122th SNOW 記憶を力に
いやー……やっとラスト10話未満まで来たwww
最後まで頑張りたいと思うので、よろしくお願いします。
氷華とルシファーが対峙をする。
氷華はどこか落ち着いていた。
静寂が流れる中、氷華から攻撃を仕掛ける。
ルシファーは来ると予感し、剣を構えた。
だが、氷華のスピードはルシファーだけでなく、雪子と晴夜の想像を遥かに超える速度と重さでの攻撃だった。
何せ、飛び蹴りでルシファーを一撃で後方へと吹き飛ばしたのだから。
(……!? どういうことだ……!? 何故この私が構えが遅れた……!? そしてなんだ、あのスピードとパワー……今までのどの相手より強い……!!)
ルシファーは動揺を隠せない。
自らを超える速度で攻撃を仕掛けられたことなどないのだから。
氷華は追撃をかける。
空中で踏み蹴りを2つ出し、踵回し蹴りをルシファーに放った。
ルシファーの脳が揺れる。
ルシファーも反撃を仕掛けていくが、氷華は余裕をもってこれを難なく回避した。
そしてカウンターで右ストレートを放ち、ルシファーから鼻出血を起こさせる。
(視える……ルシファーの筋肉の動き……血の流れ……全てが透けて視える……でも……何かはわかんない、私の頭の中から……何かが消える……)
異変を感じていた氷華は、短期決戦で決めるしかなかったが、本人は全く気づいていなかった。
「阿鼻叫喚眼」の代償を。
無理もない、無意識下でその領域に至ったのだから。
だが、それとは裏腹に、氷華はルシファーを圧倒していくのであった。
その頃、雪子と晴夜は。
晴夜が雪子を「寒天の露空」で脚の傷を修復する。
「すまないの、晴夜……」
「礼には及びません……ところで………氷華はなんで……ルシファーを圧倒し始めたんですか……??」
晴夜もこのような氷華を見るのは初めてだったので、困惑を隠しきれていない。
雪子は複雑そうな表情を見せ、顔を歪めた。
「……眼じゃよ……『阿鼻叫喚眼』……雪女一族に伝わる、最強にして最悪の眼じゃ……」
「最強の……眼……!? 一体、どういう……」
「……あの眼は入れること自体が奇跡みたいなものじゃ……ワシも一度だけ入ったことがある。たしかに見ての通り……雪女の妖力と身体能力を最大限に、限界値まで引き出し……ルシファーのような者でも圧倒できるまでになる。しかも無限に使うことができる……それが最強たる所以じゃ。しかし……」
「しかし……なんですか……??」
「代償として、今まで自らが葬ってきた者の記憶を奪う……これが最悪たる所以……しかも思い入れが深ければ深いほど、威力は発揮される。一発攻撃を仕掛けることで……一つの記憶が消える。勲章が消えると反動で3週間、邪眼を使うことが出来ぬ。今氷華は……12発、仕掛けてる……つまり12個も記憶が消えているということじゃ。」
晴夜は寒気を覚えた。
氷華がこのままいけば、一番氷華にとって忘れてはいけない人物を忘れてしまうことになりかねないことを。
「じゃあ……もし戦いが長引けば……」
「……そうじゃな。晴夜が想起している通りじゃ。雪羽の記憶が……飛ぶ。つまり雪羽の記憶が氷華にとって最強の攻撃じゃ……一切が消えるわけではないが、記憶の映像に黒い靄がかかるイメージになればいい。彼奴は無意識下で記憶を力に変えているだけじゃ。じゃが、下手に援護をすれば力の維持を削ぐやもしれん……信じるしかない、氷華が雪羽の記憶を使わないことをな。」
「……そうですね……」 (けれど氷華のことだ、絶対に使ってしまう……僕は……どうすれば………!!)
氷華を制止したい気持ちと、何もできない無力感が晴夜を襲った。
2人は黙って氷華とルシファーの一騎打ちを見守るしかないのであった。
一方、ルシファーと氷華の方は。
「……まだ……倒れないか……」
流石の氷華も攻撃疲れを起こしてしまい、一息置いて額の汗を拭った。
だが、ルシファーは追撃ができない。
氷華の攻撃でダメージが深くなっているが故であった。
「……ここまで私を追い詰めるか……貴様……名を何という。我が記憶に貴様の名を刻んでやろう……尊敬の意も込めて、な……」
ルシファーは鼻の血を拭い、剣を構えた。
氷華も集中を戻し、空手の型のように構えた。
「……雪宮氷華。」
「覚えておくぞ、雪宮氷華……さあ、決着を着けようではないか………来い。」
ルシファーの声に、氷華はコクンと頷いた。
そして一息吐いた。
(頭が痛い……でも……こんなところで死ぬわけにはいかない……あと四発、それでルシファーを倒す……!!)
再び静寂が流れる。
氷華とルシファーとの一騎打ちの決着が着くのは、時間の問題のように思えたのであった。
次回は終章と共に決着です。
どうなるかは御刮目くださいませ。




