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第1話 くねくね

都市伝説をもとにした作品です。

 見たら死ぬと言う都市伝説は昔からある話だ。


 それに類似する話も多々ある。しかし、噂があるという事は、そこに何かいることでもある。


 そして、それを確認して場合によっては捕縛するのが私の仕事である。


 標的はくねくねと呼ばれる存在である。とりあえず、見ると精神異常をきたすとかであって、実際は何か分かっていない。しかし、つい先日にそれに類似する被害がこの場所で起きたので調査をしていた。


「…」


 そう、くねくねの調査をしていたのだが…、ちょうど、車に眼の部分が牛眼の人の形をした何かがが車のフロントがランスにしがみ付いて乗っていたのを偶然に見つけた。


 ちょうど、信号で止まっていたので、私は身分証を見せて車を止めさせる。


 しかし、車は運転手の意志と関係なしに暴走する。


 仕方がないので、私は両手で車を止めた。車の暴走が緩んだところで人の形をした何かを掴む。

すると、顔がでかくなって私を食べようとした。投げ捨てようとしても両手をしっかりと掴んで離れない。

私は落ち着いてボディをおもい切って殴った。


 言葉にならない悲鳴がした気がするが、掴んでいた力が弱まったので地面に叩きつけた。


 べちゃりという音がして周囲に血が飛び散った。


 しかし、周囲の人間は誰も気が付かない。


 目の前の人の形をした何かが逃げようとしたので両者無く踏み、携帯電話を使ってある場所に連絡する。


「もしもし」


 私は死んだ目で電話をかけた。


 すると、明るい声の女の子の声が聞こえる。


「あ、もしもし、八咫烏さんですか。お疲れ様です」


 八咫烏、これがみんなから言われている呼び名だ。本名は別にあるのだが私の眼が赤くて付けられた名前だった。


夕島ゆうじまさん、職務質問をしようとしたら、襲ってきたので現行犯逮捕で1名確保。応援をお願いします」


「はいはーい、今…近くにいる人にすでに応援をお願いしましたよ。もう、着いたそうです」


「わかった。ありがとう」


 私がお礼を言うと

「お前さんが、八咫烏か」

という声がした。


 声がする方を向くとすごくカッコいい顔をした人面犬がいた。


「…はい、そうです。公安11課八咫烏です」


「お前さんもお疲れだね」


 人面犬はそう言うと、器用に口に術式用の短刀を加えて動かなくなった人の形をした何かに突き刺した。


「回収完了。大方、人間を殺して遊ぶ奴だな。これでお金貰えるってのも泣けるな。平和が一番だってのに」


 顔は良いのに、出てくる言葉は中年オヤジのぼやきにしか聞こえない。


「まぁ、八咫烏さん。あんたはお手柄だし、あれは任せておけ」


「…」


 私は首を横に曲げた。


「ほら、あれだよ」


 人面犬は顔をくいと動かした。


 なんとなく、あっちを向けと言うことなのだろうか。首を動かした方を見ると怯えた目で見ていた車の運転手だった。


「公安地獄警察です」


 私は自分の身分証を見せた。


「こりゃ、漏らしてるな。男なのにだらしねぇ」


「……私も死んだときは漏らしましたよ。盛大に」


 私は死んだ目で言うのであった。


――――――――――


 事後処理を人面犬に任して私はくねくねの捜査を再開する。


 くねくねを見つけて、事情聴取をすれば全て終わりである。


 こちらは一度死んで精神崩壊もしているので問題ない。


 被害者も地獄からの優秀な医者が派遣され社会復帰の治療を行っているのですぐに良くなるから問題は無いだろう。


 しかし、奴を見逃すことはできない。そもそも、何故くねくねかというと、目撃者の情報がくねくねしていたからである。


 だが、地獄の世界にくねくねの情報はない。そもそも、くねくねが何か良くわからない。ある意味、奴の本質は訳の分からないものなのかもしれない。


 あと考えられるのは地獄ではなく、太古の時代からいた何かなのだろうか。


「…」


 はやく、お家に帰りたい。


 時刻は夕方だ。


 事件を解決するまではお家に帰れない。


 私は携帯電話で聲月こえつきに連絡する。


「もしもし、八咫烏だ」


「八咫烏、何処にいるの。お仕事は?」


「終わらない。今日は帰る事ができない。食事は作らなくていい。外で食べに行くか」


「行く」


「眠くなるまで仕事だが、構わないか」


「うん、それでもいい。長く一緒にいたい」


「そうか。なら、夕島さんにこの街の良いお店の予約を取ってもらった。そこへ行こう」


「うん、すぐにお出かけの準備する」


「街に付いたら連絡を頼む。それまでは、標的を探す」


「うん、気を付けて…」


「わかってる」


 私はそう言うと電話を切った。


 さてと、探すか。


 私は再び歩き出す。


