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みんなバラバラになるんだっけか?

ユーリちゃんとのデートは幻想に終わった。

まぁ、普通に考えたらそうだよな。


だが、別にまだ振られた訳でもない。

ちょっと俺には女の子に誘われる耐性が無かっただけだ。


懇親会では、頭の中がぐるぐるまわりユーリちゃんとあまり話す事は出来なかった。


だけど、藤森や新谷、宮下と新卒の5人は仕事場とは少し違うプライベートに近い環境でより団結感が高まっていったとおもう。



♦︎



次の日からOJT。

要は店舗での研修が始まる。俺たちは一度オフィスに集まると、新卒5人で店舗に向かう事になった。


オフィスがギルド協会だとすると、店舗はギルドにあたるのか??


となると、社長はマスターではなく会長……今回の店が店長になるのか……。


「よー黒江!」

そんな事を考えていると藤森が声をかけてくる。いつもながらの軽い感じに最近慣れてきている自分がいる。


「藤森……おはよう……」

「なんだ? ゲーマー、さては昨日も懇親会の後遅くまでゲームしてたんだろ?」


「流石にしてないよ……」

「今日から店舗だな! 特に変わる訳じゃねーけど俺もついに社会人かぁー」


「何言ってんのよ藤森ぃ」

「あ、新谷さんおはよう」

「なんだよ、このみ(・・・)ちゃん」


「藤森、てめぇ名前で呼ぶなしー」


昨日、新谷の名前を聞いてから藤森は名前で呼んでいる。就活直後のスタイルでもギャルが滲み出ているキャラなのに可愛らしい名前が面白いんだとかで……。


正直、藤森でさえ名前で呼ぶまではかなり手順をふんでいるように見え、俺はユーリちゃんとのファーストコンタクトを悔いた。


「あーれー? 宮下くんも悠里もきてんじゃん」

新谷が指さした先には入り口のベンチに座る二人の姿があった。


まぁ、女の子同士なら結構すぐなんだな。

と新谷をみて思った。


合流すると、それとなく話してみた。


「昨日の説明からするに、今日いくつか回って配属先がきまる見たいだよね?」

「そうですね、せっかく仲良くなれたのにバラバラになるのはちょっと寂しいです」


即席パーティなんてそんなもんだろうと思ったがいわなかった。


「別にすぐ会いそうじゃね? 飲み会とかしてさー」

「だといいんですけどね……」

そう言っている言葉とは裏腹に少し嬉しそうなユーリちゃんがいた。


そっか……正解はそういうのかもしれないな。


俺たちは店に着くとエリアマネージャーと言われる人に案内されることになった。


エリアを統括……支部長みたいな感じかな?


「お店すっごくきれいですね!」

「本当だな、流石富裕層向けというやつかー」


この店舗で働いている人は10名くらい。

みんなデスクワークの手をとめ支部長に挨拶を始めた。


エリアマネージャーもとい支部長は気軽に挨拶すると俺たち新卒メンバーを紹介する。


"アトモス銀座店"


今回紹介されたこの店舗は、アトモスフィアの売り上げの10分の1を誇る基幹店舗だ。


要はトッププレイヤーが集結していると言っても過言ではない。支部長だけでなく店長もといギルマスが圧倒的な統率力でギルドを回している。


そんな中、一人のスタッフが支部長に話しかける。

「エリアマネージャー、今5分頂いて宜しいですか?」

「わかった……」


統率された軍隊。

それに有能な兵士達。強いギルドはいつだってそうだ。上長が最小限の時間で状況を把握し、的確な指示をだす。


"ここはリアルな異世界だ"


そう言うと支部長はギルマスに俺たちを預け話を聞きに向かうとギルマスは声をかけてきた。


「すまない、今うちの会社ではアフターフォローの時期でバタバタしているんだ」


なるほど、新卒の時期なのは全国的にもそうだろう。例え富裕層向けといえど繁忙期である事には変わりはないのか……。


「まぁ、今日はうちの店で仕事を覚えてもらうと言うよりは会社の求めている雰囲気を感じてもらえればと思う……もちろん気になる事はどんどん聞いて欲しい」


俺たちは緊張感のある雰囲気に圧倒され、何を聞いていいかすら分からなかった。


これが社会なのか?


ギルマスによる店舗の流れの説明が終わると、オフィスに戻る事となった。


「なぁ、黒江……俺たちもあんな感じで出来るようになるのかな?」


藤森はいつもの自信に溢れた雰囲気ではなく、少し弱気になっているのか?


「まぁ、言うなればあれが最上位ギルドになるわけだろ? 俺たちはまだ初心者なんだし地道にレベル上げてスキルを覚えていくしかないだろう……」


「だよなぁ……」


空気を察したのか新谷が割り込む

「あーしは明日からバラバラになる方が心配だよー」


「そっかぁ、研修も今日までで明日からはみんなみんな違う店舗かぁ」


「あのぉ……すいません……」

「塔野さん? どうしたの?」


「みなさん勤務はどこの予定なんですか?」

「たしかに! 業種にもよるよな? 俺は営業だから店舗だな!」


「もちろん俺も藤森と同じだよ? 他の業種での採用はあるのか?」


「わたしは、事務での採用なので……」

「悠里は内勤なの?」

「いえ、営業事務です」


「宮下は?」

「自分も営業です……」


「そしたらみんなエリアは同じかもな!」


そんなこんなでオフィスに着くと配属先が発表された。


宮下は横浜だったが、藤森は西新宿、新谷は渋谷。そしてなんと俺とユーリちゃんは東新宿と同じエリアに配属される事となった。


藤森と新谷も同じ管轄のエリアか……。

地道に更新していきます!


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