ヨーロッパである必要はないが異世界である必要はある
寝る前に寝ぼけた勢いで変なもの書いてて唖然とした今日の朝
あまりにも読むに耐え難かったので寝る前に書き直した。また朝起きて唖然とするかも
この話はライトノベルや昨今のなろう系(角川により新文芸と定義される)という作品全体に関わる話だろうと勝手に思いながら書き連ねる。
さて、物語を書く上において必要な要素は3つある。(他にもあるかも知れないが)それは、世界観、物語、キャラクターである。
だが、ストーリーやキャラクターは簡単に書けても、世界観というのは難しいものである。一から自分だけの世界観を構築しようとするのならば、トールキン並の技量を求められるだろう。
しかし、トールキンになれないのはわかりきったことである。
本題に入る前に少しばかり寄り道をしよう。―――ライトノベルとは一体何であろうか?
一般的にライトノベルの定義とは、アニメ調(アニメ調と言っても日常系の事を指すと推測する)のイラストが多用された若年層向け小説とされている。
が、私の見解は異なる。
私の過去に見たか聞いたか定かではない曖昧な知識に基づくが、
『ライトノベルとは読者に共通の概念を要求する小説の一群である。』と私は定義している。(著名な方がこれに近い事を言ってたのをご存知の方はぜひお教え下さい。引用させて頂きたいと思います)
ライトノベル(以後ラノベと表記)の定義を述べさせて貰ったところで本題に入る。
一番はじめに世界観を作るのは難しいと書いたが、ラノベ―――そこから派生したとも言えるなろうにおいて、事情は異なるのである。
ラノベの場合は大抵は序盤では、舞台となる場所、主人公の回想、日常の一コマ、いずれかの描写に数ページ割かれているはずである。(私が持ってるラノベに偏りがある可能性があり、正確ではないだろうが、家にあるラノベ人気作をランダムに数冊抜き取って確認した)
その中には、魔術や魔法、主人公が異能を持ってたりそもそも人じゃなかったり、主人公がただの一般人だったとしても周りが化け物みたいな連中ばかりだったり、主人公は冴えない男だがヒロインに可愛い妹が居たり幼馴染が居たり、と大抵はこの様な事が序盤のシーンから出てくるが、これらに一々ツッコミを入れて世界観の考察をした事があるだろうか?
何故、魔術や魔法が存在するのか?どういった原理でそれらが働くのか?その登場する生物がどういったものでどの様にして誕生して存在するのか?そういった事を序盤で考えた事があるだろうか?
私はない。どんなに突拍子もない、現実に存在しない事柄が書かれていたとしても、気にも止めたことない。そもそも、要素として書かれているそれらに意識を向けた事がない。
何故ならラノベだからである。ラノベとは、こういう物だと知ってる上で読んでいるからである。これが前述した私のラノベの見解、『ライトノベルとは読者に共通の概念を要求する小説の一群である。』と言った理由である。
だからこそ、ラノベにおいては世界観の描写をある程度省けるのである。それらの世界観を構成する基礎概念は既に読者が持ち合わせて居るからだ。
その省いた分、後々に繋がる伏線や主人公達の掛け合いを書け、それによって読者はそのストーリーとキャラクターに入り込みやすくなる。
その作品に登場する世界を構成する要素を一から説明すると、それらに関する文章が多くなり、それに伴って主人公達の掛け合いをテンポよく序盤に展開すると言うのは難しくなる。更に全体を通した文体も読みにくくなる。
これでは"ライト"ノベルの意味がなるなる。ライトノベルとは一般文芸より気楽に読めるから"ライト"ノベルなのだから。
さて、なろうにおいてもこの『共通の概念』と言うのは存在する。
それが私の知り限り、最初の頃は中世ヨーロッパ風と言った言葉だった。
ヨーロッパ―――その言葉で何を思い浮かべるだろう?バロック様式で建てられた建造物だろうか?それともステンドグラスで彩られた聖堂だろうか?私の場合はポーランドの街並みなのだが、人それぞれ持ち合わせてる知識によって違うだろう。
だが、少なくとも何となく世界について想像出来る。
だが、これはとても制約の多い言葉なのである。いくら中世ヨーロッパ"風"とその最後に風と付けてようが中世ヨーロッパを元にしているのは間違いない。
中世ヨーロッパとはそこまで便利な舞台ではないのだ。
まず、期間が長過ぎる。中世とはそれだけでヨーロッパの時代区分の一つを表しているのだが、ローマ崩壊からルネッサンスまで約1000年の間の事を指している。
そして、ヨーロッパという地域が広すぎる。西欧、中欧、東欧、南欧、北欧と別れる上にアナトリア半島とカフカス山脈もビザンツ帝国の関係上入ってくる。
最後に一般の人間が思ってる中世ヨーロッパはルネッサンス以後の世界である。
簡略化して重要であろう三点だけでもこうなのだ。その他にも沢山の問題がある。
そしてこれらが作品を書く上において、足枷になり得る制約なのである。
風と予防線を張っていても、中世ヨーロッパの時代背景を元にしてる以上それらに違和感を覚える人間は居ないとは言えないのである。
そして、中世ヨーロッパ風と書いてる中でKV-2やミグ25を出そうと思っても出せないのである。
まあ、これらの諸問題を割り切って、思うがままに書くことも出来るしそうした人も多いだろう。
しかし、もうこれは解決したと言っても良い。何故なら、中世ヨーロッパ風より便利な言葉が登場したからである。
その言葉こそが、『異世界』である。
なろうの人気作に数多くついていたこの名称こそが、なろうの共通の概念の世界を表す、まさになんでもありの異世界なのである。
この言葉によって多くの制約が取り払える。何故なら、異世界では何が起きても普通だし、読者もそれを承知の上で読みに来るからである。
なので、KV-2が出ようがミグ25出ようが、ヒットラーが復活しようが、ケモミミ尻尾だけじゃないケモノとでも言うべき二足歩行の動物の獣人を出して愛でようが、空間を縮めようが光より速い速度で動こうが問題ないのである。
なので、ヨーロッパである必要はないが異世界である必要はあるのである。
眠いし頭疲れて回んないのでここらへんで切り上げてなろうの海へとこれを不法投棄して、私はメーデーでも見て寝ることにしよう。もふもふをくれたら10万ドルやるぞ?