11th SNOW 夏休みの開幕。氷華と晴夜、海に行く。
この回から新章「牛鬼編」が開幕します。
とはいっても、最初は氷華が夏休みを満喫する回なのでそんな内容は濃くないですけどww
今回はお待ちかね(?)の水着……披露しちゃいます!!www
プランとしては30話で終わることを考えており、最初10話は氷華の夏休みといった感じでお送りして、真ん中10話は牛鬼戦までの前説で牛鬼の配下の妖怪との戦闘、最後10話で牛鬼との激闘を描きたいというプランで考えています。
さて、章説明が長くなりましたが、ここで前回後書きで話した通り、相澤を紹介します。
相澤大河 21歳 178センチ 67キロ AB型 11月26日生まれ 普段は獣医学部に通う大学4年生 好きな食べ物 仙台の実家で食べるキュウリの糠漬け
「Σ」の諜報員を務める。金髪色黒のチャラい風貌でナンパな性格。美人に目がないが恋愛意識は皆無。実は泥田坊との半妖で、地面に潜って潜伏することが可能。戦闘力自体は文香とどんぐりの背比べ。自他共に認める妖怪マニアで雪女の一族の家系には結構詳しかったりする。その一方で一族の1人である氷華から苦手意識を持たれており、本人もそのことを嘆いている。実家は仙台の野菜農家。自然をこよなく愛する男で、獣医を志したのも実家で飼っている牛や馬のためでもある。
テストが返却され、氷華たちは赤点を回避し、補習を受けることなく夏休みを迎えた。
そしてかねてから4人で予定していた海へ行くことになった。
場所は湘南の海。
氷華は梢たち4人と楽しく遊ぶつもり……の筈だったのだが。
なんと梢が晴夜を海に誘ったのだ。
5年近くも友人だったので梢の意図は氷華はなんとなく察していた。
私と結びつかせる気が満々なんだろうな、この夏で、と。
まあ、ずっと彼が転校してきてから席は隣にいるし、一緒に帰ったりもしてるし、なんだかんだ泊まりにも行ったし、任務も一緒だったし。
クラス内でも華のあるグループとして名高い氷華、梢、玲香、都姫の4人に長身イケメンの晴夜まで合わさったらまさに鬼に金棒。
羨ましがられるのも当然だ。
注目されているグループに誘われる晴夜もそれはそれでプレッシャーなのだろうが、人当たりのいい晴夜はこれを軽いノリで承諾した。
ただ、私だけが知っている事実。
誰もが見惚れる顔で案外ウブなのを氷華はよく知っている。
異性として意識していないわけでもないし悪い奴でもないのだが……何せ厳しい家系で育ったので女性をほぼ知らない現状。
色んな意味で大丈夫なのか……氷華は心配をしていた。
そんなこんなで海に行く当日。
神奈川に行く電車に乗り込んだ5人。
そして海に到着した。
やはりシーズンなのか、海水浴の客でいっぱいだった。
まあ当然か。
カップルもなんだかんだ多い。
5人は水着に着替えることにした。
そんな4人の更衣室での会話。
「氷華ってさー……ホントいっつも思うけどスタイルいいよねー。羨ましいわー。」
玲香が氷華の体のことを話題に上げた。
それに氷華は少しビックリした顔で反応した。
「え……? そ、そんなことないよ〜。」
167センチで女子としてはやや長身の部類に入る氷華。
脚も細長く、Fカップの巨乳、魅惑のくびれを誇るウエスト、さらに綺麗なヒップと女性が羨むスタイルを誇る氷華だったが、本人は謙遜する。
「そのー、、さ。氷華ちゃんってなんかそういうので意識してることってある……?」
都姫自体はスタイルは一般女性レベルなので尚更気になるようだ。
実家が呉服屋なので普段の氷華の服も大抵は都姫の店で取り扱っている。
スタイルのことはやはり羨ましがっているようだ。
「え……い…いや…特に意識……してないん……だけど……。」
こう氷華がいうのも無理はなく、本当に食生活も全く意識していないし、むしろ大食いな部類だったのでこう答えるしかないのだ。
本当のことなのだから。
……まあ、『邪眼』を使うのに体内エネルギーを膨大に使うのでその分のスタイル維持なのかもしれないのだが。
「え〜? うっそだ〜。絶対なんか意識してるでしょ〜? アタシらなんかと美少女レベルが違うんだからさ〜。ね〜。教えて〜?」
梢が猫撫で声で氷華に聞いてくる。
5年近くこの4人とつるんでてやっぱり羨ましいのは無理はない。
というか梢もギャルなので案外モテたりしているのだが。
梢も氷華と負けず劣らずのスタイルをしているのにも関わらず聞いてくるのは単純に羨ましいのだろう。
「いやあのさ……コズに関しては私が昔からそういうこと意識しないの知ってるでしょ……。玲香と都姫はまだわかるよ。私とかコズみたいに胸大きくとかないからさ……。というか私よりモテスキルが強いコズが私に聞くのどうなの?」
たしかに梢の方が男が寄りやすい性格をしているのはわかる。
