植物転生 11話 ぶちぎれ
この世は弱肉強食だ。弱い奴が悪なのだ。
俺に危害を加えない限り、俺は手を出すつもりはなかった。
だが、ガタイのいい男お前俺に唾を吐いたよな。
これは水滴による攻撃だな? そうだな? きっとそうだ。
ぶっちゃけいうと、女が炎を避けなかったのは俺が背後にいたからだと思うんだよね。
それを思うとさっきから余りいい気分ではなかった。
だが、俺に危害を加えない限り何もする気はなかった。
たぶん女は、さっき「木には何もするな」とかいって男たちが「木なんかかばったのか、ギャハハ」とか言っていたのだろう。
今も何か言っては笑っている。
「水やりしてやったぜ、ハハハハ」とかだろう。
うん、さらには俺にガタイのいい男が蹴りを加えやがった。
全然痛くなかったけど……俺はぶちぎれですわ。
この世は弱肉強食。先に手を掛けたのはお前。ドゥーユーアンダスタン?
次の瞬間俺はガタイのいい男を念動力で吹き飛ばした。
空中に吹き飛ばされる男。だがこの程度で終わると思うな。
やろうと思えば最初の一撃で跡形もなく消せるんだ。
俺はガタイのいい男を室内で跳ねるスーパーボールの様に空中で何度も叩き付けた。
そして一気に念動力で負荷をかけ、破裂させた。
きたねぇな、でも栄養だな。
俺は破裂した肉片と血を吸収する。
しょぼい栄養と魔力だ。
トリケラトプスの方が栄養豊富だったぞ、魔力もな。
静寂。
そして残った男三人が何やら喚いている。
そして俺に向かって炎をうった男が、また炎をうった。
バンッと空中で潰す。
そして敵意を見せたお前も潰す。
ぐしゃっと男が潰れそしてその肉片と血も回収する。
残った男二人は馬に急いで乗ると女を放って、町とは逆方向に逃げ出した。
めっちゃ怯えてた。
まぁ、いきなり二人が潰されたしな。
俺が人間だったら恐いだろう。
残された女は何やらぽかーんとしてる。
縄で腕を後ろにくくられているまま、立つとそのまま町の方へと向かっていった。
残ったのは俺と馬二匹だけだった。




