1年生編17
ネルの勘を舐めていた。この数日間俺が騎士団の敷地から抜け出すことにネルはあまり興味がなさそうだったが今日この日に俺のことを呼び止めるということは何かしら俺がアクションを起こすことを勘づいているってわけだ。
「奴隷オークションに行こうと思ってな。」
これは嘘だが1度この騎士団から抜け出して行っている為完全に嘘だとも言い切れない。
「嘘でしょ?」
、、、、なるほど。ネルの勘というものがスキルなのか天性の才能なのかどっちかが今のでわかった。天性の才能なのであればおそらく相手の言葉の言い方、呼吸、焦りなんかを自分の意識外で自然と情報としてキャッチしそれを勘と言っているのだろう。逆にスキルであれば俺の言葉を一瞬で嘘か本当か判断できるはずだ。
そしてネルは嘘でしょ?と聞いて揺さぶりをかけてきた。スキルなら嘘だよね。と言い切るはずだ。ということはあくまで勘は天性の才能。
「謎が解けた。」
「何が?」
「君のその勘の良さはスキルなのか才能なのか。」
「、、、。それがわかってどうしたの?」
そう言ってネルは走り込んできて俺の顔面めがけて蹴りを入れてくる。俺は腕でその蹴りをガードし少し後ろに下がる。
「君はもともと俺に着く気はなかった。だろ?」
「、、、そう。あんたをこの職業体験中に何らかの方法でジェームズとは戦えない状況にしてその手柄でジェームズ側に入れてもらおうと思ってた。」
「だから勘をスキルのように見せかけて俺がある程度戦えることを知りながら初日にわざと俺よりも弱いことを印象付けて今日この日に俺を暴力で脅して自分から学校のルールを破らせ学校を退学するようにするってわけだ。」
ここは人が全くと言っていいほどいない。それはそうだ。騎士団の敷地だから騎士団員しかいないしこの時間騎士団員はこことは真反対の訓練所で剣を振っていることだろう。俺がネルにボコられていても誰も助けてくれない。
「そういうことっっっっ!!。」そう言ってネルは腰からナイフを取り出す。ナイフは騎士団から奪ったのだろう。それに対して俺は素手。素手の格闘技なんてやったことがない。
ネルはナイフを俺に突き刺すように刺突してくる。俺はそれをとにかく避ける。が避けきれず顔と太ももあたりを少し斬られた。
「素手じゃ何もできないでしょ?」
この世界で素手での戦闘は闘拳士というスキルを持った奴らだけが出来るのであって武術というものはない。、、、が俺の身体強化を限界まで使えばネル、君の速さなんて比じゃない。スキルを使わないのはスキルが相手を即死させるとか俺に害が大きすぎるからだろう。
ネル、君の誤算は俺が身体強化したときのスピードとパワーが寮で身体強化したときと同じだと錯覚したことだ。
俺は身体強化を限界まで使い日本で言うボクサーの構えのような腕2本を顔の前に構え足は肩幅に開き前後させ踏み込みができるようにする。
「なにそれ、あんたバカにしてるの!!??」
そう言ってネルが俺の脇腹めがけてナイフを突き刺そう俺の間合いに入ったときに俺は前足を踏み込み利き手の右手でネルの顔面を殴る。
するとネルは俺に殴られた勢いで塀にぶつかり気絶する。
どうするか?ネルをここでボコボコにして自分からルールを破らせ退学させるのもいいがネルの天性の勘はこの学校を出ても欲しい。
なら、、
そう思ってネルをおぶって塀を登る。
俺は街に着きあの男か女かわからないフードのやつとあった裏路地に行く。
「おい、誘拐犯の手伝いはしたくないんだが。」
そう言って俺の背後から声がして後ろを振り返るとフードのやつが立っていた。
「誘拐犯じゃない。倒れていた女の子をおぶっているだけだ。」
「街でも有名になっていたぞ。」
「知ってるわ。、、で情報は集められたのか?」
「当たり前だ。」
「聞かせてもらおうか。」
「バリメル王国、第1王女ニナ・ラッシル・バリメル。」
「うーーん。俺が言った貴族の中では身分が下の方だと言ったのはどうなんだ?」
「それを最初に探った。だがお前の言うその貴族の中では身分が下の方だという根拠を考えると例えば気が強すぎるとか下品だとか言葉遣いが悪いとかだと予想をつけそっちの線で調べたわけだ。」
「なるほど。」
「そしたらバリメル王国では珍しく他の国の下につくのはおかしいと言っていた王女がいるっていう情報からその王女ニナを調べてみた。すると王女ニナの噂で誰にも言っていないことを見抜かれたとか嘘を見抜かれたとか情報があった。決定的なのはバリメル王国の貴族たちが計画していた反乱をまだ準備期間だったにも関わらず見つけたことだ。」
「準備期間だったってことはあくまで勘。」
「ああ。」
その後フードのやつと30分くらい話し別れた。
そして俺はネル、ニナ・ラッシル・バリメルを起こすのだった。




