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37話 雪玉大合戦!

「行きますわよ!」


 ユニちゃんの掛け声とともに大量の雪玉がこちらに飛んでくる、明らかに手で投げれる量ではないので魔法を使ってるっぽい。

 すかさず当たらないように雪山の陰へ隠れる、しかしまるで予測していたかのように上から雪山が降ってくる。


「うう、みんなガチ過ぎるよ〜!」


 なんでこんな雪合戦が行われてるかというと……




「みんな、今日の予定についてなんだが……」


 アルタイルに着いた翌日、いつもの様にミリアちゃんからの指示が始まる。


「流石に長旅の翌日からダンジョンに向かうのもしんどいし今日はゆっくりしようと思う。色々と準備もあるしな」


「あ、それじゃあ私雪合戦したい!」


 勢い良くそう宣言するのはアリスちゃん。


「いや、アリス、遊びに来てるわけじゃ……」


 ミリアちゃんが苦笑すると、アリスちゃんが悲しそうな顔をする。


「ミリアお姉ちゃん、駄目……?」


「いや、ま、良いか。たまには遊ぶのも重要だな」


「やったぁ!」


 アリスちゃん、嬉しそう。わたしも雪合戦は久しぶりだなぁ。


「じゃああたし、アリス、カオルでチームを組んで、ユニとツバサのチームと対戦だな。3vs2だけど戦力的には丁度いいだろ。みんな良いか?」


「……構わない、ユニ、よろしく頼む」

「了解ですわ、ツバサさん、よろしくお願いしますわね」


「わーいカオルお姉ちゃんと一緒だ〜!」

「アリスはカオルのこと好きだよなぁ、あたしも居るぜ!」

「ミリアちゃん、アリスちゃん、よろしくね」




 ……といった感じで、雪合戦が始まったのだった。


 序盤のうちはお互いに普通に雪玉を作っては投げあってたんだけど、アリスちゃんが風魔法を使ってすごいスピードで雪玉を投げてからは状況が一変、お互いに魔法ありの大合戦になってきたのだ。


「くそっ、このままじゃあユニ達に押されちまう。なにか良い案は無いか?」


 ミリアちゃんの提案にアリスちゃんがひらめいた! って顔で応える。


「カオルお姉ちゃんが魔法で雪玉を作って、私が風魔法でお空に飛ばして、ミリアお姉ちゃんが理力魔法でツバサお兄ちゃん達の陣地に降らせるってのはどう?」


 アリスちゃん、可愛い顔してエグい戦術思いつくね……

 ミリアちゃんもそんな感想だったのか、苦笑いしながら言う。


「お、おう……やってみるか。カオル、雪玉を頼む!」


「うん、やってみるね」


 集中し、周囲の雪を溶かさないように気を付けつつ雪玉に圧縮してゆく。水魔法の応用も出来るぐらいには魔法にも慣れてきた、まだ治癒魔法と水魔法以外はからっきしだけどね。


「アリスちゃん、お願い!」


「わかった、行くよ~!」


 アリスちゃんがそう言うと、わたしが作った雪玉がぽーんと上空に飛んでいく。


「よし、あたしの出番だな!」


 そしてミリアちゃんが雪玉をユニちゃん達チームの陣地に向けて急降下させる。それはまるで弓兵による弓の一斉射撃のようだった。


 ズドドドド!と降り注いだ雪玉が音をたてる。流石にやりすぎた……? と思って不安になるも、あちらも負けてはいなかった。いつの間にか陣地を抜け出してわたし達のすぐ隣まで来ていたのだ。


「えいっ、終わりですわ!」

「……決着だ」


 ぽすっ、とわたし達チームの頭にユニちゃん達チームが投げた雪玉が当たる。勝負あり!


「まったく、容赦なさすぎですわ! 直撃してたら怪我してましたわよ?!」


「いやーすまない、つい本気になっちまった。流石にあの速度はやりすぎたと反省してる」


 そんなやり取りがありつつも、楽しく遊べたのは良かった。発案者のアリスちゃんもご満悦のようだった。


「みんな、私のわがままに付き合ってくれてありがとう!楽しかった!」


「雪合戦なんて久しぶりだったからな、楽しかったぜ!」

「たまにはこういう遊びも良いものですわね」

「……悪くはなかったな」


「わたしも楽しかったよ。アリスちゃん、またやろうね!」


 そうして遊んだあと夕ご飯も食べてあとはぐっすり寝るだけ。だけどなんだか身体が熱いような……?

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