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植物転生 10話 女と男四人

 男たちは馬から降りると懐から縄を取り出し、女に近づいていく。

 俺はそれを黙ってみていた。

 たぶん男が悪で、女は犠牲者何だろうが、この世は弱肉強食、やられるほうが悪なんだ。

 俺に危害を加えない限り、俺は何もしないだろう。

 男が後五歩近づいたら女に接触するだろうと所で、女が目を覚ました。

 そのまま立って、懐から枝を取り出した。

 いや枝というより木の杖だな。

 そして大声で何やら言っている。

 男の方を見ると、ナイフを取り出したりしている。

 女と男たちが何やら言い争っていたが、男の一人が女の方に手をかざした。

 何だ?

 その瞬間俺は感じた。

 魔力だ。

 男の腕に魔力が集まり、放出された。

 そこまでなら驚くことではない。俺だって三年ぐらいでそれくらいできた。

 驚いたのはそこからだ。魔力が消えた。否、魔力が分解されたといった方が正しいか。

 俺が今までやったことないことだ。魔力は分解されてそして再構築された。

 炎として。

 は?

 なんで魔力が炎になってんだ?

 空気との摩擦?

 だが、魔力の念動力でもそんなことできないぞ。

 そもそも使ってる魔力量が少なすぎる。

 まるでこれは……魔法。

 炎はこっちに向かって飛んで来た。

 狙いは女の様だ。

 女は避けようとして……踏みとどまった。

 ええ!?

 炎が女に命中する。

 幸いショボい炎だったようで、服には燃え移ったりはしなかった。

 空気に消えたが、女は腕を抱えてうずくまっている。

 どころか顔にも飛び火したっぽい。

 火傷したのだろう。痛そう。

 炎放った男がガタイのいい男に殴られる。

 仲間割れか? いや、違うらしい。何か怒鳴っているがたぶん。縄とか持っていた事を考えて、女をとらえて売ろうとしていたのだろう。

 それを炎が当たったから、火傷して女の価値が下がるとか言ってるに違いない。

 そしてガタイの男は、女に近づいて行った。

 痛みに振るえている女に近づくと、おもむろに女の腹を蹴った。

 がはっ、と呻き声が聞こえて、女が吐しゃ物をまき散らす。

 腹ならあざが出来てもばれないとか考えてるのかな。

 ダブルの意味できたねぇ。

 男は炎をうった男に何やらいったあと、女の首にナイフを掲げる。

 女が男の方を見て睨み付けている。顔には火傷跡が見える。

 ちっ、と男が舌打ちした後、他の男になにかいう。

 それを聞くと縄を持った奴が近づいてくる。

 そこで女が手に魔力を集中させた。たぶん魔法を使うのだろう。

 と思ったら魔力を放出する前にガタイのいい男にまた腹を蹴られた。

 事前に魔力を感知したのだろうか。

 女が蹴られてゴロゴロと丘を転がって途中で止まった。

 魔力をまた手に集中しようとしていたが、その前に魔力が乱れすぎて集まらない。

 男が何やら女にいったあと、女がそれに口答えする。

 縄を持った奴が近づき、女は縄でとらえられた。

 まぁ、これも弱肉強食だ。

 そこで女が何かいった。

 それを聞いた男たちが何やら笑っている。馬鹿にしたような笑い方だ。

 そしてガタイのいい男が唾を吐いた。

 俺に向かって。

 そして水滴が俺に当たった。

 あ?


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