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62話 高級ホテルにお泊り(後編)

「ふわぁ〜」


 朝起きると、いつもとは違う感覚がわたしを包む。ふわふわと、心地よい時間。


「さすが高級ホテル、ベッドも心地良い〜」


 このまま2度寝しちゃいたいぐらいだけど、そろそろ朝ごはんの時間なので起きる。

 朝ごはんはバイキングで時間内なら好きな時間に食べてもいいとのことなのでみんなと一緒じゃなく各自で食べる。今までご飯はずっとみんなと一緒だったから久しぶりのソロご飯だ。


 食堂に行くと、これまた豪華な料理が並べられていた。和食に洋食に、ジュースや牛乳などの飲み物も種類豊富に取り揃えてある。

 今日の気分は洋食だったので、トースト、目玉焼き、ウインナー、サラダ、スープ、アップルジュースを取って席に向かう。

 一応席を見渡してみたけど朝早いからかみんなは居ないみたい。


「いただきます!」


 ゆっくりと朝ごはんを食べていく。わたしはワイワイ楽しく食事を取りたい派なので1人は寂しいけどたまには自分のペースで黙々と食べるのもいいかな。


 ご飯を食べたら部屋に戻って最近買った漫画をのんびりと読む、ホテルでやることではない気もするけどゆっくりした時間をこうして楽しむのも悪くない。

 ちょうど1冊読み終えた頃、ドアをノックする音が聞こえた、ドアを開けてみるとユニちゃん以外の3人が待っていた。


「よ、カオル。そろそろ卓球しに行きたいんだが大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ。ところでユニちゃんは?」

「ユニはプール用の水着を取りに借家に戻ってる。ユニは上手いから卓球できないのは残念だが誰かが行かないといけないししょうがないな」


 なるほど、それで居ないんだね。


 遊技場につくと、卓球の他にも様々な室内遊戯のスペースがあった、ほんといたれりつくせりだねここ……


「よし、空いてたな。それじゃあ早速始めるか。カオルは卓球の経験はあるか?」

「えっと、学校でやった程度かな」

「じゃあアリスとやるのがいいかな。まずはカオル対アリス、あたし対ツバサで対戦だ」


 ラケットを選ぶ、わたしはシェイクハンド派。


「それじゃあカオルお姉ちゃんいくね!」


 試合が始まる。アリスちゃんも初心者らしくて軽いラリーでも取りこぼすことがあったりした、そんなこんなでデュースに持つれ込み、今はわたしがリード。


「アリスちゃん、いくよ!」


 カコン、カコン、とラリーが続く。するとアリスちゃんが優しい返しをしてきたのでスマッシュ!


「……勝負、カオル。いい試合だった」


 わ、見てたの?


「あたしらはツバサの圧勝でサクッと終わったからな。いい試合だったぜ」

「それじゃあ決勝戦と最下位決定戦だ。カオル対ツバサ、あたし対アリス」


「薫、よろしく頼む」


 ……結果、1点も取れずにボロ負け。アリスちゃんもミリアちゃんに惨敗したようで力の差が歴然とした勝負になった。


 その後も数試合してちょうどいい時間帯になったのでお昼ごはん。ユニちゃんも帰ってきたので今度は5人一緒だ。

 食堂に向かうと、既に料理が用意されていた。


「昼食は和食をご用意しております」


 ご飯、お刺身、和え物、味噌汁、漬物、お茶、和菓子のシンプルだけど定番の和食が用意されていた。やっぱり日本人としては異世界でも和食が食べられるのは嬉しいな、この世界、お味噌って地味に高級品だし。


 お昼ごはんも食べていよいよプールに。あれ?でも……


「そういえば、着替えってどうすれば……?」


 一般の更衣室で着替えるわけにはいかない、けどかと言ってあらかじめ水着を着ていくわけにもいかない。あれ、これ詰んだのでは……?


「安心しな、あたし達がガードしてやるから。それに下見してきたけど今の時間ガラガラだったぞ」


 それならいいけど、やっぱり一般の女の子と一緒の空間で着替えるのは罪悪感あるな……


 ということで一旦翼くんと別れてお着替えタイム。ユニちゃんが持ってきた水着に着替えるんだけど……


「む、また胸大きくなったかなぁ。カオル、どう思う?」


 ミリアちゃん、裸でわたしにおっぱい見せつけないで〜! 恥ずかしさと嫉妬が! 複雑な感情が!


 プール自体は流石に屋内だから手狭だったけどそれでも10人くらいなら一緒に楽しめる広さだった。泳ぐのは港町アクベンス以来だけどやっぱり楽しいね!


 服への着替えも見られることなく終わって、再び自由時間。やっぱり誘惑に耐えきれずにベッドに包まってお昼寝しちゃったよ。


 夕ご飯は今日は目玉メニューがあるらしいとユニちゃんから聞いた。何かな? と思っているととある料理にだけ長蛇の列が。


「まだまだお皿はあるので安心してください! 焦らずきちんと並んでください!」


 あれ程の人気、なんの料理だろう?


「ドラゴン肉のサイコロステーキ、50グラムもしないですがそれだけで銀貨4枚はする超高級肉ですわね。(わたくし)も数年ぶりに食べるので凄く楽しみですわ!」


 ドラゴンのお肉! それは人気なのも納得できる。

 もちろんわたし達も1皿づつ貰ってきてその他好きなものを取る。


「いただきます!」


 それでは早速メインディッシュから、どれどれ……?


「お、美味しい〜!」


 すごくジューシーで噛みごたえがあって、噛むたびに旨味が出てくる。ドラゴンさん、すごい。

 その他の料理も昨日同様凄く美味しかったんだけどドラゴン肉を食べちゃうとね……上には上がいるのだ。と感じちゃう。


 夕ごはんも食べて夜もぐっすり寝て、いよいよホテルとお別れの時間。ミリアちゃんがチェックアウトの連絡をいれている間に、スタッフさんが感想を聞きにやってきた。


「当ホテルはいかがでしたか? 満足いただけたでしょうか?」


 わたし達は満面の笑みで応える。


「はい、とっても!」


 すると、スタッフさんも微笑んでくれる。


「それは良かったです。またのご利用、お待ちしております」


 そうして、夢のような3日間は終わったのであった。楽しかったー!

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