第23話 新たな仲間──舎弟誕生と村の胎動
「お!1日離れてたらこんなに更地増えてんのか?基礎も少し進んでんじゃんか!さっすがプロ!棟梁仕事早ぇなぁ?」
廃村内の、朽ち果てた建物が幾つも並んでいた辺りを見た時のミサオの一言。
ミサオが王都に行っている間にほぼ解体が終わり、廃材も再利用可能な物と焚き付け等に使う物に分けてある。地面もならされて、早い所は柱も数本立っている。
ここからは、荷馬車にある程度積んできた製材済みの木材も使用して、本格的に様々な建物の建設が始まる。
建物建設の際、足りない物が出てくる場合を見越して、王都の冒険者ギルド本部に前もって連絡し、その都度必要になる建材や物資を送ってもらう手筈をつけているミサオ。
それと並行して、ムサシの指揮の元、目の前に広がるグレースの森から、木材の現地調達を行うという両面で、資材を賄う流れになっている。土工が地面を平らにならし必要な穴を空けて、そこに木工が基礎となる柱を立ててゆく。
石工とは、王都とこの廃村を隔てる山から使用する石材の選定、切り出しの指示、現場での作業を行ってもらう事で話が通っている。その為に足りない人員の配置は、新たな移住者から声を掛けている。
ミサオのチートである(ポチっとな!)も考えたが、今回は王都から転移魔法を使える魔術師も帯同していたので、問題無く作業が進み出している。
職人に関しては、建物建設だけでは無いので当然頭数が足りない。そちらの方にも、手元作業の増援を新規移住者から募る。現時点で、移住者への仕事は尽きる事が無い。湖からの水を引き、各建物や畑への供給。そこへの増援投入もムサシは考えていた。
井戸はあるのだが、そこは近代化させたいミサオの意向。下水の処理手段も構築出来れば、各家庭への上水道や水洗トイレ、公衆浴場も順次投入予定である。
鍛冶工には早急に鍛冶場の構築を約束し、必要な資材等の確認中。
この廃村にミサオは現代世界からの技術を提供し、この村独自の発展を目論んでいる。なるべくやり過ぎない事を気にしつつ。
(まぁ、やる事山積みだわな。資金も溶けてく溶けてく!・・・ジョロは子供達となるべく一緒に居させてやりたいし、しばらくはリュミアちゃんとシスターに勉強等はお願いして、俺とにーにー達で出稼ぎだな・・・。)
取り敢えずクミコとも相談し、必ず永井家の長男・次男・三男の内から、1人ないし2人は村に残す事と、余程の事がない限り毎日帰宅するルールを決める。
また、食料だけで無く、日常生活における生活レベルの向上も考え、少しづつ現代世界からの知識の開示や、物品の提供の道筋も話し合う。
「向こうの世界で買って、こっちで使いたいもん結構あるからな。」
「でもね、毎回向こうで仕入れだと大変でしょ?やっぱりこっちで材料用意出来て、こっちで作れる様な物からだと思うのよ。」
ミサオはなるべく手っ取り早く済ませようとするが、クミコの言っている事も一理ある。
「この村にも銭掛かるし、売れる物は正直持ってきたいよなぁ。かと言ってこの世界の文化レベルが急激に発展しない位の品物、適度にいい感じの品物ってあんのかな?・・・それに、これは転売ヤーにならんよな?」
「私も思った。その辺、勝手にやらずに課長さんにも相談したら?」
「だよな?グラマス辺りにも相談してみるか。酒や菓子はテリオスで成功してる訳だしな。」
