1年生編23
なるほど人狼ゲーム。日本でもやったことがある。心理戦のイメージだな。
裏工作もしやすい。人狼をやる前に取引して何かをあげるかわりに職業を人狼が始まってから教えてあげるとか。
ここでこの学校での物の入手の仕方を言おう。
この学校では外部からの接触は禁止。だからお金も学校で決めた方法で渡さなければならない。実家からこの学校に送られた俺たちのお小遣いは学校がチェックし問題がないとされれば生徒に渡される。
だがお小遣いは自由だ。額が高くても額が低くてもオーケーだ。
だが物を送るのは禁止だ。それは接触に入り、買うには自分のお小遣いで買わなければいけない。だがこの学園には珍しいものなんてない。だから交渉に使えるものはあまりない。
だが方法がないとは言えない。
授業が一通り終わる。
「レオン、どうするんだい?」
「ん?そうだなー。」
「私のことアホとか言ってる暇があったらもっと考えなよ。」
というか久しぶりの学校で忘れていたがフィミスがアリシアの隣にいなかった。
「おい、レオン。」
「なんだ?ジェームズ。」
「勝負しねーか?」
「勝負?」
「ああ、クラス内で2回人狼で戦うときがあるんだ。俺とお前が戦うこともあるだろ?そこで何かをかけて戦うってのはどうだ?」
「無理だな。一緒の職業になることもあるし、」
「たしかにそうだ。だが決めなきゃなんねーだろ。このクラスのトップを。」
「クラスのトップをそんなに決めたいのか。なら決めようぜ。」
「じゃあ決まりだ。何をかけて戦う?」
「退学だろ?」
「へーお前から言ってくるとはな。」
「退学がいいって顔に書いてあるだろ。」
「決定だ。先生、承認お願いします。」
「あ?いいぞ。レオン、ジェームズ、両名は互いに退学をかけ戦ってもらう。欠席などした場合は欠席したほうが負けだとして退学してもらう。特別にお前達2人は違うチームにしてやろう。」
「じゃレオン。ってことでよろしくな。」
そう言ってジェームズは帰路についた。
「レオン、ほんとにどうするんだい?」
「ん?考えてあるから安心しろ。」
「さすがレオン。持つべきものは友達だね。」
「アリシア、少しは自分で考えたらどうだ?だからアホなんだ。」
そんなことを話しながら帰路につく。
そして夜にネルが来る。
「あんたの部屋、結構きれいだね。寮のときは言わなかったけど私綺麗好きだから汚かったら入らなかったよ。」
俺の部屋は何故か黒に塗装されていて物は必要最低限といったところだ。
「どこ座ればいいの?」
「椅子はないからベットでいいだろ?」
「うん。」
まさか男のベットに躊躇なく座るとは、、。
「ていうかまさか本当にあんたの言った方法でジェームズたちは動いたのね。」
「ああ、そんくらいは分かってた。」
「なんで対策しなかったの?あんたの出身地バレて明らかにみんな離れてるよ。」
「ネル、いいタイミングを図ることが勝利の道筋だよ。そこでやってもらいたいことがある。」
「何よ?」
「ネル、この学園には拡声器ってのがあるの知ってるか?」
「拡声器?なにそれ」
「声をリアルタイムで遠くにいる人に伝える魔導具だよ。遠くって言ってもせいぜい1キロぐらいだがな。」
「そんなレアな魔導具どうやって使うの?ていうかどこにあるの?」
「それはネルが考えることじゃない。」
「秘密主義ってことね。」
「ああ、ネルにやってもらうのは拡声器を持ってジェームズの自宅で俺の出身地についての話を切り出せ。そしてジェームズが自ら嘘だというように仕向けろ。」
「それ私が裏切ったら水の泡じゃない?」
「そうだ。それくらいネルを信頼している。」
信頼している。この言葉を言われれば相手が自分のことを信じてくれている。だから私も信じるとなる場合が多い。
「仕方がないからやるよ。」
「ああ、頼む。」
「あ、あとフィミスちゃんって子。ジェームズくんに着いたって。」
「へー」
「ジェームズくんから脅されてたみたい。自分につかなきゃ出身地とかをばらすとか、このままレオンについてて学年で上位に行けるのか?とか」
「なるほど」
「友達だったならもっと悲しいとか寂しいとか怒りとかないの?」
「あるにはあるが、俺たちのグループに戻るか戻らないもアリシアが最初に友達になったんだし決めるのはアリシアだ。」
「それもそうね。」
「じゃ、頼んだ。」
「あんたも拡声器っての持ってきてね。」
次の日の夕方。俺は今学校に戻ってきている。それはなぜか?
ある人物に用があるからだ。
「失礼します。1年4組レオンです。メイリン先生に用があってきました。」
先生はどうやらおやつの時間だったようで中断され機嫌が悪い。
「なんのようだ?」
「先生に頼みがあって」
「頼み?」
「はい。拡声器の魔導具を貸してもらいたくて」
「中立の立場の教師が君だけに拡声器を貸すのは違うな。」
「あるんですねやっぱり。」
「、、、カマをかけたのか。」
「はい、この学園の理事長であるシャーロット・レインは魔導具収集癖があると聞いたことがありました。あんな長年生きていれば希少な拡声器の魔導具を手に入れないはずがない。」
「どこで拡声器の魔導具を知った?」
「秘密です。」
本当はあのオークションだ。オークションにこの世界では高いはずの紙がおいてあってそれを持って帰って見てみたらオークション競売にかけた魔導具の種類と能力が書いてあった。
そこに拡声器の魔導具もあった。
「そうか。それでは君に貸すことはできないな。」
「拡声器の魔導具を知った場所を教えたら教えてくれるんですか?」
「無理だな。君1人に貸すなんて。」
「じゃあ、これ渡したら貸してくれますよね?」
そう言って出したのは万能薬と呼ばれるミンズという植物の種で基本なんの病気にも効くという薬だ。
俺がどう手に入れたのか?それは1つの方法だ。
ギルドに依頼として出したのだ。
ミンズの種を取ってきてほしいと。
金は結構かかったが満足だ。
外部との接触禁止、ではあるが俺が外部の人と会ったわけではない。ギルドの受付の人にもらっただけだ。
「先生のお母さん病気なんですよね?」
「、、、なんで知っている?」先生が驚いたように言う。
「先生達の個人情報って結構ガバガバなんですね。」
俺はあのフードの情報屋に探ってもらっていたのはネルだけではない。ジェームズにサラ。先生もだ。
「どうです?取引成立ですか?」
「、、、、、、、、ああ。」
そうして俺は拡声器の魔導具をゲットした。




