レボリューションカードダス 1話 邪竜デッキ購入
あらすじ
友人に誘われてカードゲームとアクションが合わさったVRゲーム『レボリューションカードダス』を始める主人公。ゲーム内での運は抜群にいい主人公は、ギャンブルデッキを使って、対戦で勝ち進んでいくのだった。
カードとアクションを組み合わせたVRゲームの小説を読んで、パクりました。でもこれ、自分の場合、カードの必要なくない? と思ってしまったので、やる気をなくしたのを覚えています。
全7話
フルダイブ型のVR機器が誕生し、早10年。
今までにないジャンルのゲームが数々生まれてきた。
その一つがアクションカードゲームと言うジャンルだ。
リアルタイムのアクションとカードゲームを組み合わせた斬新なジャンルで、一定の人気を得ていた。
『レボリューションカードダス』もそのジャンルの一つで、今年でサービス三年目のゲームだ。
サービス三年目というのは、このゲームがオンラインゲームだからである。
AIを搭載したモンスターなどとも、レボリューションカードダスでは戦えたが、一番人気はオンラインならではの対人戦。
今では世界大会が行われるほど、レボリューションカードダスは人気を得ていた。
そして今日も又、新規参入者がレボリューションカードダスの世界に入り込む。
***
「ようこそ、レボリューションカードダスの世界へ!」
目の前のフェアリーが両手を広げて、俺を歓迎する。
ここはフェアリーが言っていたようにレボリューションカードダスの世界だ。
今日はレボリューションカードダスのオンラインサービスが始まって三年目。俺は友人に誘われて、このゲームをやることにしたのだ。
「では今から設定をしますね!」
そういって俺の前に設定画面のウィンドウが現れる。
俺はてきぱきと設定画面のウィンドウに設定を打ち込んでいく。
ニックネームはゼレ、初期デッキは炎デッキで、ダメージ時には振動、チュートリアルは無しと。
アバターは現実世界から、色と装飾品ぐらいしか変えれなかったから、いっそのこと何も変えなかった。
他にもこまごましたものがあったが、だいたいこんなもんだ。
「設定が終わりました! ではでは、レボリューションカードダスの世界をお楽しみください!」
そこまでフェアリーが言うと、俺の体を粒子が包む。次の瞬間俺は、ファンタジーの世界に立っていた。
機械類をなくした綺麗な街並みは中々のもんだ。
人も結構歩いていて、初期の町とは思えない。
と思っていたら、会話が聞こえて来て、この町で三周年記念イベントをやっているそうだ。
なるほど、それで人が結構いるんだな。
「えっと、メニューを開いて、フレンドを検索と」
町を眺めるのも飽きたところで、俺をこのゲームへと誘った張本人へと連絡を取る。
奴は大学の講義がよく一緒になって知り合った男だ。ニックネームは本名からとって、アキラ。このゲームがサービス開始からやっているベテランだ。
「あー、やべぇ。アキラが二十五人もいるよ」
ニックネームが被っているので、どれが俺を誘った男か分からない。
名前の横にプレイヤーレベルとアイコンが出ているが、俺はアキラのレベルもアイコンも知らない。
なので、適当に一番プレイヤーレベルが高いアキラにフレンド申請を送った。
すぐに申請は受理され、目の前に「アキラが転移しようとしています。許可しますか?」と出てきた。
俺はYESを選択し、目の前にアキラが転移してくる。
よかった。俺の知っているアキラだった。
アキラは髪を赤色に染めており、服も赤色で王様風というか貴族風だった。
派手だな。
「おっす! 随分早かったな」
「まぁな、チュートリアル飛ばしたし」
「なるほど、じゃあ俺が色々教えてやるよ! って言いたいが、俺は丁度三周年記念世界大会に出てんだよね。この世界の常識とか、お得情報とかまとめといたから、それを参考にゲーム楽しんでくれ!」
そういって、俺にデータを送ってくる。
「予選を突破出来たら、教えるから見に来てくれよな! じゃあな!」
アキラが粒子に包まれたと思うと、すぐにその場から消えた。
あいつ大会に出てたのか。まぁ、あいつは古参だから、予選突破もできる……のかなぁ?
