絶対に負けられない戦い
『…ねぇシズヤ!こんなことで争っても、良くないと思うの!』
私は上を見上げて、シズヤを見る。
『…はあ。 貴方が起こした結果ですよ? こうなる未来は…わかっていたはずです。』
そうやって、私を見ながら不敵に笑う。
『…でも、私は諦めないの。 貴方がそれで終わらせると言うなら…何度でも、その行為を正すために、立ちふさがるの。』
『…それは二度しない約束でしたよね。 往生際が悪いですよ。』
呆れて私をみてくるの。
…けど、終わらせられない!
『…!?』
手を掴んで、引き寄せる。体勢を崩そうとしたけど、耐えられた。 あれを私の手の中に…!
『…届かないと、思いますけどね。』
あっちのほうが速かったの。…間に合わない!
拾い上げられて。そのまま勝ち誇った顔で私を観ている。 …私の作戦は終わりじゃない! あと…1秒引きつけて…!
『…気づいていますよ』
気配を消したはずの『メイシュドローム』が背後から伸ばした手さえも掴まれる。
『…どうしてわかったの?』
『少し付き合いがあってね。』
驚いた顔のメイシュを見る限り、想定外。
…ここで終わりなの?
『…ううん。…絶対、諦めないから。』
私は覚悟を決めて、シズヤを睨みつけ…
『…あの、そろそろ諦めて渡してくれませんか…?』
『…みっともない…よ?』
『嫌なの!私の物なの〜!!』
…第4層、たまたまあった2人で探索している最中、『両者の攻撃がちょうど当たった』敵から落ちた高価なものを巡って、じゃんけんで負けた魔法少女が負けを認めるまで、あと10分。