「こっちの世界だと商会?とかも紹介してもらわないとね。」
「お!今韻踏んだ?マミ、ラッパーデビューいけんじゃね?」
会話をクミコと進めながらも、ミサオが茶化す。
「馬鹿な事言わないの!私はアイドルの歌しか・・・ねぇ、こっちの世界って、歌とかどうなのかしらね?」
クミコが思案顔でミサオに聞く。
「へ?吟遊詩人とかは何度も見てるけど、言われてみりゃあ、歌手とか見たことないわなぁ。」
ミサオも首をひねりながら答える。
「案外、いけるかもよ?・・・この世界初の歌手。カチオ教には、聖歌隊とか無いのかしらね?」
「それ、マリアさんに確認するわ!・・・無かったら、それも考えてもいいな!情操教育にも良いし。・・・それ、村人にも声掛けて、歌の文化広めて、オラが村から世界初の歌手、輩出目指すか!」
「ポチッとな!で、色々回って色んな国でライブツアー!・・・いけるかもよ?」
夢が広がり、盛り上がるミサオとクミコ。
「ちょっとそれ、課長さんとも練るわ!でもその前に、現実として今日の出稼ぎ行かなきゃな。今日は・・・サンくん!テリオスのギルドに飛んで、一緒に闇憑きの出没案件、仕入れに行こ!」
サンシローに声を掛けるミサオ。
「お!パピ!俺最初?」
声を掛けられたサンシローの目が輝く。
「ムッちょんにはさ、俺の代わりに指示を出して貰った方が現場スムーズに回るだろ?コジョには狩りの方で、動ける移住者の指導もして貰わにゃならん。」
「何だよ!パピそれ、消去法じゃんか!」
ミサオの言葉にむくれるサンシロー。
「何言ってんだ!実力無きゃ誘いもしねぇぞ?信用あるから頼んでるんだ。もっと喜べ!」
ミサオももちろんサンシローの腕は評価している。
何しろ冒険者ギルドでA級冒険者のお墨付きをもらっている息子達の1人なのだから。
「・・・ま、パピの技も盗みたいし、そこまで言われたら行くしかないか!」
「その意気その意気!じゃ、マミ。家と村の方、頼むわ。」
「・・・これからしばらくはこんな感じよね。無理はしないでね?」
「ま、課長さんとも話詰めて、討伐での金稼ぎばかりにならん様に考えてみるよ。いつも俺居ないんじゃ、こっちも大変だろうしな。商会・・・ねぇ?よし、サンくん行くぞ!ポチッとな!」
ここからしばらくは、この様なこのルーティンで過ごす事となるミサオ達永井家。
その中で話は次第に進み、現代世界からの物品をイグナシアで販売する事の改めての理解と許可を課長さんからミサオは貰う事に成功する。
かくして、商会関係の動きと、異世界初のプロ歌手育成プロジェクトが同時に進行する事になる。
まだまだ村作りも始まったばかりであり、すぐにどうこう動ける訳では無いのだが、いつでも始められる準備だけは整った。
ミサオはやりたい事があり過ぎて、嬉しい悲鳴をあげたい位の気持ちになっている。
「・・・本当は、この生活だけで生きてけりゃ、言う事無いのにな。」
「・・・来たるべき、が来る前に備えなきゃ。村の発展急がないと、先々の夢の実現も絵に描いた餅で終わるわよ?」
「んだな。いずれはここが戦場に・・・。考えたくもねぇがな。」
「備え有れば憂い無し。後悔したくないもんね。」
「自分で言うのも何だけど、忙しいよなぁ。身体がいくつも欲しくなるよ。」
悩みが尽きない永井家夫婦の会話だったが、それがフラグだったのか、明けて次の日。
