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聖剣勇者 6話

「あなたたちでは荷が重いだろうとやってきました。ここは天才の私に任せてください」


 ティアラ姫が構える。


「ウッザッザ! 自分で天才とか言ってやんの~。負けたときが恥ずかしいでちゅね~。というわけで恥じ晒せや! 腹痛フラ……」


 その瞬間ウザザの足元から火柱が上がり、ウザザが焼き尽くされる。


「ぴょーーーーーー!!」


 絶叫までがうざいウザザ。


「魔法の展開早! こいつ強い! 気を付けろシネネ!」


「そうです私は強いのです! で負けたときが何ですかね~四天王の雑魚さん」


「ゆる、許さ」


 そこまでいってウザザが完全に焼き尽くされた。

 灰も残っていない。


「ジャマバインド!」


「死ねビーム!」


 魔障壁で死ねビームを防ぎ、ウザバインドは地面から現れた竜巻によって切り裂かれて消えた。

 

「ちょ、強すぎ! 私のジャマ空間で魔法が阻害されてるはずなのに!」


「くそ、俺には夜食のフレンチが待っているのだ。拡散死ねビーム!」


 千を超える死ねビームがティアラ姫を襲う。


「千の矢が来るなら千の盾を用意すればいいだけです」


 そう言ったティアラ姫の前に千重の魔法障壁が現れる。

 死ねビームはすべてティアラ姫の前に防がれた。


「ではこれでフィニッシュです。スーパーティアラブレス!」


 巨大な火炎がシネネとジャママを焼き尽くす。


「く、くそ。これで勝ったと思うなよ。これは「分かってます。ウザザによる実態を持つ幻影の魔法ですね。これで勝ったとは思ってませんよ」


「そ、そうよ。本体はこの十倍は強いんだから覚悟し解くことね!」


 そこまで言ってシネネとジャママが焼き尽くすされた。

 そして灰も残らない。


「ひ、姫様。さすがです」


 数十秒立ってから、騎士の一人が口に出した。


「いえ、まだまだです。ジャマ空間があったとはいえ、相手を焼き尽くすのに喋る時間を与えてしまうぐらいかかりました。私も精進せねばなりませんね」


 そこに勇者、堺勇人がやってきた。


「あれ、終わってる?」


「私が片付けました。すごいでしょ! ほめていいんですよ」


「いや、敵がザココ並みに雑魚かったとかそんなオチでは?」


「まぁ、そうですね。そんなに強くありませんでした」


 そこまで言って騎士たちは驚きを隠せない。A級と言われる自分たちでも歯が立たなかった相手をそんなに強くないで済ませてしまうあたり、本当にこの人は天才なのだ。

 そう騎士たちは思った。


***


「というわけで誰一人傷つけず勝ったのはいいんですけど。このままじゃ魔王に勝てませんね。それどころか四天王すら危ういかも」


 四天王は今三人集まって砦に籠っている。しかも四天王は魔王城の結界の役目があるとかで、全員殺さなければならない。

 しかし、姫様によれば四天王の力はかなり強大らしい。


『ずばりセオリー通りだな』


「セオリー?」


『そうだ、今まで魔王は四天王という魔王城を守る結界を持つ役目を四人の強大な力を持つ魔族に振り当ててきた。そいつらは勇者一人では倒せないほど強大であり、今までの歴史上一人で四天王に勝てたことはないのじゃ』


「それってまずくない。こっち一人と一本だよ」


「私がいるから二人と一本ですよ」


『まずいな。それで古来より勇者は仲間を集め四天王を討伐してきたんじゃ!』


 仲間集め、まさにRPGゲーム様な展開だな。


『竜に乗り天空を駆ける竜騎士、魔法の深淵を知る大賢者、そして弱きを助ける祈りの聖女、この三人じゃ! これを俗に予言に仲間たちという!』


「おお! 何かかっこいい!」

 

 竜騎士、きっとかっこいいムキムキおじさんで、かっこいいドラゴンを従えているに違いない。

 大賢者、百歳を超えるお爺さんで、全属性の魔法が使えたりするに違いない。

 聖女、思わず息をのむような美少女で、優しくて(重要)常識があって(重要)回復魔法が得意だったりするに違いない。


「よし、集めよう予言の仲間たち!」


『うむ、代々勇者は一人で旅に出かけ、旅先で運命的に予言の仲間たちを集めてきたのじゃ』


「今回は私も同行するので、二人旅ですがね! ね、勇者様」


「え、姫様。城の外に出ていいの?」


「止められるでしょうが、この城に私を止めれる実力者はいませんよ。勝手に出ます」


 おうふ、とんだおてんば姫だぜ。


「それに私がいると良いことがありますよ!」


「へぇ~、どんな」


「転移魔法が使えるので行きたい場所にひとっとびです」


「それ、旅の意味なくなるんじゃ」


『転移魔法は便利じゃが行ったことのない場所のない場所にはいけん。座標が分からないからな』


「それなら大丈夫です! 私は十二歳の頃世界を旅していたんでこの大陸であればどこでも行けます」


「旅してたんだ」


「ええ、食道楽……じゃない武者修行の旅に出ていました」


 ご飯目当てかよ! 


「とにかく! 私には予言の仲間たちのいる場所に心当たりがあります! 代々竜騎士を輩出してきた竜の里、大陸一魔法使いたちが集まる魔法都市エンデミオン、聖国の中央都フェルナンス、この三つです」


『確かにその三つなら、予言の仲間たちがいる確率も高かろう』


「では明日の朝一に竜の里に転移しますか」


 そう言う話になり、俺はその日就寝した。




 翌日、旅に出るということで旋回パレードが行われその日は出発することが出来なかった。そしてさらに翌日。


「では行きますよ勇者様」


 床に転移陣が現れ、俺は勇者の部屋から姫様と共に竜の里に転移した。

 これは後で知ったことだが、姫様は出てはならないと王様に言われたにもかかわらず普通に出てきたそうだ。

 さてそんなことはつゆしらず俺は竜の里の入り口に立っていた。

 腰には兵士の剣Aではなく聖剣エクスカリバアア!を装着し、簡単な旅人の服を装備している。

 姫様は城の中と変わらず、ドレスを着用し何も持ってはいない。

 

「でっけぇ」


 俺は思わず呟いていた。竜の里は山に作られた里で山の地形を利用してある。

 階段が幾多にもつながり、どこまでも続いていそうだ。

 空には竜が飛び、時折鳴き声が響いてくる。

 ファンタジックな光景に何か感動した。

 

「よし、まずは竜騎士を仲間にするぜ!」


「その意気です勇者様!」


 


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