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私財置き場・ゼレキアス  作者: あめふらし
レボリューションカードダス
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レボリューションカードダス 3話 フレンドとムカつく奴

 結果的に言うと俺の勝ちだった。

 YOUWINの文字共に俺はデュエル広場に戻って来る。

 ランクが2に上がり、報酬として500DPを貰う、それとパック引き換えチケットと言うものを5枚貰った。

 

「あ、あの強かったですね。完敗でした」


 報酬を見ていると、横からさっきの女の子が話しかけてきた。


「同じランクだったのに、ここまで差が出るもんなんですね。びっくりです」


「ああ、俺はちょっとズルというか。友達にポイントを貰って構築済みデッキを購入してたからな。君が使ってたのって初期デッキだろ?」


 ウンディーネは初期デッキを選ぶときにエースモンスターとして紹介されていたからな。


「そうです。水の初期デッキなんですよ。一応モンスターを倒してそのカードで強化しているんですけどね」


 強化してたのか。気づかなかった。


「まぁ、さっきのバトルはデッキパワーが違い過ぎたんじゃないかな? あと、俺の運がよかった。あの卵から出てくるモンスターってランダム何だよね」


「へぇ~、あれランダムだったんですか。いきなりでっかいのが出て来てビックリしましたよ。あ、そうだ。よかったらフレンドになりませんか? 私未だフレンド誰も居なくて」


「俺で良かったらぜひ。俺のニックネームはゼレだ。よろしく」


「私は、スイです。よろしくお願いします」

 

 握手して、フレンドを登録する。

 フレンドにスイが登録された。

 アイコンは子犬でレベルは3だった。

 そういえばレベルとランクは別で、レベルはモンスターを倒さないと上がらないんだっけか。


「では私は、もう一回ランクマッチをやってきます! 今度にでもリベンジさせてくださいね!」


 そう言って、スイはメニューを開きランクマッチを選択する。

 すぐに粒子になってスイは消えていった。

 さて俺はどうするか、もう一回ランクマッチをやろうかな?

 それともフリー対戦でもしてみようか。

 フリー対戦と言うのはランクマッチと違って、同じぐらいの強さの人ではなくランダムに対戦相手が選ばれる。

 強い人と対戦できれば、それだけ貰えるDPが多くなる。それにフリー対戦では勝利すると、魔黒石という特別なアイテムが貰える。譲渡不可なこのアイテムはDPで買えない特別なカードやコスチュームと交換することが出来るのだ。

 そのため、強い人でもフリー対戦をする旨みがある。

 弱い相手だと簡単に勝てて、魔黒石が手に入るからな。

 俺はフリー対戦の項目をメニューから選び、マッチングを待つ。

 十秒ほどで、マッチングして景色が変わる。

 今回のフィールドは荒野だった。

 サボテンや枯れ木が生えており、岩が転がっている。

 目の前には真っ白で何も書かれていない仮面をつけている人物がいた。

 

「よろしく」


「なんだ、レベル1ランク2の正真正銘の雑魚か」


 帰って来たのはあいさつではなかった。ちょっとムカッとする。


「俺は三周年世界大会の予選をシード枠で出れる強者なんだ。フリーで遊んでいたが、お前みたいなんじゃ遊びにもならない。時間の無駄だからさっさと降参してくれ」


 めっちゃ失礼だなこいつ! 俺は少し見返したくなった。俺は雑魚だろうが、一撃位はダメージを入れてみたい。


「ムカつくから降参はしねぇぜ。せいぜい、時間をかけて粘ってやる」


「そうか、だったら雑魚は雑魚らしく足掻くんだな」


 そこまで言い合うと、俺と白仮面は踵を返して離れる。

 10メートルほど離れたところで、戦いが始まった。

 相手は何もしてこない。俺の様子を見ているというか、舐め切っている様だ。

 

「その余裕が仇にならなきゃいいがな! 来い! 邪竜の卵!」


「はっ、そこそこのデッキを持っている様だが、運に頼るようなデッキでは俺には勝てん」


「どうかな、俺はゲームの中での運は抜群にいいんだ」


 卵が割れる。中から出てきたのは……。


『M 邪竜LV10

 出てきた瞬間、全てにダメージを与える暴竜。メガ強い』


「なに!? 卵の中で一番強い奴だと!? 確率は100分の1だったはず!」


 そうだったんだ。二回連続で出たけど、やっぱり俺はゲームの中での運は抜群にいい。

 邪竜LV10が吠える。黒い波動が広がり、当たりの物を破壊していく。

 俺と白仮面も吹き飛ばされダメージを受ける。


「ちっ、出てこい白翼の翼! そして天雷の槍!」


 二枚のカードを使い、二つのアイテムが出現する。

 一つは白い天使の様な羽だ。もう一つは真っ白い槍に雷が纏わされているものだった。

 その二つを装備した白仮面に邪竜LV10の拳が迫る。

 

