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5話 仲間との出会い

 ちょっとした出来事もあったけど無事に冒険者ギルドにたどり着いた。早速中に入って昨日色々と教えてくれたお姉さんに話を聞いてみる。


「回復役を募集してるパーティー、見つかりました?」

「ええ、募集してた4人パーティーが居たわ。ちょうど今ギルドに4人とも居るわよ、呼んでくるわね」


 そう言って手元にあったベルを鳴らしたお姉さん、すると気付いたのか4人がこちらに向かってくる。


「お、この子が募集してた回復役の子かい?」


 長身のお姉さんがそう言って私を見つめてきた。


「ええ、ほらカオルさん、皆さんにご挨拶を」


 そう言われてはっとするわたし。そうだよね、まずは挨拶大事です。


「初めまして、水瀬薫っていいます、水瀬が名字で薫が名前。つい先日異世界からこっちの世界にやって来たばかりです。これから皆さんのパーティーの回復役としてがんばりますのでよろしくお願いしますね」


 なんとか自己紹介を終えれた、緊張するなぁ。すると最初に話しかけてきた長身のお姉さんが自己紹介をしてくれた。


「オッケー、カオルだな。あたしはミリア・レッドフィールドってんだ、炎の魔法使いだぜ。肉弾戦ならあたしに任せな!」


 そう自信満々に紹介してくれたミリアちゃん。

 わたしが最初に感じた感想は(おっきい)だった、身長も180センチ位ありそうだし、その、胸も豊満だった。

 (Fカップ位はあるかも……)

 自分の胸と見比べると悲しくなってくる圧倒的差だった。

 そんな邪なことを考えてるうちに次の子、金髪でいかにも魔女っぽい服装でメガネをかけた女の子の自己紹介が始まった。


(わたくしはユニ・イエローオーカー、大魔女の見習いですわ。得意分野は雷の魔法よ、まあ大体の魔法は基礎的な物なら使えるのだけど。今のパーティーに足りない回復役の貴女を歓迎するわ」


 ユニちゃんはお嬢様タイプで、しかも相当の努力家みたいだった。服装のあちこちにある補修跡から努力が伝わってくる。

 そしてユニちゃんの自己紹介が終わると次はわたしより少し小さいくらいの女の子が自己紹介をしてくれた。


「私はアリス・グリーンウィンドっていうの、風の魔法が得意だよ。これからよろしくね、カオルお姉ちゃん!」


 アリスちゃんはこれぞ西洋少女、って感じの娘だった。ゆるふわウェーブな金色の髪に透き通るような蒼い目、服装も名前の通りにアリス風の白と青のエプロンドレス。ここは異世界のはずだから服装は偶然なのかな?

 そんなお人形さんみたいな可愛さのアリスちゃんに見とれていると4人組の最後の一人、黒髪の男の子が話しかけてきた。


「……俺は三土翼だ。土の魔法が得意だ、宜しく頼む」


 日本式の名前、って事はもしかして翼くんもわたしと同じ日本から転移してきたのかな。聞いてみることにしよう。


「もしかして……翼くんも日本からこの世界に転移してきたの?」

「ああそうだ、薫の名前を聞いたときから予感はしてたがやはりそうか」


 やはりそうみたいだった、同じ境遇の人が居るのが分かって安心する。

 それから少しお話してみたけど翼くんは寡黙なタイプみたい、けれど無愛想ではなくて優しいタイプなのも伝わってくる。


「カオル、仲間に会えて嬉しいのは分かるがそろそろいいか?」


 そうミリアちゃんに言われてはっとする、そういえばまだ自己紹介の途中だった。


「そんなわけで、これからあたしたちはカオルを加えた5人でパーティーを組むことになる。まずは今日受けたオークの討伐で試運転、って所だな」


 えっと、オークって偶に漫画や小説で名前を聞く豚の顔の魔物だよね?

 いきなり実戦に入るみたいだけど大丈夫かな……と不安になっていると、表情を読んでくれたのかユニちゃんが気を遣ってくれた。


「カオルさん、大丈夫よ。これでも(わたくし)達は今まで回復役が居なくてもやって来れた実力よ、今更オークなんかに負けることは無いわ」


 そう言ってくれるのは嬉しいけど、やっぱり怖いものは怖い。けど異世界で生きる上で魔物とは避けて通れない敵になりそうだから覚悟を決めなくちゃ。


「それじゃあオークのいる場所に向かおうぜ、準備は良いか?」


 ミリアちゃんの言葉に声を返す。


「はいっ」


 こうして、わたしのはじめての魔物との戦いが始まったのだった。

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