5-0-0.プロローグ
厄災ノ神よ……俺は復讐をしたい……。
俺の首を切り落とした奴等に復讐を……。
厄災ノ神よ……。
この街に寄生するゴミの為に、俺に……。
新たなる屍霊を……。
俺に従う新たなる力を……。
五十殺した時に黄泉帰りを許された……。
七十殺した時に自分の言葉で喋る事を許された……。
そして今度は……百殺しを成し遂げた……。
俺に、俺に更なる解放を……。
■ ■ ■ ■ ■ ■
意識が覚めると、また暗闇であった。
復讐しても復讐しても俺の心が晴れることは無い。
復讐が終わってもまた別の復讐が俺を待っている。
もう、この身体に生まれ変わり、最初の目当てであった奴等は当の昔に皆殺しにした。だが、俺の手が止まる事は無い。身も心も全てが汚い人間の血で染まっている。
そしてこれからも、新しい血で染め続ける。何十年経っても、何百年経っても、俺は人を殺し続ける。この世に人という存在がある限り殺し続ける。それが俺に復讐の機を与えてくれた神の望みだから。俺はそれに従うだけ。従わされるだけ。
だが、まだ奴等に首を落とされ黒き魂の傷痕が癒えぬ。
少しの時間が必要だ。必ず殺してやる。何としてでも殺してやる。
その間はお前に身体を任せよう。好きにするといい。
誰か……。
誰か……助けてくれ……。




