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61話 高級ホテルにお泊り(前編)

 ポケットハウスのテストも終わり、今週も新しい1週間がやってきた。今週は何をしよう? とみんなで話し合っていたところでドアをノックする音が聞こえた。


「ん、誰だ? 今日は特に予定はなかったはずだが……」


 ミリアちゃんがドアを開けると、お祭りのときのスタッフの方が立っていた。


「おはようございます、本日はカオル様が当選されたホテルの宿泊券をお持ちしました」


 おお、遂に来たんだ。未だに実感が湧かないや。


「こちら、カストル・ロイヤルホテルの2泊3日の宿泊券、5人分になります。お手数ですがホテルまでは皆さんでお向かい下さい、住所は紙に同封しておりますので」

「それで、今なら私達が宿泊日の予約を代わりに行えますがいかがなさいますか? 3日以上前の予約をお願いします」


 ミリアちゃんがこちらに戻り相談を始める。


「みんな今週末は空いてたよな? 早速今週ホテルに泊まろうと思うが大丈夫か?」


 結果、満場一致でOKになったよ。


「よし、今週末の休みにチェックインで来週始めにチェックアウトで予約を頼めるか?」


「はい、了解しました。それでは良い宿泊を!」


 わーワクワクだなぁ! みんなも興奮を隠せないようだった。


「よし、それでは今週末のお楽しみのために1週間頑張りますわよ!」



 そして週末、いよいよホテルに泊まる日がやってきた。


「……ここ、だよな?」


 教えてもらった住所に行くと、めちゃくちゃ高級感の溢れるホテルがそこにあった。


「……カオル、凄いものを当てたな……」


 翼くんが威圧されてる、これは相当だ……!


 中に入ると、すぐにスーツを着たスタッフさんが対応してくれる。


「カオル様方御一行ですね、お待ちしておりました。お部屋までご案内します」


 そうしてスタッフさんについていく、階の移動に階段じゃなくエレベーターがあるのにびっくり! この世界にも魔導式の機械が上流階級で普及しつつあるって聞いてたけどわたしが体験するとは思わなかったよ……


「こちらでございます、お1人1部屋、お部屋内の飲み物とルームサービスは別料金となりますのでご注意ください」

「それではお1人づつルームキーをお渡ししますね。7時になったら2階の食堂までお越しください、夕食をご用意しております」


 部屋に入ると、これまた高級感の溢れる家具がこれでもかと並んでいた。天蓋付きベッドがあるホテルとか初めてだよ……!


「カオル、いいか〜?」


 おろ、ミリアちゃんだ。ドアを開けて外に出る。


「どうしたの?」

「いや、スタッフに聞いたらこのホテルカラオケに屋内プールに遊びも充実してるらしくてな! 夕飯までカラオケしないか?」


 うーん、歌はあんまり得意じゃないしあまりこっちの世界の歌も知らないけれど……

 けど折角の機会だしこの世界でカラオケなんてめったに出来ないからね。


「うん、行こっか!」

「よしきた、他の3人は準備できてるぜ」


 カラオケ部屋に行って曲目を見る。流石に日本のカラオケみたいに十何万曲とはいかず、最近流行りの曲が100曲ぐらい入ってる程度だった。


「さて、誰から歌う?」


「あ、じゃあわたしからいい? 知ってる曲少ないから被らないように先に歌っちゃいたいな」


「おっけー、じゃあカオルからな。何を歌う?」


 うーん、わたしが知ってる曲……これだ!

 機械に曲を入れる。これも日本みたいにリモコンといかず機械のボタンに数字を入れる形だった。


「♪〜」


「わ、『コスモポップラブソング』だ! カオルお姉ちゃん好きだもんねー」


「はるかな星空飛び越えて〜♪」


 気付けば歌い終わっていた、ちょっと恥ずかしかったけどどうかな……?


「……ああ、いい歌声だった」

「カオルさんが歌っているところ、初めて見たかもしれませんわ。楽しそうで良かったですわよ」


 良かった〜! あまりカラオケって行ったこと無かったからドキドキだったけど好評なら嬉しいな。


「時を越えて戦え〜♪」


 ミリアちゃんは熱血もの。


「私と貴方、巡り会えて〜♪」


 ユニちゃんは恋愛もの。


「Make up! Change my world!」


 アリスちゃんは女児向けものをそれぞれ歌ったよ。


「あれ、翼くんは歌わないの?」


「……いや、いい。知ってる曲がない」


 あれ、残念。翼くんの歌も聴いてみたかったんだけどな。


 そんなこんなで楽しみつつ、気がつけば夕ご飯の時間になっていた。

 食堂まで行くと、既にそこそこのグループが楽しく食事をしているようだった、オフシーズンでもこの人数だから繁栄期は凄いんだろなぁ。


「カオル様方、こちらの食堂はバイキング形式となっております。お飲み物はこちらでお聞きいたしますがどうされますか?」


 ミリアちゃんがわたしの代わりに答えてくれる。


「それじゃあ食前酒を3つとジュースを1つと……カオルはどうする?」


 どうしよう、お酒は苦手だけどこういう場では嗜んでみてもいいかな……?


「えっと、苦くないお酒ってありますか?」


 すると、スタッフさんが納得したように微笑む。


「勿論でございます。それでは食前酒4つに葡萄ジュース1つで宜しいですね?」

「ああ、よろしく頼む」


 そして各自で好きな料理を取っていく。わたしはステーキとサラダとケーキとパンにしたよ。


 席に座ると、すぐにスタッフさんが飲み物を出してくれる。


「ミリア様方には白ワイン、アリス様には葡萄ジュース、カオル様にはスパークリングワインをご用意しております。何かご要件がありましたらいつでもお呼びください」


「それでは、いただきます!」


 料理を食べる前にグラスに入っているお酒を飲んでみる。ちょっとアルコールの苦さはあるけど甘口で炭酸があるのもあって、ジュースのような感覚で飲めてしまった。


「あ、美味しい……! こういうお酒なら飲めそうかも」

「ははっ、そうだろ? 何しろ質がいいからな。そうして少しづつ慣れてけばいいさ」


 食前酒を飲んで料理を食べる。さすが高級ホテル、普段の料理とは段違いに美味しい……!

 普段みんなで作ってる料理ももちろん美味しいんだけどやはり食材の質が違いすぎる。これは人をダメにする味だ……!


 そうしてご飯も食べてお風呂にも入って(公衆浴場もあるらしいけどわたしは部屋の個室、シャワー完備で素晴らしい)寝る時間に。明日は3食ホテルで食べて屋内プールと卓球を楽しもうってことになったよ。楽しみだな~!

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