レボリューションカードダス 2話 初ランクマッチ
邪竜デッキを買った俺は、最初の町に来ていた。
ここに来た目的は三周年記念のカードパックを貰いに来たのだ。
メモには書いてなかったからな、教えて貰えてよかったぜ。
辺りの人に、カードパックを貰える場所を聞いて、その場所に向かう。
そこはコロッセオの様な場所だった。
中では予選が行われているらしい。だが、俺が用があるのは外側だ。
外にはフェアリーが飛んでおり、話しかけると三周年記念カードパックが貰える。
俺はフェアリーに話しかけて、カードパックを貰うと、近くのベンチに座って開封することにした。
パックは五枚入りだ。
では一枚目!
『M 三周年ドラゴン
三周年にちなんで、三回だけ強力なブレスを吐くぞ!』
Mというのはモンスターと言う意味だ。
そして下の欄は大ざっぱなカード効果である。
絵柄は鱗が3のドラゴンだった。ぶっちゃけダサい。
二枚目に行こう。
『S 三周年花火
祝三周年! という花火を発射するぞ!』
Sというのはスペル。呪文と言う意味だ。
絵柄はまんま祝三周年と書いてある花火だ。
『I 三周年ロゴ
祝三周年! というロゴが書かれた看板を召喚するよ!」
Iはアイテムである。
絵柄は三周年花火と似たようなものだ。
次。
『S 三周年スリーパワー
三周年カードの効果を三倍にするぞ! 強い!』
単純に強そうなカードが出てきたな。三倍って、やばくないか?
十周年とかになったら効果を十倍にするカードとかが出てくるのか?
『R 三周年レボリューション
三周年カードを進化させるぞ!』
Rはレボリューション。意味は進化だ。
レボリューションカードダスでは、このR、M、S、Iの四種類のカードを使い戦っていく。
特にRのレボリューションカードが肝らしく、これの使い方によって戦局が大きく揺らぐらしい。
とりあえず、三周年カードはゲットした。
まぁ、あんまり格好良くないから使わないだろうけど。
「さて、どうするかね」
デッキも買った、カードパックも貰った。
なら後は実践あるのみだろう!
俺はデュエル広場に転移する。
そこはただの広場だったが、とても賑わっていた。
ここではカードを使った様々な対人戦が出来る。
その待機場所がここという事だ。
周りを見ると頻繁に転移が繰り返されている。
俺はランクマッチを選んでやることに決めた。
ランクマッチとは、その名の通りランクが決まっている対人戦だ。
最初はランク1から始まり、勝っていくごとにランクが上がる。ランク20までは、負けてもランクは下がらないがランク21からは負ければランクが下がる。
21からは手軽には出来ないが、それまでなら手軽にできる。
なにより、ランクマッチでは勝利した時の報酬が大きく、さらにランクが上がるごとに報酬もあるらしい。
ランク20まではランクマッチをするのが一番いい稼ぎになるのだとか。
と言う訳で、俺はランクマッチを開始する。
10秒もすれば、対戦相手が見つかり俺は違う場所にいた。
場所は草原だ。
所々に岩や木が生えている。
戦いの場所は毎回変わるらしい。
もっともランク10まではずっとこの草原とメモには書いてあった。
俺の前には茶髪でウェーブをかけた女の子がいた。デュエル広場の時に横に立っていたような気がする。
服は初期の村人Aと言った格好だ。
「よ、よろしくお願いします!」
「よろしく」
挨拶が終わったところで、俺たちは離れる。
10メートルぐらい離れたところで、勝負の合図が下され、勝負が始まった。
さて、ここでレボリューションカードダスのバトルにおける基本的なルールを紹介しよう。
まずデッキの数は40枚ぴったり。
それ以外は認められていない。
まず勝負開始時に手札が、五枚配られる。
そしてそれを駆使して戦うのだ。一定時間ごとにカードをドロー出来るので、忘れないようにしないといけない。この一定時間は一ターンと言われており、モンスターの召喚は基本的に一ターンに一度しかできない。
そして基本的にはライフポイントがなくなった方の負けである。他にも特殊勝利とかがあるのだが、そこは俺のあずかり知らぬ所だ。
では俺の手札を見てみよう。
『M 邪竜の卵
ランダムな邪竜モンスターが出てくる卵』
『S 邪竜の舌
相手のデッキからカードを一枚ドローするぞ!』
『S 邪竜障壁
ランダムな効果を持つ障壁を展開するぞ!』
『M 邪竜の卵
ランダムな邪竜モンスターが出てくる卵』
『S 邪竜ブレス
邪竜モンスターに強力なブレスを吐かせるぞ!』
ふーむふむ。まずはモンスターカードを使い、モンスターを召喚するのが基本。だったかな?
