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26話 気まずい……&あわわわ……

 昨日のどこ行く会議から翌日、わたし達は街のはずれにあるドラゴンフライト乗り場にやって来た。


「うわぁー、凄い。本当にドラゴンが何体も居る……!」


 飛行場と思われる場所に留まっているドラゴン達を見て、思わず言葉が漏れる。


「ははは、カオルは初めて見るかな、ドラゴンは。ああ見えてきちんとテイムされているから人に危害を加えることは無いぜ、安心しな」


 そ、そうはいってもあの巨体に乗って移動するんだよね……不安しかないんだけども。

 そう思うと、緊張かトイレに行きたくなってきちゃった。


「ねえミリアちゃん、わたしおトイレに行ってくるね」

「はいよ。アリスも行ってるはずだからついでに連れてきてくれ」


 周囲を見渡してトイレを探して急ぐ、この世界には共用トイレって概念はないからどうしても女子トイレに入ることになるんだよね。わたしが男子トイレに入る方が問題起きそうな気がするから仕方ないんだけどやっぱり罪悪感が……(元の世界に居た頃は基本共用トイレで学校では公認で女子トイレを使わせてもらってたよ)

 ともかく、(ごめんなさい!)と心の中で謝りつつ女子トイレに入り、個室の扉を開ける。

 そこには、金髪で水色の服を着た可愛い少女……つまり、アリスちゃんが居た。


「ご、ごめんなさいっ!」


 そう言って素早くドアを戻したわたし、するとドア越しからアリスちゃんの声が聴こえてくる。


「カオルお姉ちゃん……だよね?」

「う、うん……」

「鍵を締め忘れちゃってたみたい……驚かせてごめんね」

「こっちこそ確認せず入っちゃってごめんね……見えてはなかったから……」


 お互い恥ずかしい中、アリスちゃんが個室から出てくる。


「ごめんね、カオルお姉ちゃん。でも、ツバサお兄ちゃんみたいな普通の男の子はともかくカオルお姉ちゃんになら見られてもそんなに恥ずかしくない……かな」


 アリスちゃんが気を使ってそう言ってくれる、優しいいい子だなぁって改めて感じたよ。

 そんなこんながあったけどわたしも個室に入って目的を果たして一緒にミリアちゃん達のもとに帰ってきた。


「お、おかえり。なんかカオルは顔赤いけどどうした?」


「黙秘権を使います……」


 わたしはそう言うしかなかった。


 そんな事もありつつ、わたし達のフライトの時間がやってきた。

 移動式階段を使ってドラゴンの背中に乗るとテイマーの人から注意事項を聞く。どうやら結界が張られるうえに命綱を付けるから風が当たったり落ちたりすることは無いらしい。

 話を聞いてちょっとは安心したけどやっぱり怖いものは怖いよ〜!


「それでは、スピカに向けてのフライト出発します!」


 テイマーさんがそう言うと、ドラゴンが翼を広げて羽ばたき一瞬にしてわたし達は空の中に入っていった。


「あわ、あわわわ……」


 なるべく周囲を見ないようにしてるけど、自分が空高くにいるのはひんやりした空気で分かるわけで。


「あはは、カオルはビビりすぎだって。もっとどっしりと構えなよ」

「いや、ミリアさんは逆に堂々とし過ぎですわ……(わたくし)は未だに少し怖いですのに」


 そんな会話も聞こえてきたけど、それに反応する余裕もなくわたしにとっては恐怖のフライトが続いて行くのであった。


「や、やっと地上に戻ってこれた……!」


 おそらくは2時間位なんだろうけどそうとは感じなかったフライトを終え、わたし達は服飾の街スピカのフライト場に辿り着いた。


「よし、まずは暫く住む所を借りに行かないとな」


 ミリアちゃんが元気にそう言う。あのフライトを終えてそんな元気があるのが凄い、わたしはもうへとへとだよ……


 そして宿舎の仲介ギルドに直行し、大きめの一軒家を借りてきてくれたらしい。その借家に入ったら即座にベッドに横になったわたし、そして夕ご飯の時間までぐっすり寝ちゃったよ。

 夕ご飯を食べた後、早速明日に衣類のお買い物をしようという事になったらしい。


「ま、そんなわけで女子組は時間が掛かるもんだからな、まずは下着類から買うかな。ツバサは悪いが1人で買い物しといてくれ」

「構わない、慣れている」


 翼くんは相変わらずクールだねぇ、と思ってるとミリアちゃんから問題発言が出てきた。


「というわけで、カオルの下着選びはあたしらに任せな!」

「えうっ、恥ずかしいよぅ」

「なに言ってんだ、あたしらの仲だろ?」


 うう、確かにそうなんだけど恥ずかしいものは恥ずかしいよ〜!

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