55話 お祭りだ〜!(前編)
王都に来てから数週間ほど経ち、そろそろお祭りの開催日が近づいてきた。
なので今日は当日に着るための浴衣をレンタルしに服屋にやってきたよ。
「うわ~すごい人の数……」
王都のお祭りは一大イベントということもあってか、服屋の中は賑わっていた。
「それにしてもこの世界日本じゃないのに浴衣が着れるなんてねぇ」
そう、このお祭りは日本からの転移者の人も多く運営に参加しているらしく、屋台が出てたり花火が打ち上がる区域もあるそうなのだ。それで浴衣の需要も高まっているってわけ、ってユニちゃんが教えてくれたよ。
わたしとしては異世界でも花火を見れるということにすごくわくわくしてる! それに屋台も楽しみだなぁ、やっぱり焼きそばとかたこ焼きとか食べれたりするのかな?
そんな事を考えつつ、浴衣を選んでいく。色も柄もいっぱいあって悩むけど……これに決めた!
他のみんなも決まったようで、全員まとめてレンタルの手続きを行う。今はまだ誰が何を選んだかがわからないから当日、出かける前に着替えてそこでお披露ってわけ。
そしてお祭り当日がやってきた。いつもの作戦会議も
「今日は思いっきり祭りを楽しもうな!」
とミリアちゃんからあっただけ。もちろん今日は全力でお祭りを楽しみたい。
夕方になってきた頃、お着替え開始。女の子陣の着付けはユニちゃんが出来るということなのでやってもらったよ。ユニちゃん、ほんと器用万能だ。
翼くんの着替えも終わったようなのでリビングに集合する。そこでみんなの浴衣姿もお披露目だよ。
ミリアちゃんは朱色系統の派手な柄の浴衣、活発なイメージが似合っていた。
ユニちゃんは山吹色のお洒落な花柄の浴衣、これもお上品なイメージがユニちゃんにお似合いだった。
アリスちゃんは水色の金魚柄の浴衣、可愛い〜!
翼くんは黒色の無地のメンズ浴衣、渋いチョイスだけど翼くんらしいね。
そしてわたしは……
「カオルさん、花柄の浴衣、お似合いですわよ」
藍色の花柄の浴衣を選んだよ、悩んだから似合うって言ってもらえるのは嬉しい!
「よし、それじゃあ出発するぞー!」
玄関のドアを開け外に出る、わくわくが高まってきたよ〜!




