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おんりょうめもりー ~死人達の記憶と刀の少女~  作者: ぎたこん
第一部・第一章・初めての怨霊
125/613

1-37-0.□□□□【伊刈早苗】

 光が見える。

 広がる闇の中に見える一筋の光。


 誰かが見ている。

 私の大切な物が見ている。

 私を見ている。

 忘れたい記憶、忘れたくない記憶。


 私の大切な物を通じて誰かが覗いている。

 私の心はここにある。


 でも、その光はすぐに消える。


 暗い。

 どこまでも暗い。

 何も見えない。


 助けて。

 誰か助けて。


『誰も助けてくれないよ』


『自分の身は自分で守らなきゃ』


『殺らなきゃ殺られるよ』


 誰?

 誰なの?


『私は伊刈、伊刈早苗』


 違う。

 伊刈早苗は私。


『人を呪わば穴二つ、あなたはもう元のあなたには戻れない』


 いや。


『後は私に任せて』


 いや。


『正直になって』


 もういや。


あなた未来永劫みらいえいごう、人を殺すの』


 もういやなの。


『電子の世界に身を隠し、醜い色に染められた寂しい心を持った人たちを』


 お願い、解放して。


『心の深くに刻み込まれた癒える事のない深い深い傷が消えるまで……』


 こんな事になるなんて思っていなかった。

 お父さん……お母さん……。


 ……ごめんなさい……。


 ………………。

 …………。

 ……。

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