「遅い」


 白仮面は羽を展開すると宙を舞う。

 そして邪竜LV10の攻撃をかわすと邪竜LV10の横をすり抜けて、こっちに向かってきた。

 

「俺は不確定要素が嫌いなんだ。だからモンスターには頼らない。プレイヤーエースデッキが俺のデッキだ」


 槍を構え、俺を刺そうとする白仮面。

 カードを使う暇さえなく、俺の体に槍が突き刺さった。

 振動が身体を伝わりダメージを受けたことが分かる。

 俺から槍を抜き、もう一度刺そうと構えた。

 

「俺は邪竜障壁を使う!」


 邪竜障壁はランダムな障壁を出現させるスペルカードだ。

 出てきた障壁は黒い鏡の様な障壁だった。

 ドーム状に広がったそれを見て、白仮面は攻撃を止める。


「くそっ、全反射する障壁か! ただのガラスの障壁が出ればよかったものの!」


 どうやら相手に打つ手はないらしい。

 今のうちに俺のカードを発動しよう。


「邪竜の舌を発動!」


 このカードは相手のデッキからカードを一枚ドローするカードだ。

 俺が引いたのは……おお、いいカードじゃないか。俺でも一目でいいカードだと分かるカードだ。

 障壁の外では邪竜LV10が羽を羽ばたかせ、白仮面を追いかけている。

 それでも白仮面は余裕で邪竜LV10をあしらっている。

 

『I 白翼の翼

 脆さと引き換えにとてつもないスピードを手に入れた羽。全力を出すと音速で飛べる』


 なるほど、あの羽の効果が凄まじいのか。

 お、ターンが来てドローが出来る。

 俺はデッキに手を当ててドローする。

 それと同時に相手も、手札を持っていた左手でドローした。

 右手は槍を持って塞がれているからだ。

 そして俺を守っていた邪竜障壁が消える。

 そこを狙い、白仮面が俺の首へと槍を突き立てようとする。

 俺は自分の足元にカードを放り投げた。

 投げたカードはモンスターカードだ。


『M 邪竜ミラージュ

 場のモンスターかプレイヤーに変身する。命令を聞くからと言って、変なこと考えちゃだめだぞ!』


 邪竜ミラージュは小さい手乗りサイズのドラゴンだった。

 しかし、すぐさま大きさが変わる。


「なっ! よりにもよってそれに変身するだと!」


 変身したモンスターは邪竜LV10だ。

 邪竜ミラージュが巨大化して、俺は邪竜ミラージュの頭に乗る。

 白仮面が振るってきた天雷の槍は俺の元いた場所、邪竜ミラージュに突き刺さった。

 邪竜ミラージュが邪竜LV10になったところで吠える。

 俺は邪竜ミラージュの頭にしがみつき、ダメージを受ける。

 逆に白仮面は白翼の翼で宙に浮いていたため、もろに波動を喰らった。

 白翼の翼が砕け散り、地面に落ちた所を邪竜LV10が突撃していく。

 地面を抉りながら、邪竜LV10は地面に不時着した。

 

「ぐふっ!」

 

 急に背中から振動が発する。

 俺は攻撃を受けたようだ。

 吹き飛ばされて、邪竜ミラージュから転げ落ちていると、後ろに白化面の姿があった。

 いつの間に後ろに行ったんだ。

 よく見ると、手札が三枚になっている。

 使ったカード二枚とドロー下カードがあるはずだから、本当なら四枚のはずだ。

 あいつ、何かカードを使って俺の後ろに転移しやがったな。


「俺を潰せたかと思ったか! 甘いぞ!」


 そう言う白仮面は邪竜ミラージュの上へと着陸した。

 反対に俺は転げ置ちてる最中で、このまま地面に落ちれば大ダメージだ。


「邪竜LV10! 俺が捕まるから空を飛べ!」


 俺の傍に飛んでいた邪竜LV10が近寄って来る。

 俺は何とか、その足を掴み、地面に落ちるのを防ぐ。


「まだ勝負は決まらないぜ!」


「ふん! お前を雑魚と侮るのは止めといたほうがよさそうだ! お前を敵と認めたうえで勝たせ貰う!」


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