この廃村に、不思議な集団が訪れる事となる。
「旦那!何か、村の入り口に得体の知れない集団が・・・。」
「は?こんな森ん中に?」
朝の稽古を息子達と終え、井戸の周りで身体を拭き清めていたミサオに、職人の1人が血相を変えて駆け寄ってくる。
「パピ。僕が見てきましょうか?」
ムサシが前に出て言う。
「本当にお前さんは出来る子だねぇ。でも相手が不明だからな。とりあえずみんなで行こうや。コジョ、サンくん、ジョロ!お前さん達も一緒について来いよ。俺居ない時に対処する場面あんだろうからさ。」
ミサオと息子達は廃村の入り口へ連れ立って歩いてゆく。
「それにしても、こんな所に来て、何かメリットあんのか?それともどっかから早々に潰し掛けに来やがったか?」
ミサオの言葉に少し構える4人の息子達。
「顔がキツくなってんぞ?わかりやすいのは、相手に弱み見せてんのとおんなじだからよ。スマイル!腹ん中は見せずに相手の出方を見る!・・・まずはな。」
ミサオが話す内に、見た事の無い集団が皆の目に入る。
服装はバラバラ。得物を腰や手に持つ者も散見される。頭数は20名位か。
廃村の入り口で息子達の前に立ち、集団に相対する形になるミサオ。
「・・・この場所の、一応責任者のミサオ・ナガイだ。こんな田舎に、何ぞ用事でもあんのかい?」
息子達に説いた様に、表情は柔和に、口調は優しいミサオ。
「・・・やっぱりここか!アンタ、噂のS級だろ?少し前からあちこち探してたんだ。情報聞いて、その場所に行きゃあもう居ねぇ。何度繰り返した事か。・・・最近、このグレースの森で動きがあるって耳にしてな。又徒労に終わるかもと半分諦めてたら見に来て見たら大当たりだ!・・・ちなみにアンタ、ここで何してんだ?」
集団の中のリーダー格らしき男が、ミサオに話し掛ける。
ミサオの見立てでは、体格は何かしらの戦闘技術を修めた感じでガタイは良いが、程良く引き締まっている。動ける身体というやつだ。
一緒の者達も、そこそこ動ける匂いはするものの、集団で動く者にしては統一性の無い装備。武器も剣や槍、酷い者になると棒切れや鎌、素手の者も居る。
正直に言うと、盗賊にしか見えない。
「俺の名はグレン。まぁこの集団の、頭みたいな感じだな。」
「で・・・グレンさんだったか。アンタ達、結局この場所に、何の用なんだい?」
ミサオがグレンに改めて問う。
「・・・本物が、見てみたくてな。噂通りか、試させて貰いたい。」
まるで道場破りの様な事をグレンが話す。
「噂って急に言われても・・・こちとら意味がわかんねぇしな。それに、見ての通り、暇してる訳でも無くてな。物見遊山なら、他当たってくんな。坊主達。けぇるぞ!」
集団に背を向け、村の中へ戻ろうとするミサオと息子達。
「待てよ!・・・物見遊山って言ったか今?・・・俺達がどんな想いでここまで来たか。・・・結局お前もそこらの奴らと一緒か。」
グレンが挑発する。ほっとけば良い話なのだが、ミサオの心の何かに引っかかりが生まれる。
「・・・勝手に押しかけといて、人のシマ内でアヤ付けられるのも気に入らねぇなぁ。何が言いてぇんだ、お前さんは。」
足を止め、振り返るミサオ。
「言ったろ?試させて貰いてぇって。俺達には俺達の想いがある。それが叶えられるかどうか。・・・遊びじゃねえよ。」
(目は・・・腐ってねぇようだなあ。ったく、何求めてんだかな?)
