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58話 王都のダンジョンへ(前編)

 楽しいお祭りから一夜明け、王都で最近見つかった新しいダンジョンに挑む日がやってきた。といっても今日は情報収集とダンジョン用の料理の準備をする日だから潜入するのは明日だけどね。

 まずはダンジョン潜入の許可をもらいに冒険者ギルドへと向かう、今回は人気殺到の新ダンジョンでイタズラ目的の人が出ないようにだからか潜入料がいるみたい、といっても1人あたり銀貨1枚だからダンジョンで手に入れたお宝を売れば十分帰ってくる金額だね。

 手続きも済ませたので情報収集のターン、ちょうどダンジョンから帰ってきた人が居たので聞いてみる。


「すみません、新しいダンジョンについての情報を教えて頂けませんか?」


 すると、リーダーらしきお兄さんが話す。


「おっと、嬢ちゃん。情報は立派な武器だ、知りたいなら相応の対価を払ってもらうぜ」

「……と言いたいところだが、嬢ちゃんが可愛んで簡単な情報ならタダで教えてあげよう。感謝しなよ」


 お兄さんが色々と教えてくれる。


「まずは基本的な情報から、今のところ全10階層と言われていてSSランク冒険者がそのうち9階層の途中まで攻略したらしい。嬢ちゃん達のパーティーのランクと人数は?」


「えっと、Aランクで5人です」


「じゃあ5階層あたりが目標だろうな、広くて数日は5階層に辿り着くまでに掛かると思うから5日分の食料は用意しとくんだな」

「それから魔物について、5階層までなら厄介なやつは居ないだろうが4階層のボス、炎熱の魔女は強いぞ。水魔法が得意なやつを1は人は連れて行ったほうがいい」


「あ、それならわたしが水魔法使いです。まだまだ勉強中ですけど」


「それなら頑張ってくれ。まあこんなとこかな、これ以上の情報が欲しければ有料で教えてやるぜ」


「いえ、これだけでも助かりました。ありがとうございますっ」


 お兄さんと別れてミリアちゃん達と合流する、そしてお互いが得た情報を教え合う。


「……なるほど、きょうの料理は張り切って作らないといけませんわね」

「……薫、炎熱の魔女は頼んだぞ」


「それじゃああたしからだ、どうやらこのダンジョンには階層を一瞬で移動できるワープポイントがあるらしい。今のところ1階層から3階層、7階層から8階層ボス手前までのポイントは見つかってるみたいだな。ワープポイントを見つけたやつには国から金貨50枚が出るらしいからあたし達も余裕があれば調査しておきたいな」


「それじゃわたしからね、どうも3階層に小さい人しか通れない通路があるんだって。だからわたしとカオルお姉ちゃんで通ってお宝持ってくればお金になるんじゃないかな?」


「お、アリス、ナイス情報! それじゃあ情報収集はここまでにして料理の準備をするか。これから昼飯ついでに市場に買い出しだな」


 そして色々と食材を買ってきて料理する。いつもの作業だけど今回は量が多いからミリアちゃんが張り切ってたよ。「たくさん作るのなら任せな!」だって。


 ぐっすり寝て翌日、いよいよダンジョンに潜入する日がやってきた。ダンジョンに入る魔法陣には行列ができてたよ、殺到してるって聞いてたけど本当にすごい人気だねぇ。


 ダンジョンに潜入してまずは1階層、発見済みのワープポイントに向かう。広いと教えられただけあってワープポイントに辿り着くだけで半日掛かったし魔物との戦闘も何度かあったけど1階層、1日ぶんスキップできるのはありがたい。


 そしてワープして3階層、まずはアリスちゃんが言ってた通路へと向かう。思ったよりはすぐ(といっても数時間は掛かる)到着。


 確かに子どもじゃないと通れないぐらいの小さい穴が壁に空いていた、でもこの程度ならユニちゃんでも通れるような?


「あら、これなら(わたくし)でも通れそうですわね? どれどれ……」


 ユニちゃんが穴をくぐろうとすると、バチッという音とともに弾かれる。


「ユニ! 大丈夫か!?」


「いたた……大丈夫ですわ。けど弾かれたときに『我はロリしか認めぬ』という声が頭に響きましたわね。ロリってなんですの……?」


 あーダンジョン作った人(?)そういう趣味かぁ……

 というかわたし2重の意味でロリじゃないんだけど通れるのかな……?

 とりあえず意味をユニちゃんに説明する。


「……なるほど、じゃあカオルさんとアリスさんしか通れませんわね。お2人とも無事で帰ってくださいね」


 アリスちゃんを先頭に穴をくぐる。すると今度はすんなりと通ることができた。


「よし、それじゃあアリスちゃんと一緒に探索してみようか」


 といっても、部屋の1室の中だったので数分ほどで鍵と宝箱が見つかった。


「罠かもしれないけど……開けてみるね」


 鍵を宝箱に差し込み解錠する。宝箱を開くと中には真珠のネックレスとダイヤの指輪が入っていた。


「わーきれい! それじゃあお宝も見つけたし帰ろっか、カオルお姉ちゃん」


 ミリアちゃん達のもとに戻り戦利品を見せてみる。


「これはそれぞれ金貨20枚はしそうなアクセサリーですわね……これだけで十分収穫ですわ」


 そうして3階層のボスも倒して4階層に入ったところで暗くなったのでテントを張って休む。明日は5階層に向かって攻略だね。

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