宇宙からの贈りモノ
やぁやぁ、そこのお兄さん。ちょっと見ていっておくれよ。これは世にも珍しい、隕石から産まれた銃だよ。
なに? 隕石から産まれたとは変な話だって? それが本当の話なんだよ。
おとついの流星群、お兄さんも見ただろう? 見てない? あっ、そう。
とにかく、あの晩、俺ぁウチの屋根に登ってその流星群を見ていたんだよ。
綺麗な流星だったナァ。ピューって光が流れてよ。それがいくつもだぜ?
するとよ。ひとつの光がこっちに向かって来るじゃあねぇか。
次の瞬間、ものすげぇ音と光がしてよ。危うく屋根から落っこちそうになっちまったんだ。
俺ぁ慌てて庭に降りるとよ、そこにはこれっくらいの隕石がな、落ちてたんだよ。
ちょいとお兄さん。人の話は黙って聞くもんだよ。ぶつぶつ言ってたらこっちの気が散っちまう。
とにかく、その隕石はな。桃太郎の桃みてぇにぱっくり割れててよ。その中にこの銃があったんだよ。
ああもう、うるせぇな。ちょっとは静かにしやがれ。なぁ、お兄さん。
ホラ話じゃないかって? 嘘じゃねぇよ! 俺は確かにこの目で見たんでい!
あぁ、分かった。分かったよ。おめぇさんの言う通りにするよ。分かったからぶつぶつ耳元で言わんでくれ。
ちょいと、お兄さんよ。人が話してる途中で寝るとは剛毅だねぇ。そんなに血も流してよ。
なんだい。お巡りさん、怖い顔して。俺ぁこれから忙しいんだ。ちょいと後にしてくんな。
なんでも「この星の下等生物を滅ぼせ」だってよ。笑っちまうよな? こんな銃一つで。