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28話 おしゃれに時間とお金は掛かるもの

 下着を買ったわたし達は次の目標、服屋に来ていた。


「ランジェリーショップもそうだったけど、服屋も凄いねー!」


 わたしが呟くと、ユニちゃんが頷いて話す。


「ですわ、流石スピカですわね。他の街ではこんな品揃えは出来ませんもの」


 ユニちゃんと話していると、先を進んでいたミリアちゃんがこちらに振り向いて話しかける。


「よーし、到着だ。4、5着程度を目安に自由に選んでくれ。決まったらあたしに教えてくれ、一括で会計するからな」


 そう言いながら服屋のドアを開けて入るミリアちゃん、わたし達も後に続く。


 店内は様々なサイズ、デザイン、色の服が勢揃いしている、おしゃれ好きには魅力的な空間だった。もちろんわたしもテンションが上がるね。


 まずはショーケースに入ってる服を一通り眺める、予算的に買えないけど見るだけならタダだしね。

 ささーっと見ていると、目を引き止める服が飾ってあった。水色と白色を基調としたフリルやリボンが付いている衣装。ロリータファッションっていうのかな、子供向けサイズでわたしに丁度いいぐらいだった。胸元の大きなリボンが可愛らしい1品だね。

 良いなーと思ったけど値段を見て現実に引き戻される。


「金貨1枚と銀貨5枚……だいたい1万5000円相当位かぁ」


 流石にこれは買えないよね、と名残惜しいけどショーケースから離れて子供服コーナーに向かう。

 そこには先客にアリスちゃんが居て服選びをしている最中だった。


「あ、カオルお姉ちゃん! お姉ちゃんも一緒に服選ぼ〜」


 アリスちゃんの提案を断る理由も無く、2人でお互い似合いそうな服を選び合う。


「わたし、カオルお姉ちゃんにはワンピースが似合うと思うな!」

「うん、アリスちゃんはやっぱりフリルの付いた服が似合うね」


 そう言って選び合い、2人とも2着ほどワンピース型の服をキープしたよ。


「お、アリスとカオル。服は決まったか?」


 そこにミリアちゃん登場、ミリアちゃんは既に目標の服を決め終えてるようだった。


「2人はまだ選び中みたいだな、どんな服を選んだんだ?」


 わたしは水色とピンク色のワンピース、アリスちゃんは青色とわたしとお揃いの水色の服を選んだのをミリアちゃんに伝える。


「ふふっ、お揃いは良いな! しかし、カオルは水色とピンク色が好きだな、下着もその色を買ってたし」


 わたしははにかみながら応える。


「うん、わたしはその2色は好きだよ。水色はさわやかだしピンク色は女の子の色って感じがするから。ある意味わたしらしい好み……なのかな」


 すると、ミリアちゃんがはてな?といった表情をする。


「ほら、この世界だとわかんないけどわたしの居た世界だと青色、水色は男の子っぽい色、赤色、ピンク色は女の子っぽい色。ってイメージがあるから」


 わたしの発言を聞いたミリアちゃんはなるほど、といった顔になる。


「なるほどねえ。まあイメージに囚われないでカオルはカオルらしく好きな色を選べば良いんじゃないか」


 ミリアちゃんの発言につい嬉しくなっちゃうわたし、同時にちょっと恥ずかしさもあるので話を変えてごまかそう。


「うん、そのつもり。それじゃあアリスちゃんと一緒にスカートと上着を選んでくるね」


 そうしてスカートと上着も選んで目的の服を選んだわたしとアリスちゃん。

 すると丁度いいタイミングでユニちゃんがこちらに向かってきた。


「お待たせしましたわ、(わたくし)も選び終えましたの」


 ユニちゃんの選択は、黒色多めのシックで落ち着いた服が多いようだった、ユニちゃんらしいね。

 そんな事を思ってるとユニちゃんからもわたし達の服の選択にコメントが付いた。


「カオルさんとアリスさんは1着お揃いの服を選んだのですわね、素敵ですわ。ミリアさんは明るい色が多くてイメージに合ってますわね」


 ユニちゃんの1言コメントも終わったところで、ミリアちゃんが3人に向けて確認する。


「よし、それじゃあ4人全員決まったみたいだし会計するぞ、買い忘れは無いか?」


 大丈夫だよ。と伝えてミリアちゃんにお会計を任せる。合わせて金貨10枚位だったらしい、やっぱりおしゃれに拘るとお金掛かるねぇ。


 今日の目標を済まして借家に帰ると先に帰ってきていた翼くんが迎えてくれた。


「帰ったか、夕飯が出来ているから荷物をおろしたら食事にしよう」


 言われた通りに荷物を置いて翼くんが作ってくれたご飯を食べる。

 夕ご飯も食べて談話中にふと気になったので聞いてみる。


「そう言えば、翼くんはどんな服を買ったの? 別行動だったから気になるな」


 すると、翼くんはいつも通りの落ち着いた口調で応える。


「特に着飾る気は無いからな、実用性重視だから見ても面白く無いぞ。今着ているのが新しい服だが」


 確かに、今までとは違う服だ。やっぱりそんな事言ってても翼くんもおしゃれだねえ、黒色のシャツとズボンをしっかり着こなしてるよ。


 そうしてわたし達のスピカでの1日は過ぎていくのであった。

次回の更新は11月20日を予定しています。次回では挿絵を描いて頂いたので挿絵付きです!楽しみにお待ち下さい

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