もしもの世界線。 ifシズヤ(闇)
『僕が求めている人物のことは、僕が一番知っている。 彼はいつも戦いの中にいた。』
向かい合う…というより、立ちふさがる星の魔法少女に吐き捨てるように言い放つ…『limerian』を持ったシズヤ。
どこまでも表情は黒く、銃をいつ私に撃ってもおかしくない。
彼は彷徨い続ける。 『タビビト』との決着をつけるまで。
『…そうだったの。 それもそうなの…。 …けど、1つ忘れていることが…』
『これ以上邪魔をするなら、君でも撃つ。』
まっすぐに向けられた銃口をみて、諦める。
『…わかったの。 けど、必ず貴方はここに戻って来るの。』
『どうして? …戯言だ。』
私を撃たず、この先にある戦地…テニソノイシへ向かう。
『…いっちゃったの。待つの。』
私は、その場でゆっくり待つの。
…そうして、30分後。
戻ってきたシズヤ(闇)の姿が。哀愁漂ってるの…
『…どうして追い返された…』
『だって…ボコスカ、明日じゃなくて1週間後に変更されたの。』
崩れ落ちるシズヤ(闇)。
『…ねぇ、この後暇何でしょう? 私に付き合ってもらうの。』
『なぜだ…僕は意地でも探し続ける…』
『私が貴方に近いことは、貴方も知っているはずなの。 私についてくれば、見つかるかもね? …どう?』
してやったりの表情で、彼に手を伸ばす。
『………はあ。』
手を打ち払いながら、了承された気がした。
そして。
『何やってるのシズヤ!バカなの!?そんなことしたらいつまでも手に入らないの!』
4日目。 もうすっかり慣れた彼の後ろ姿を見る。
『…どうして…こんなことに…』
ここは4層。『祝福を見つけたら、教えてあげるの♪』
という舐められた言葉に、
切れかけながらさっさと見つけてやる…と思った彼は、未だ見つけていない。
『そんな威圧感だしたら逃げちゃうって何回も言っているの〜! そろそろ理解するの!』
肩をバシッと叩く。 見るからに不快そうな顔が相手から見え隠れするが…彼も慣れたのだろうか。
『本当に…出るんだろうな…』
目的から離れ、ちょっとかわいそうになってきたシズヤを見つめつつ…
『ここ、4層なの。 貴方が悪いの』
無慈悲に告げる。 クソッという汚い罵倒があったような、ただのため息だったような…
『…もういい。僕はタビビトを自身で見つけだす。』
堪忍の尾が切れたように私に銃弾を発射する。キャッキャッと笑いながら避ける私。
もう『記録』してしまったし、疲れのせいで動きがわかりやすいの。
『…しつこいな…っ!』
そんな彼に一度近づいて、抱きつく。
『貴方の未来に、私がいるかどうか…きっといないだろうけど。 これは餞別なの。 …貴方の行く末を、私は見守っているの。』
これは…記録者としての敬意。 当然の行動でもあるの。 記録は…そんなものだから。
一瞬戸惑っていたが、すぐに振り払われ、銃弾を撃ち込んでくる。
かろうじて避けながら、一言。
『…けど、3日後にはボコスカなの。 …そう、もう中途半端なの。 最後まで付き合ってもらうの♪』
計画どおり…!私の勝ちなの!
その後、ブチギレられたシズヤ(闇)に銃弾をぶち込まれ、彼は戦地に向かうのだった…
★おまけ★
『…僕を入国させてくれ。 戦地に行くんだ…。』
圧倒的な威圧を管理官にかます。
『…あの、戦地とは…?』
当然のことを言われて、ため息をつく。
『明日、戦争があるだろう。 俺を戦わせろ。必ず見つけだす…タビビt』
『ああ! ごめんなさい。 実は…2日前に1週間後になることになったんですよ! …知らないんですか?』
彼は、街で情報を集めず、ただここにやってきた。
故に…絶望した。
その場で崩れ落ちる
『どうしてだ… 戦地が俺を呼んだんじゃ…クソッ… あの魔法少女が言おうとしていたことか…』
そのまま入国審査官に追い返されて、行く宛のない彼は、道を戻り、ニコニコ笑顔の星の魔法少女を睨みつけることになる。
『シャチホコ再ブームだな…』
*4層で車を使い祝福を落とす敵を意図せず減らした張本人はこちらです