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終わり

彼は、まるで小学生に戻ってしまったかのようだった

記憶は、ほとんどなかった

私との思い出も、なかった

「お姉ちゃんはだれ?」

「私は、私は...あなたのお姉さんだよ!あなたと私は一緒に暮らしているの!」


彼の洋服を彼の部屋に取りに行った。彼の部屋の机にはノートがあって、椿へと書かれていた

そこには、力の内容と代償が書いてあった。


人を生き返らせる力、だけど、使えば使うほど、心が幼くなり、4回目で小学生ぐらいにまで一気に下がる

また4回使えば、もっと下がる。10回目で心がなくなるらしい。そうしたら使えない。

心がどんなに幼くなっても、10回目をやらない限りは、今の心が少し残るらしい

僕は、君に笑ってもらいたいから、力を使った。不安にさせたくないから

だから、多分これからも使うと思う

お願いがある。勝って、僕を治してほしい。

だから、止めないでほしい


ノートはそれだけ書いてあった




なんで、私たちだけ知り合いがいるのか気になっていた。他の人たちは、みんな他人のようだった。

なんで、記憶がなくなってしまう代償なのかわからなかった。

今ならわかる。彼の力は私がいること前提の力なんだ。だから…



彼は、子供のころから優しかったのだろう、一緒に暮らすのは辛くなかった

覚えてないのが辛かった


また、「ぽーん」と音が鳴る







その日は16人だった。

いくつかに分かれて行動してたけど、その一つが全員殺されて死体を運べなかったらしい。

私は、安堵してしまった


周りは石で出来た部屋、洞窟のようなものだけど、走りやすいらしい

死体はたくさん来た。


二人目の死体は、あの銃を突きつけた、あの人だった

こいつがいなければ、こいつさえ

そう思うと同時に、この人がいなければみんなもう死んでいたかもしれない。そう思う自分がいる

夕君は真顔で、死体に触ろうとする

これをやったら、彼は、もう、話すことなどできないだろう

止めたい、だけど、ノートのことが頭に浮かぶ

勝たなきゃ、いけない。今のままじゃダメなんだ…

そして、夕君は死体に触った

夕君が倒れ、顔を覗くと眠っていた


今日はかなり早く「ぽーん」となった





夕君は赤ちゃんのようだった。いっしょに暮らす日々は、ただただ辛かった

わかっていた。夕君の部屋には赤ちゃん用の道具があった

彼も予想していたんだろう

耐えなきゃいけない。彼のためにも

だけど、だけど...なんで私は彼のこんな姿をみなきゃいけないんだろう

私は…


気が付いたら、1ケ月たっていた

「ぽーん」という音で気が付く


今日は、最初と同じ森だった


人は14人


治療に来る人は減った

だけど、それは、怪我をする人が減ったわけではないだろう

また、死体が来た。

私は何も思わず彼の思うままにさせる

また、死体が来る。

さっきと同じ人だという事にもなにも思わず、ただ、彼の好きなままにする


彼は、動かなくなった


それからは、けが人も、来なかった


虫もいない森に風の音だけが響く


彼を抱いて、樹に背を預ける


樹の間から、フルフェイスのヘルメットをかぶった人が出てくる


ここは広場だから、出たら危ないと思うが、もうそんな心配もいらないのだろう


そいつは、銃をこっちに向けてきた。すぐに撃たないということが、私の予想を肯定しているかのようだ


そのヘルメットの中の顔はよく見えない


神様は、楽しめたのだろうか。


願いの為に必死に戦う人達。


そして、彼氏が変わっていく様を見せられる女


どっちの為にこの場は用意されたのだろうか


まあ、どっちでも構わない


どちらにせよ、私たちは死ぬんだろう


なんで私たちは選ばれてしまったのだろうか。運が悪かったのかな


私はなんでここにいるのかな。考えても仕方ないか


私はただ幸せを願っただけなのにな


私を殺すのはこの人


いや、私を殺すのはあの神なんだろう


私は彼を抱きしめたまま、そんなことを思った

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