 早く見つかればいいなと思いながら歩いていると、女の人が急に倒れだす。


 周囲に人がいない。


 とりあえず、周囲に眼を配りながら、夕島に電話を繋ぐ。


「夕島、人が倒れている。救援を頼む」


 私はそう言うと、携帯電話を繋いだまま、女の人にかけよる。


「大丈夫ですか」


 私が話しかけると女の人は返事をしないが、

「うぁ・・・あぁぁ・・・・・」

と何か上の空のように呻いている。


 眼が左右に動いて、手や足が震えている。


 何が起きたか分からない。とりあえず、上着を使って寝かせ周囲を確認する。


 すると、ふと空地の方に白い靄のようなものが見えた。


 なんだろうと良く見るとくねくねしている。


 さらに良く見ると人の形をしている。


 さらに良く見ると、私の精神が壊れる。


 その瞬間、見てはいけない存在を私が見たことに気が付いた。


 しかし、この体はすでに死んでいる身、それは心も含まれる。


 故に終わる事なく、精神が破壊され、生き返り、破壊され、生き返りを繰り返す。


 気が狂いたくても、正常に戻される精神。私は対象に向かって言う。


「地獄警察だ。職務質問をしたいです。お時間はありますか」


 自分の身分証明見せながらくねくねした物体に言う。


 すると、相手は答えない。


 ただ、私にひたすら見せてはいけない顔を見せつける。


「身分証を見せていただけますか」


 私の問いに相手は顔を近づけた。


 眼と眼を合わせる。


「そうか」


 私は何を理解したかわからない。


 ただ、両手で奴の顔を抑え地面に叩付けた。


「ぁぁぁぁぁぁあああああああああ」


 終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ、終われ…………………………お……わ…れ。


「…」


 私は気が付くと、電柱に寄りかかって地面に座っていた。


「大丈夫か。嬢ちゃん」


 今日、あった人面犬がいた。


「おい、話せるか」


「話せます。私はどうなったのですか。たしか、くねくねした物を見て…」


「ああ、あれか…あのわけがわからん奴な。俺が駆けつけた時、お前は発狂していて何度も地面に叩きつけていた。近所の住民が不審に思って警察を呼んで、警察が倒れ、野次馬が倒れと被害はあったが、夕島が根回ししてお前さんはお咎めなし、無事にくねくねを捕獲できたよ」


「…じゃあ、仕事は終わりですか」


「ああ、そうだ。しっかし、やつは何だ」


「わかりません。ただ、一つだけわかることは、わけの分からないもの。それが本質で、それを知る事で精神を怖し、肉体を壊す何かです。奴の根源に近づけば近づくほど危険だ。死んだ私ですらも発狂したのですから…」


「だとしたら、地獄封印指定の可能性ありか。まぁ、噂が奴の生命線ならネットで出回ってるから、そう簡単に消えるとは思えないけどな…」


「いずれにしろ、これでこの街の被害が消える事を願いします」


「そうだな」


 人面犬は皮肉のような言い方で言う。


 私は立ち上がって携帯電話を取り出す。


 携帯の画面に着信ありと着ていた。


 もう、聲月は来ていたようだ。


「これから、デートか」


「ええ、そんな所です。その前に夕島さんに報告なんですけどね」


 私は夕島に連絡する。


「もしもし、みんなのアイドル夕島ちゃんだよー」


「八咫烏です」


「あいかわず、真面目だね」


「…」


「ま、真面目ですねー、八咫烏ちゃんは」


「…」


「きゃは、みんなのアイドル夕島だよー」


「…」


「…八咫烏さん、いつも応援ありがとー」


「…」


「…」


「…」


「何か言って」


「くねくねの報告をしたいです」


「…う、うん。くねくねさん捕縛したよ。やっぱり、何も分からないー。ただね、地獄で封印というか、住みやすい場所に転送予定だよー」


「それでも、被害は減らないと思うー。だって、ネットで広がっているでしょう。人間の妄想が怪異を生むからね」


「…そうですか」


「それよりも、聲月ちゃんとデート行っておいでー。1週間ぐらい休暇でいいから。ホテルの予約もしてあるから。詳細はメールでねー」


「ありがとうございます」


「じゃあ、みんなのアイドルは忙しいのでこれで失礼しますねー」


「はい、お疲れ様です」


 私は夕島の電話を切る。


「お前も大変だな」


「私はあまり思いません。上司は仕事を終えると休暇を沢山くれます。給料も良い」


「まぁ…お前さんがいいならいいか。それじゃあ、仕事が入ったから失礼するよ」


 人面犬はそう言うとものすごい速さで立ち去った。


 一方、私は聲月に連絡するのだった。



 見てはいけない存在に対して、結局はわからない。つまり、それが根源なのかもしれません。

 

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