ただ、男の基準がかなり高い方で今の今まで交際に発展したことはない。
氷華もグループの中で最もモテるのは梢だと言っているのもわかる。
だが他3人は氷華が一番モテるということを知ってるので、正直なところ、氷華の男に対してのヘタレっぷりには辟易しているフシはあった。
だからこそ高校に入ってから全く変わっていないスタイルを保てる氷華が羨ましいのだろう。
「アタシに聞かれてもさあ……ま、まあアタシも特に意識はしてないんだけど……?」
「でしょ?? コズもこう言ってんだからみんな意識してないんだって!! だから聞くだけ野暮なの!! そういうの!!」
「氷華そんなムキになんなくてもさあ……というか、氷華は早く男作ったほうがいいと思うわ。彼氏作った方が男とか寄んなくて済むじゃん。」
「てかそれアンタらもでしょうが! あ、あと私はそんな意識してる人いないから! 男の人で!!」
照れ隠しなのか氷華は顔を赤らめながらプイ、とそっぽを向いた。
「……と言ってるわりに氷華ちゃんさあ……陽陰君と一緒にいることなんだかんだ多い気がするんだけど……。」
「そ……それは……!! ま……まあ、否定はしない……けどさ。そりゃ。あと、ほんとに意識してたら私の方から誘ってるって!! そもそもコレ組んだのもコズじゃん!」
「まー、アタシの方から晴夜を誘ったのは否定しないよー。事実だしー。だってレベチカップル見てみたいじゃーん?実際お似合いだしー?」
「下心丸出しすぎて引くんですけど……。てかそんな似合う? 陽陰君とさあ。」
「「「似合う!!!」」」
「いや私以外が似合うって言われても……。困惑するだけなんですけど……。」
照れながら戸惑いを見せた氷華を3人は笑って見ていた。
そして4人は水着に着替え終わって更衣室を出た。
もう既に着替え終わっていた晴夜がそこにいた。
競泳用ではない水着もサマになっている。
氷華は黒に近い紺色の無地のビキニ。
シンプルであるが故、氷華の美スタイルも相まって女子高生とは思えないセクシーさを醸し出している。
梢は黄色いビキニ。
褐色肌の梢の肌に黄色がよく映えている。
これはこれで、黒ギャル梢を象徴しているようなものだった。
玲香は白地に水色の水玉ビキニ。
可愛らしくよく似合う。
意外と背が高い玲香のにはよく似合っている。
都姫はピンクの花柄水着。
流石オシャレに敏感な都姫のことだ。
あまり胸が大きくないとはいえ、元のベイビーフェイスも相まって可愛らしく映る。
「みんなよく似合ってるよ。」
晴夜はありがちなセリフを4人に言った。
と、その時玲香が詰め寄る。
「ねえ……陽陰君は誰が一番似合ってると思う!?」
「黒川さん……誰が一番とかじゃなくてさ…みんなのイメージ通りだな、って話だから……。」
「ま……まあまあ。玲香。シート作ろ? とりあえず。」
答えに困った晴夜と玲香を宥める氷華が周囲の目から好奇の目に晒されていたのだった。
そのあとで5人はシートを張り、日傘を差した。
そして女子陣4人はサンオイルを塗った。
そして後ろ側はまあ、お察しの通りの展開となった。
「後ろ側……塗って?」
まあ、男子といる以上お決まりの展開だった。
氷華がうつ伏せになって背を向けて待っていた。
だが。
「いやー……こういうこと全くやったことないんだよなー……僕……。海にすら人生で初だし……。」
戸惑うのも無理はなく、晴夜は京都出身が故かはたまた家のことで行けなかったのか。
こういう経験は皆無だった。
イケメンとしてあまりにも残念すぎる。
「まーまー、アタシらが教えるからさ! 気にせずやってよね!!」
「う……うん。わかった。……頑張ってみる。」
こうして3人に見守られながら、晴夜は氷華にサンオイル塗りを開始した。
のだが。
緊張しているのか腕が震えている。
女性として意識しているのか、それとも女体に触るのが初めてなのか。
なかなか始まらない。
「あの……陽陰君……?」
「ほらほらー、早くしないと終わんないよー?」
「う……緊張するなー……。」
ぎこちないながらもサンオイルをゆっくりと塗り始める。
心臓の音が高まるのがわかる。
それは氷華も同様だった。
なにしろ男性に身体を触られるのは初めての経験。
塗られるだけとはいえ、まさぐられる……。
そんな気持ちがよぎっていた。
こうして5分後。
やっとのことで塗り終わった晴夜は。
「「「じゃあ私らもお願い。」」」
梢、玲香、都姫に頼まれる始末だった。
この時晴夜はこう思った。
地獄の時間だと。
なんか……ラブコメのテンプレみたいなクソベタな展開になりましたね……www
書いてて思ったこと言っていいっすか?作者から。
晴夜ヘタレすぎ!!まあ無理はないんですけど!ww
さて、次回は佐久間副隊長の紹介と、何故か……の展開になります!お楽しみに!!