やはりミサオの目には、この集団の必死さが見える。
「で?ここでやんのか?村ん中じゃ、子供達も居て教育上見せたくねぇ。って、ジョロにもまずいかな?」
ミサオはその場で手首や足首をグルグル回し、あちこちの筋肉を緩めようと動く。
「パピ。僕も永井家だよ!」
ジョロが凛として答える。
「勇ましいねぇ!グラマスとの模擬戦以来、男の顔になってきたな。嬉しいやら切ないやら。」
笑顔でジョロの頭を撫でるミサオ。
「何ほのぼのしてやがんだ!こっちは俺1人。S級。アンタの力を見せて欲しいね。」
グレンがその場で腰の剣を抜く。
「・・・剣が綺麗に手入れされてんな。商売道具を大事にすんのは怠って無いわけか。・・・分かった。こっちは無手でも構わんか?」
ミサオは足を肩幅に開き、左足を半歩前に出して両の踵を上げる。
それを見ていたミサオの子供達とグレンが率いていた集団が、戦う為の空間を広がって作り出してゆく。
「得物はほぼ使わねぇって聞いてたが、その通りか。だからと言って手加減はしねぇよ?・・・そりゃ!」
いきなり右手で剣を薙いでくるグレン。ミサオはバックステップで躱す。
「俺のは邪道、だからな!」
「たし、かに、基本、じゃ、ねぇ、わな!」
右に左にグレンの剣が襲うのを、下がりながらボクシングのスウェーやダッキングで躱すミサオ。
グレンの剣筋は、袈裟懸けに来たかと思えば、途中でいきなり軌道を変える。
両手で打ち込む姿勢を見せて、そこから片手持ちで身体を伸ばして突いてくる。
「グラマスとは、また違った剣筋だな!面白ぇ。ムッちょん!お前さんの技とは扱い方違うだろうが、勉強しとけ?」
ムサシに声をかけるミサオ。
「パピ、よそ見しないでっ!」
ジョロの声が飛ぶ。
「ん?うおっと!すまんすまん!・・・いきなりお前さんも脛狙うかね?まぁ、殺すより無力化。いいんじゃねぇの?」
一瞬気を抜いたミサオの足元を狙って、刻もうとしたグレンの剣を、ミサオ少し焦った顔で避ける。
「・・・はぁ、はぁ、随分余裕だな、S級。」
グレンは少し息が上がってきた様に、周囲には見える。
「いやぁ、剣聖相手にじゃれてるパピだもんな?」
ボソッと言うコジロー。
「・・・剣聖、セルジオ・トリニダス王子殿下と?」
コジローの言葉に顔色が変わるグレン。
「おいおい、そんなこたぁ今どうでも良いだろ?試すんじゃねぇのか?やる気ねぇなら、決めちまうぞ?」
最初の挑発のお返しとばかりに、今度はミサオが煽り返す。
「何?舐めるなぁ!」
グレンが又、途切れない剣筋をミサオに見舞う。上下・左右、剣先がまるでヘビの様にミサオの身体の周りを這いずる様に見える。
「・・・はい、ここ!」
グレンの一瞬の隙を見極め、グレンの剣が振り下ろされたタイミングで、グレンの身体の右側に身体を運び、その勢いのまま右肩を当てに行くミサオ。
ミサオの踏み込みは強く、グレンの腹に響く。
震脚。
からの・・・抱山靠。
中国拳法からの技。
抱山は山を抱えるように、そして靠はもたれかかる、寄りかかる、といった意味を持ち、山を抱えるように相手に体当たりする技。
全身の連動性、単に体をぶつけるだけでなく、足の踏み込み、腰の回転、肩や背中の力を連動させ、全身の勁 (けい) を相手に伝えることを目的とする。
ものの見事に、吹っ飛ぶグレン。
「パピ・・・軽く当たっただけだよね?」
「見た目はな。・・・これは、中国拳法の・・・八卦掌か?いや形意拳にもあったよな?」
ジョロの疑問に知識を披露するムサシ。長男は技能の修得にも余念がない。
「・・・納得はいったのかい?」
倒れるグレンに歩み寄るミサオ。
「へっ、気付いてやがるし。隙見せたら、食らわそうと思ったのによ。・・・やめやめ!降参だっ!」
地面に大の字になるグレン。
「・・・ほれ、手ぇつかめ。」
右手を差し出して、グレンを立たせるミサオ。
