おーぷにんぐ
おーぷにんぐ
私は……どうやら、死んだらしい。
そして、目の前にはとてもかわいい人がいる。
「やあ、みんなのアイドル夕島ちゃんだよ」
自称アイドルと言っており、
「そして、閻魔女王だー」
閻魔様らしい。
「……」
裁かれて、私は……地獄に行くのだろうか。なるべく、人を怨んで生きようとはしなかった。だが、どこかで心の奥で人を憎んでいたのかもしれない。
ただ、残念だったのは……死んでも私を足てくれた人の近くにいれないことだ。ただ、それだけだ。もし、心残りがあるのならば……私を愛した人の近くにいたい。
「私は……どこへ行くのでしょうか」
「そうだね。強い感情を君は持っている。それは、多くの影響をもたらすものだ」
「私はそれだけの思いを持っているのでしょうか」
夕島はにやりとして、小悪魔的な笑顔を私に見せた。
「そうだね。君は持っている。そして、戻りたくはないのか」
私は目を閉じて、すこしだけ考えた。戻る理由はある。
私は夕島にまっすぐな声でこう言う。
「……戻りたいです。戻って、殴りたいが人がいます」
「そう、ならよかった。君をこの世へと戻してあげよう。ただし、地獄に行ってもらう。その覚悟はあるかい?」
「……あります。私がやることは正しくない。悪には報いがある」
そう、自分の正義を貫くことは、相手から見れば悪なのだ。だから、どちらも地獄に落ちなければいけない。
極楽、つまり天国に行くには他者の恨みを捨て、あきらめるほかないのだ。
「……よろしい。これを渡そう」
夕霧は、私にバッジを渡した。
「これは?」
「地獄警察のパート職員の認識票。今日から、身はパート警察官として働いてもらうよ」
夕島は楽しそうに説明する。まるで、子どものようだ。もしかしたら、最近になって閻魔様になったのかもしれない。
事実なんて、どうでもよい。
どうやら、私はパート警官になったらしい。さらに、ご丁寧に写真も付いている。なんか、いろいろと豪勢だ。
「お仕事は、歩合制。成功したら、報酬を支払うから。ということで、よろしく」
「……あの」
私はそう言いかけて、あの世へと戻された。こうして、私はパート警官として、地獄警察の職員として働くことになった。