俺はアキラに貰ったメモを見る。
長い……。俺は読むのに30分もかかったが何とか読み終えた。
メモによると、まずは露店を回ればいいらしい。
露店はプレイヤーが出している店で、世代が前のカードとかが安く売られていることが結構ある。カードは店に売るとレアリティで値段が決まる。一番最低ランクのコモンは1DPらしく、それならプレイヤーにうって金を稼ごうという奴がいるのだとか。
そうときまれば俺は露店街へと転移する。
このゲームは最初から主要施設に転移することが出来る。親切設計でいいね。
露店街は裏路地のバザーと言う感じである。
普通のバザーと違うところは、コスチュームとカードしか売っていないところだ。どっちも宙に浮いており、此処がゲームの中だと実感させる。
ほとんどの店はNPCが売り子をしているようで、フェアリーが店番をしていた。
「うーん、どれを買えばいいか分からん」
俺の初期DPは最初から貰える1000DPとアキラからもらったメモに付属していた1万DPだ。
安い物はそれこそ50DPとかで売っているが、高いものは500万DPとか平気でしている。
「お得なカードがいっぱいあるよー! ちょっと見ていかない? 損はさせないよー!」
珍しいプレイヤーの店番が歩くプレイヤーを誘っている。
女のプレイヤーで青い髪に青のワンピースを着てた。
俺は少し興味が出たので、その露店に寄っていく。
「おお! やっと客が来てくれたー! 全然お客さんが来てくれなくてさー、暇だったんだよね! それであなたは何をお求めで?」
「うーん、そうだなぁ。俺、さっき始めたばっかりでカードの事は何も分からないんだよね」
「そうなの? じゃあ1000DPしか持ってないって事かな? あんまりいいの買えないよ?」
「いや、俺をこのゲームを誘ってくれたフレンドが1万DPをくれたんだ。だから1万1000DPあるな」
「それだけあれば、初期デッキよりもいいデッキが買えるよ! これとか、これとか!」
そう言って彼女は俺の前にカードの束を持ってくる。
それは宙に浮いて、俺の見やすい位置に来ていた。
合計で五つのデッキが俺の前に浮いている。
「一つ目は爆炎デッキ! 炎の初期デッキの強化ストラクチャーデッキをさらに強化したものだね。一年目ごろに流行った奴だから、そんなに強くないけど初心者に使いやすいと思うからおすすめ!」
「おー、いいねぇ。他に気に入ったのが無かったらこれを買おうかな?」
デッキは扇形にカードが展開され、見やすくなっている。俺は一番前の炎の竜がかっこいいと思った。爆炎竜バルボロスらしい。名前も中々かっこいい。
「うんうん、まだ決めるのは早計だよ! 次に紹介するのは森の悪鬼ゴブリンデッキ! アグロデッキって言ったら分かるかな? 序盤から激しい攻撃をするデッキだね。その分息切れも早いけど、雑魚狩りには最適だよ!」
うーん、ゴブリンかぁ、あんまり格好良くないな。これは買わないかな。
「次は魔導書デッキ! 呪文を多用するバーンデッキだよ。バーンていうのは本来効果ダメージのことだね。このゲームでは直接ダメージを与えるカードは少ないから、ちょっと意味合いが違っていて、呪文を主体に戦うデッキをバーンデッキって言うのさ。モンスターに頼りたくないあなたにおすすめ!」
モンスターに頼らないかぁ。初心者の俺には難しそうだな。
「次は氷海デッキだね! 氷海っていうフィールドを展開して戦うデッキだよ! これはちょっと扱いが難しくてね。他のデッキとも違うし、中級向けかなぁ」
うーむ。そこまで興味が惹かれないし、これじゃないな。
「じゃあ、最後のデッキだよ。まぁ、これは売れたもんじゃないんだけどねー」
「どういうことだ?」
売れたもんじゃないっていっているが、デッキにはなっているぞ?
「最後のはギャンブルデッキなんだ。通称邪竜デッキ。これ、扱いが難しすぎるんだよね。大体がランダムかトリッキーなカードだから、それに合わせて動かないといけないし、運要素が強すぎて誰も使わないの。レア度が高いカードばっかりだし、嵌れば強いんだけどねー」
俺は一番前のエースであろうカードを見る。邪竜ゼレキアス。俺のニックネームと似てるな。それに黒いドラゴンでかっこいい。
「俺これにするよ。いくら?」
「ええ!? 説明聞いてた!?」
「うん、邪竜の絵柄が気に入ったっていうのもあるんだけど、俺はロマンデッキ好きだからね。買うよ」
それに俺はゲームの中の運は抜群にいいんだ。
「それでは1万DPになります」
俺は1万DPを払い、邪竜デッキを購入する。
「毎度ありー! あ、そうだ。今は三周年記念で、無料でカードパックが貰えるから初期の町に行ってみるといいよ!」
「ああ、情報ありがとな」
俺は買ったデッキに満足すると、次の目的地へと向かうのだった。