「・・・さて、こっから本題だ。S級・・・いや、親分。俺達を、アンタの下で働かせてくれ!」
グレンから予想外の言葉が飛び出す。
「は?親分?この世界にもそんな概念あんのかよ?いやいや、俺そんなタマじゃねぇって!」
ミサオがグレンの申し出を慌てて固辞する。
「・・・俺達は皆、あちこちの国や街でのはみ出し者の寄せ集め。理想に燃えてそれぞれ切磋琢磨してきた筈が、出自が低いと陰口を叩かれ、けなされ、おとしめられ・・・。これでも、俺を始めとしたコイツ等みんな、騎士団崩れなんですぜ?そんな奴等の、行き場所を無くしたもんの寄せ集めでさぁ。非道な事なと誰一人しちゃいねぇ。だからと言って冒険者にも普通の仕事にも、変なプライドが邪魔をしてつけないままで。・・・そうこうしている内に、当ても無いまま日々の暮らしにも事欠く始末。このままだと飢え死にするか盗賊にでもなるかの瀬戸際で、親分の噂を耳にしましてね。あちこちから人集めて何かをやろうとしてるらしいと。・・・俺等も最後の博打でさぁ。もしかして、この人なら・・・ってんで、それから俺等、親分を探し回ったって事なんでさぁ。」
グレンを含めたこの集団は、自分達なりに覚悟を決めてこの地に現れたらしい事がミサオにも伝わる。
「・・・話は見えたが、その親分ってやつ、何とかならねぇ?こそばゆくてな。」
ミサオは頬をポリポリと指でかく。
「いや、これは譲れねぇ。俺達も腹くくって決めた事。何としてもうんと言わせなきゃならねぇ。」
グレンだけではなく、残りの集団も頷いている。
「裏の組織とかじゃねぇんだよなぁウチは?・・・せめて、グレン・・・は兄弟分だろ?歳も若くねぇようだし。だろ?お前さん達もそう思うよな!」
集団を見回し、妥協案を示すミサオ。
「・・・そこまで言うのなら、従います。兄貴。」
「え?俺、五分の杯のつもりだったんだけど・・・。」
ミサオの意図は、伝わらなかったらしい。
「何を言ってるんですか!ケジメはつけなきゃ周りに示しがつかねぇっ!な、てめえ等!」
「へぃ!」
「・・・いや異世界で、へぃっとか、聞くとは思わんかったわ!・・・うん。何か、そういう訳みたいだからさ?ムッちょんもコジョも、サンくんもジョロもそのつもりで受け入れてやってくれよ。人数多少増えても何とかなんべ?・・・とりあえずマミにも報告だな。グレン!お前等も飯まだだろ?ウチの奥さんの飯、美味ぇからよ。まずは朝飯食え!細かい話はそっからだ。ついて来いよ。」
そのままミサオは、息子達とグレンを始めとした集団を引き連れ、皆で仮住居へ向かう。
「お~いマミ!ちょいと出てきてくんない!」
ミサオの声に、仮住居の中から顔を見せるクミコ。
「なぁに?・・・朝からお客さん?」
「いやさ、コイツ等・・・」
ミサオがクミコに一から説明を入れようとする刹那。
「お世話になりやす!姐さん!」
グレン以下、集団が一斉にクミコに頭を下げる。
「・・・パピ、朝からこれは何の冗談?」
「いや、俺のせいじゃねえよ?」
クミコの冷たい視線に慌てて否定をするミサオ。
「いや、俺達は、ミサオの兄貴の生き様に惚れたんでさ!・・・どうか俺達、このシマの敷居、またがせちゃくれねぃですかい?姐さん!」
グレン以下、より深々とクミコに頭を下げる。
「・・・パピ、これマジなの?」
「・・・マジもマジ。大マジよ。」
説明する暇も無かったので、ミサオも困惑している。
「姐さん、ねぇ。・・・やっぱり、舐めたらいかんぜよ!とか言わなきゃダメ?」
クミコは真面目な顔をしてミサオにたずねる。
「いやマミ、それ古いかも・・・。」
この日、ミサオに異世界で初めて舎弟が出来る。
ミサオにとってこの出来事は、現代世界での過去が思い出される内容だったが、実はまだ始まりに過ぎない。
国とも、この世界の既存の組織とも違う集団。
それをいずれ立ち上げる事を、この時点でのミサオはまだ、考えもしていなかった。