「出て来て! 水の精霊アクア!」
そう思っている内に相手の女の子がモンスターを召喚する。
出てきたのは丸い水に水の羽が生えたモンスターだ。
『M 水の精霊アクア
口から水弾を飛ばして攻撃するぞ!』
そして、アクアは口から水の弾を吐きだして、攻撃してくる。
俺はそれを半身を逸らして回避する。
では俺もモンスターを召喚しよう。
「来い! 邪竜の卵」
俺の前に浮いていたカードを手に取り、前方に投げる。
するとカードが粒子となり、粒子は卵の形に変わり、黒い卵になった。
俺はゲームの中の運は抜群にいいんだが、どんな奴が出てくるかな。
ぱきぱきと言う音と共に邪竜の卵が割れる。
中から出てきたのは、卵の大きさからは想像できないほどでかい竜だった。
『M 邪竜LV10
出てきた瞬間、全てにダメージを与える暴竜。メガ強い』
「な、なんですかこれー!」
女の子が驚きの声をあげる。
次の瞬間、邪竜が吠える。
黒い波動が広がり、草木が飛び散り、水の精霊アクアが破裂する。
それどころか、女の子と俺も吹っ飛ばされ、ダメージを喰らう。
全てって俺も含まれてるのかよ。
「うぐっ!」
吹っ飛ばされ転がったあと、岩にぶつかって女の子が止まる。
そこに邪竜LV10が追い打ちをかける。
二足歩行で立ち、腕を女の子に向かって振り下ろす。
「水の障壁!」
女の子がカードを使う。
丸い水のドームが召喚された。
女の子はこれで邪竜LV10の攻撃を防ぐつもりなのだろう。
そこに邪竜LV10の攻撃が降り注ぐ。
そして水のドームを一瞬で弾けさせた。
あっさりと水の障壁は破られて、女の子が潰される。
「ふぎゅ!」
さらに、女の子に腕の連打を浴びせる邪竜LV10。
最初のライフポイントは1000なのだが、もう700まで減っている。
「み、水たまりの落とし穴!」
女の子がカードを使うと、邪竜の下に水たまりが出来た。だが、小さい。
邪竜の片足を沈めただけで、とどまってしまった。
当然、猛攻は止まらない。
「ど、ドロー!」
お、もうドローの時間か。
俺は傍に浮いていたデッキの束に手を当ててカードを引く。
「水の精霊ウンディーネを召喚!」
『M 水の精霊ウンディーネ
今までに使った水カードの分だけ強くなる! そしてスタイルも良くなる!』
出てきたのは水で出来た女の子だ。
三枚の水カードを使っているから、それなりに強くなっているのかな?
でもスタイルはあんまりよくない。
ぺた、きゅっ、ぺた。って感じだ。
つまり幼児体系って事だな。
ロリコンなら喜ぶかもしれんが、俺はロリコンじゃない。残念。
「レボリューション!」
そこで女の子が叫ぶ。
マジか。もうレボリューションカードを使うのか。
レボリューションカードはデッキに一枚しか入れられない。
まさに必殺技なのだ。
それに進化はい様々な物を強化するが、一ターンの間だけしか持たない。
まさに、切り札なのである。
「進化して、水の精霊ウンディーネ!」
その言葉と共に、水の精霊ウンディーネがまばゆい光を放つ。
思わずを目を閉じてしまった。
目を開けると、そこは草原ではなく、湖だった。
くるぶしまで水が張ってある、浅い湖だ。
その代わり、どこまでも広がっており草原は跡形もない。
『RM 水の大精霊ウンディーネ
出現時にフィールドを浅せの湖に変えるぞ! 水の力で強くなる!』
水で出来た女の子の子は立派な女性に進化していた。
ぼん、きゅっ、ぼんだ。いえーい!
「ウンディーネ! あの黒い竜を倒して!」
水の大精霊ウンディーネと邪竜LV10がにらみ合う。
そして戦い始めた。
ウンディーネの腕が巨大になり、邪竜を襲う。
顔面を叩き付けて、地面に邪竜の頭が突き落とされる。
だが、邪竜も黙っていない。
尻尾でウンディーネを薙ぎ払い攻撃する。
ウンディーネはとびちって原型がなくなるがすぐに再生する。
勝負は互角だった。
ならば俺が手助けしよう。
「よし、邪竜LV10! 相手とウンディーネに顔を向けろ! ブレスを使う!」
邪竜がLV10が陣取る。
「邪竜ブレス! 発動!」
俺がカードを使うと、邪竜LV10が大きく口を開く。
赤黒い光が収束していき、一気に口から赤黒いビームを吐いた。
野太いビームはウィンディーネを貫き、女の子の全身を包む。
「ぎゃああああああああ!!」
そして女の子のライフポイントが0になった。
あれ、俺の勝ち?




