44話 入れ替わりパニック!(後編)
ユニですわ。魔物の呪いによって身体が入れ替わって今はカオルさんの身体になってますの。
お風呂はカオルさんが恥ずかしいからということで私は目隠ししてカオルさんに洗ってもらう事になりましたの、仕方がないですわ……
「それじゃあユニちゃん、目隠しお願いね」
「わかりましたわ」
カオルさんに言われた通りに目隠しを付けて服を脱がせてもらう、なんだか恥ずかしいですわね……
「それじゃあまずは髪を洗っていくね」
そういって髪を濡らしていく、カオルさんの髪はとても長いですし洗うのも大変ですのね。
「私もですが、カオルさんの髪はとても長いのでいつも洗うの大変じゃないですの?」
すると、カオルさんが懐かしそうに応える。
「うん、確かに大変だけどね。わたしのママがこの髪を気に入ってくれてたから切らないの」
「そうですのね、そういえばカオルさんのご両親のお話しはあまり聞いたことないですわね」
「うん、あんまり話すとやっぱり寂しいから。でも今の生活も好きだよ」
そんな会話をするうちに髪も洗い終え、身体を洗う番に、ちょっとくすぐったいけど我慢ですわ。
「え、えっと……デリケートゾーンも洗うね」
「あ、はい、お願いしますわ……」
微妙な空気が流れる。そして局部から女の子の身体では感じることのない感覚を感じる。
「そ、その……カオルさんって、本当に付いてたんですのね……おちんちん」
「ちょ、ちょっとユニちゃん!?」
カオルさんが慌てた声を出す、流石にさっきの発言は失礼でしたわね……
「わ、私ったらつい……申し訳無いですわ、恥ずかしい発言でしたわね」
すると、カオルさんも恥ずかしそうに話す。
「うん、確かにユニちゃん達には直接見せたわけじゃないからね……でも恥ずかしいからこの話題禁止ー!」
そして、身体も洗い終えて服を着せてもらい目隠しを外してもらう。
「カオルさん、お手数お掛けしましたわ」
「ううん、こっちの都合でこうして貰ったんだから大丈夫だよ」
そして他の方の入浴も済み、そろそろ入眠する頃……なのですが、問題が起こりましたの。
おトイレに行きたいですわ……せっかくカオルさんに手伝って貰って直接局部を見ないようにしてたのに、これでは台無しですわ……
ともかく、カオルさんに伝えませんと。
「カオルさん、その、おトイレに行きたいですわ……大丈夫ですの?」
カオルさんが顔を赤らめて応える。
「う、うん。それなら仕方がないね……行ってらっしゃい」
というわけでおトイレに来たのですが、ここで悪魔的感情が私の中で生まれましたの。
そう、男の子の身体になったなら立ちションをしてみたいという欲求が。カオルさんには悪いですが私もそういう欲求と興味心はありますのよ。
ええと、便器の蓋を上げて、ショーツを脱いで、おちんちんを持って……
わ!加減が解らず飛び散ってしまいましたわ……
ど、どうしましょうかしら。とりあえずお掃除しませんと……
「ユニちゃん? 叫び声が聞こえたけどどうかしたの?」
……カオルさんにバレてしまいましたわ。正直に白状したほうが良さそうですわね。
「すみませんわ、暴発しちゃっておトイレを汚してしまいましたの……」
「あー……分かったよ、初めての経験だから仕方がないよね。ゆっくりでいいからお掃除お願いね」
うう、やっぱり邪な考えを持っちゃ駄目でしたわね……
そうしてハプニングも終わり、眠る時間がやってきましたの。
「済まないな、5人分入れるベッドはないから地べたで寝ることになるぜ」
ミリアさんが済まなそうに言ってますが、まあ仕方がないですわよね。
「もし明日になっても戻ってなかったら怖いけど……大丈夫だよね……?」
カオルさんの言葉にミリアさんが応える。
「シスターさんが言ってたし大丈夫だろ、あまり考えすぎるのは悪いぜ?」
「うん、そうだよね。じゃあ、おやすみ!」
それでは私も眠りますわ、カオルさんの身体のせいなのか普段より早く眠気が……
そして翌朝、意識が戻るとすぐに自分の身体を確認する。わたしは薫だよ。
「うん、わたしの身体だ! 呪いが解けたみたいだね!」
「みたいだな、いやー良かったぜ」
「私の身体に戻ったねー」
「これで安心、ですわ」
「俺の身体に戻ったか、良かった」
各自元に戻ってるのを確認しあっていると、ユニちゃんから言葉がかかる。
「こう言ってはなんですけど、カオルさんは残念でしたわね。女の子の身体に入れ替わっていれば1晩の間とはいえ念願の身体になれましたのに」
「ううん、誰かに迷惑かけることになっちゃう形は望んでないから。ユニちゃん達の身体になってたとしても申し訳無いよ」
すると、ミリアちゃんが笑って話す。
「あはは、控えめなのはカオルらしいな。」
「さて、今日は念の為休みを入れてたんだがどうするか。ギルドと教会に呪いが解けた報告はするとして他にやりたいことあるか?」
すると、アリスちゃんが手を上げて言う。
「また雪遊びしたーい!」
「……ま、今日くらいはアリスの意見を尊重するか。とはいえ何するんだ? 雪合戦はこの前やったし……」
ミリアちゃんが悩んでいるところにアドバイスを出す。
「それじゃあかまくら作りとかどうかな?」
「かまくら?」
あ、この世界の人には伝わらないか。簡単に説明する。
「わー楽しそう! かまくら作ろっ!」
アリスちゃんは元気満々だ、ミリアちゃんも楽しそうにしていた。
よーし久しぶりに作っちゃいますか!




