表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/35

序章 ー キミヘ

元気ですか?




たぶん元気で、相変わらずゴルフに釣りにとアクティブに


遊びまわってることでしょう。




仕事は順調ですか?


自営だから、仕事にも波があるでしょうが、持ち前の明るさと


人づきあいの良さでカバーしながら、うまくやりこなしていると思います。




でも八方美人のとこがあって、ついついいい顔して断れず、


後で後悔なんてことがあるでしょ。意外と気が小さいとこあるからなぁ。




お酒も毎日、飲んでるんでしょうね。少しは自重しないと、アル中になっちゃうよ〜




って言うか、本当はもうアル中だったりして(笑)それくらい飲んでるよね。


お酒が大好きだから、やめられないし、やめようとも思わないでしょう。




でも酔っ払ってそこらで寝ちゃったりすると、また怪我するから気をつけて。


それに酔ってサウナにいくのも、危ないから、ほどほどにね。


お父さんの二の舞になるのだけは、やめないと。




サークルのコンペはまだ続いてますか?




あの掲示板も最後にみたのは5月。なんだか前ほど活発じゃなかったから


そろそろ閉鎖かとも思う。




近況を知りたくなるときがあって、覗きたい欲求が起こることがあるけれど


それを抑えて、私は見ないようにしてます。




なぜかって?だってもう2度と会わないし、連絡をとらないと決めた以上


接点を断ち切ろうと思ってるからね。




そう、メアドも携帯の番号も消しちゃったよ。


もちろん自分が連絡を取ろうとしたら、できないことはないよ。


でもしない。それが私のプライドでもあり、自分に課したルール。




それでも時折、昔のことがよぎる。




不思議だね。思い出は楽しかったことだけ。苦しかった日々や、


投げつけられた悲しい言葉たちは、だんだん遠くになってきた。




浮かぶのはゴルフウエアを着て、バイザーをかぶり、私を見て、


やさしく微笑む姿だけだよ。




きっと今顔を合わせても、また別人のように感じるだろうね。


私の心の中にいるキミは、今のキミと違うから。




前に思ったことがある。


いっそのことキミが死んじゃってたらいいのにって。


死んだ人を恋しく想うことは許される気がする。


でも別れた人をずっと心に持っているなんて辛すぎるかなって。






あれから、何人かの男性と出会いはあったよ。


付き合ってといわれた人もいる。でもだめだったね。


好きになれる人はいなかったし、キミほどぐいぐい押してきた人もいない。




どうしてかな。比べちゃうんだ。


キミだったら、こうするかな?こう言うかな?って。


私がこんなことを言ったら、こう返してくるだろうなって。



自分が理想とする男性がキミになってるのかもしれない。


でもそれはきっと自分で勝手に具象化した偶像で、


真実のキミとはもうかけ離れたものになっているのだと思う。




ちょっとヤバイね。


どんな男性と出会っても、恋愛に陥ることがないような気がしてきた。


キミが最後の男性!? それは予想外(笑)ありえないだろうけど。






あの頃は毎日のように会って、それでも足らなかった。



今、もし会って話すことってあるかな?考えても見つからない。




心が近く寄り添ってるときは、時間を共有してたから、身近に思えたし、


これといった話がなくても、十分すぎるほど楽しかった。




でも今は何も話すことが見つからない。




きっとキミも同じでしょう。


最後のメールで「近々飲みに行こう」という社交辞令があったけど、


本当に飲みにいくことになったら、困ったでしょう。




何を話したらいいか、話題にも困るだろうし、そもそも会うことに何の意味もないんだから。




2年ってやっぱり長いね。


付き合っていた時間より、別れてからの方が長いんだから、しょうがないか。




「去るもの日々に疎し」 疎まれてたらちょっと悲しいヨ・・・・






今は彼女いるの?




どんな相手かは聞かないよ。




ただ私のこと、アレコレ言ってなきゃいいけどと思うだけ。




だってキミって正直に元カノのこととかペラペラしゃべってたじゃない。



私のことをおもしろおかしく話されてたらやだなぁって。




そんな人ではないとは思うけどね。




でも年上の女性と付き合ってたってことで、見直されてたりして(笑)






彼女のこと大事にしてね。私が言うことでもないけど。




キミは既婚者だから、恋愛してもフリンになっちゃう。




どんな恋愛の形であれ、二人が幸せな気持ちで付き合っていってほしい。


キミが今の人生を幸せにイキイキと楽しく送ってることを、心から望みます。




本当だよ。イヤミにとらないでよー



だってキミはもう私と付き合っていた頃のキミではないから。




私が好きだったキミでもない。




周りの人の幸せを思うように、ただそう思うだけ。



私のことは聞かないで。近況報告なんてしたくない。


私も生活してるし、それなりに楽しいこともあるし、ちゃんと生きてるよ。



これ以上言うこともないね。じゃあ、



サヨナラ







PS.サヨナラをあのときちゃんと言えなかったけど、やっと言えた。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