあげながら身体を棍棒のように振るい、怜緒樹に襲いかかる。
危機を察した怜緒樹はクロスアームブロックでこれを受け止めて、更に後ろに跳んで衝撃を和らげた。
砂浜に後転しながらゴロゴロと転がっていく怜緒樹。
流石に少し想定外だったようだ。
「チッ……まだ動けんのかい、あの野郎……副隊長、海坊主はどうです!?」
怜緒樹は佐久間に出現はどうなっているのか聞いた。
「……アイツは深海8000Mに住んでいるからねえ……もう少し、かな。あと3分くらい。」
「……了解。じゃあ3分、体力削っておきますから。」
単純な答えだったが、怜緒樹にとって3分は容易い。
早足で黒雲を展開して、濡れ女の元へ怜緒樹は駆け出して行った。
一方、相澤はというと。
砂浜に上がっていた。
海水を飲んだのか、吐き出すために大きく咳き込んでいる。
「畜生……ヘマしちまったぜ……まさか泥から出てきた瞬間にここまでぶっ飛ばされるなんてな……」
だが、濡れ女の弱点は見つけたようだ。
「沈んでる間にアイツの尻尾は確認できた……あとはどうするか……」
と、ここで佐久間から連絡が入っているのに気がついた。
「副隊長!? 相澤です!! 濡れ女の先を見つけました!! 今どういう状況か教えてください!!」
佐久間も応対する。
「今僕が海坊主を召喚しているから、それを気付かれないために小鳥遊くんが囮になって応戦しているところだ。……ともあれ、君が無事で良かったよ、相澤くん。」
「……すいません、あとは……お任せします。俺は何か使えそうなモン、探してきます。」
「はいはい、あとは任せておいてくれ。」
こうして相澤は何か使えそうな道具を探しに砂浜をよろけながらも駆け出して行った。
一方、交戦している怜緒樹は。
(……クソッ、海坊主出現まであと1分かよ……長えぜオイ……)
早くしないと佐久間に目が向いてしまう。
そうなれば一気に形成は苦しくなるのは目に見えていた。
幾らタフな怜緒樹とはいえ、海坊主出現まで耐えられるのか、ということはよぎってくる。
しかし、そんなことを考えている余裕はない。
あくまでも怜緒樹は作戦を遂行するだけだった。
「猿、虎、同時解放……!! 刻印術『百鬼夜行螺旋拳』!!!」
付喪神を穿ち抜いたあの技で、濡れ女に突撃した。
螺旋回転しながら遠くの濡れ女に攻撃を仕掛けるが、動いていない状態だった付喪神と、ヌルヌルと動く濡れ女ではターゲットの勝手が違っていた。
渾身の一撃は躱された。
ヤバイ、と怜緒樹が思った直後、濡れ女が怜緒樹の脚に噛みつき、海へ放り投げた。
空中で怜緒樹は焦っていた。
(クソが……! 副隊長の方に行っちまう……!! 早く戻んねえと!! 副隊長が危ねえ……!!)
と、その時だった。
海に大きな音と共に、巨大な影が浮かび上がった。
「来たか!?」
波が消え、丸い巨大な化け物が海に出現した。
海坊主が顕現したのだ。
推定100メートルはあろうかという巨体だ。
しかも出現時の音も大きい。
濡れ女も音に気付き、海坊主と目が合う。
濡れ女は海坊主に襲いかかる。
濡れ女は巻きついて海坊主に噛みつき、海に沈めようとした。
だが、海坊主のパワーはこんな物では怯まなかった。
巻きついた濡れ女の胴体を両腕でへし折った。
濡れ女の大声が響いてくる。
すかさず海坊主は次々と濡れ女の背骨をへし折り、ぐにゃぐにゃになったところで、まるでバーベル競技のように濡れ女の身体を持ち上げた。
ズシン……ズシン………ズシン……と、海坊主の海底を歩く音が地上からも聞こえてくる。
と、ここで泥が飛んできた。
相澤の飛ばしたものだ。
相澤が指を鳴らし、それはロープに変換し、濡れ女の首に巻きついた。
これを待ってましたと言わんばかりに相澤の意図を察した怜緒樹が虎と猿を解放し、ロープまで移動して先端を掴んだ。
猿の咆哮でアドレナリンを大量放出し、パワーを解放する。
海坊主はその意図を理解したのか、濡れ女を上空に投げ飛ばした。
怜緒樹はそれに呼応するかのように、ロープを利用した一本背負いで思い切り砂浜に叩きつけた。
打ち身になったのか、砂浜で痙攣し、のたうち回っている。
ほぼ無抵抗状態になった濡れ女に佐久間、怜緒樹、相澤が近づいていた。
佐久間は海坊主を蔵い、今度は油すましを召喚した。
「濡れ女に油、撒いてきて。」
油すましは命令に頷き、トコトコと走りながら油をばら撒いた。
上半分だけを撒いたあと、佐久間は油すましを蔵い、札を取り出した。
「……さて……趣味悪い奴にはお似合いの末路と行こうかな。……結界術『迦楼羅炎』。」
札から炎を撃ち出して、濡れ女を燃やした。
濡れ女は悲鳴をあげてのたうち回り、ドタンドタン! と騒音と共に暴れている。
そして唸り声をあげながら骨に半分なった濡れ女は佐久間に襲いかかった。
しかし、捨て身の濡れ女の体当たりを、佐久間は難なく術で受け止めた。
力尽きたのか、砂浜に突っ伏した濡れ女は、そのまま煤となって燃え尽き、数十分もすればもう、跡形も無くなっていた。
「……これで終わったのかな。今回は。」
佐久間は飄々としていた。
妖怪を燃やしてもこの涼しい顔だ、ある意味でサイコパスだった。
「……しかし、副隊長があんな妖怪を使役しているだなんて思いませんでしたよ………ソイツらがいなかったら……海坊主が特にそうです。……どこで取ってきたんですか。アレは。」
怜緒樹は神妙な面持ちで佐久間に聞いた。
「……流石にアイツを捕まえるのは苦労したよ。……小鳥遊くんが入る3年前にコイツはここの海で捕まえたんだが……思いの外こういうところでしか扱えないから今回限りになるかな。アイツを出させるのは。」
相澤も話す。
「……ただ……あそこまでしなくても良かったのでは? 押していましたし、実際。」
「まあそこは僕の遊び心だね。……こういうことがないと、そもそもアレを使うこともなかったろ? 『大海の王』を。」
相澤と怜緒樹は呆れた表情をしている。
佐久間はそれでも飄々としていた。
「……さ、本部に戻るよ、2人とも。……経過も報告しないと、ね。」
「「了解。」」
こうして3人は佐久間の車に乗って、青梅市のΣ本部へと戻っていったのだった。
海坊主、強すぎンゴ。
で、佐久間先生、殺し方エグいて……
書いてる奴が何言ってんの、って話ですけどwww
次回、晴夜サイドです。
舞台が歌舞伎町のキャバクラなので、どうするかはマジで頑張って書きたいと思います。
登場人物紹介は、10傑の1人、「霜ヶ原雪華」を紹介します。
九尾の狐戦は衝撃的な展開になりますので、楽しみにしていてください。




