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21話 星に願いを

「止まって!」


 わたしの願いに反して、小石は軽い音を立てて地面に落ちた。

 その様子を見ていたミリアちゃんが、不思議そうな顔をして話してくる。


「カオル、何やってるんだ?」

「あ、ミリアちゃん。えっとね、この前のダンジョンの時みたいに時魔法が使えないか練習してたの」

「なるほどな、けどあの時は特別だったんじゃないか?クリス様も『奇跡の種』って仰ってたし普段から使えるものじゃないと思うぜ」


 うーん、やっぱりかぁ。


「けど、治癒魔法以外にもみんなの役に立てる能力があればなぁって、みんな強いからわたしの出番が無くなっちゃうよ」

「カオルがそこまで気にする必要ねえって、ダンジョンの時もゾンビ達を倒してくれたし怪我も治してくれたじゃないか」

「そうかな……?ありがとね、ミリアちゃん」


 そう話してるとユニちゃんが話題を持ちかけてくる。


「カオルさん、それなら祈ってみるのも手ですのよ?」

「実は今日の夜、流星群が見れるとギルドの掲示板にありましたの。(わたくし)は見るつもりですわ、カオルさんも一緒にどうかしら?」


 そのお誘いに、もちろん喜んで応える。


「そうだね、みんなで一緒に見ようかな、けどアリスちゃんは起きてられるかな?」

「そんなに遅い時間帯じゃないから大丈夫だと思いますわ、それでは時間になったらお呼びしますわ」


 そして夕ご飯も食べて各自の部屋に戻りしばらくした頃、ユニちゃんから声が掛かった。


「カオルさん、時間ですわ。もう流れ始めてますわよ」


 外に出て夜空を見上げると、大きな2つの月とたくさんの煌めく星、そして流れ星がわたしの目に入ってきた。


「綺麗……!」


 思わず感嘆の呟きが出る、それはみんなも同じみたいだった。


「綺麗だな……」

「ですわね……」

「ああ、そうだな」

「わー、いっぱい流れてる〜!」


 そういえば、と手を合わせて祈るわたし、みんなも各々何かを願っているようだった。


「さて、カオルさんは何を願ったのかしら?女の子の身体になりたい?時魔法の習得?それとも……?」


 ユニちゃんの疑問にぼかして応える。


「うん、その2つもお願いしたけど1番大事なのは……ううん、ナイショ♪」


「お、なんだよ。気になるじゃんかよー」


 ミリアちゃんが1番の願いを聞こうと質問してくるけど恥ずかしいからナイショなの。


「でも、多分これはみんなが願ってることだと思うよ。」


 そう、何より大事なお願い。それは……


「「「「「この5人でずっと楽しく過ごせますように」」」」」



 そして翌日、案の定わたしとアリスちゃんはお寝坊しちゃった。けどみんなが既に朝食を作っててくれたお陰で元気に1日を迎えられたの。


「そういえば、そろそろあの時期かしら。うふふ、楽しみですわ♪」


 ユニちゃんの独り言にミリアちゃんがあーって感じの表情で返す。


「そうか、そういやそろそろブクマの時期か……ユニ、はしゃぐのは良いが買い込みすぎないようにな」


 ブクマ?と頭がはてなになるわたし、ユニちゃんが説明してくれる。


「ブックマーケット、通称ブクマは大規模な個人制作による魔導書、漫画、小説等のあらゆる読み物の販売イベントですわ。掘り出し物もあったりして堪りませんの!」


 おお、ここまで積極的というかワクワクしてるユニちゃんは初めて見た気がするよ。


「という訳で、次の目標はブクマの参加だ。この機会に皆新しい分野の魔法に挑戦してみてくれ」


 ミリアちゃんの指令に賛同するわたし達、わたしも治癒能力だけじゃなく他にもパーティーの役に立てる能力を持たないとって思ってたから丁度いいかな?


 かくして、ブクマの日まで簡単なクエスト等をこなして資金を貯めるわたし達だった。

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