1年生編11
迷宮での行方不明者、死亡者は年間数万人を超える。
その3分の1ほどが人間、エルフなどによる他殺。
それはこの学園でもそうだ。優秀で邪魔な人間を消すのにこれほど都合のいい場所はない。
この学園はそういう場所なのだ。
俺は周りで俺の殺気に怯んでいた奴らを片っ端から殺傷していく。
俺の剣はすごいことに斬れば斬るほど鋭さが増しさっきよりも力を入れずに斬ることができる。
そうやって魔物の大群をすべて斬りこの事件の元凶であり奪おうとした人間の元へ歩いていく。
「コツッコツッコツッコツッコツッ。」俺は魔物の大群が来るときに見えた男がいると思われるところに近づいていく。
その人間はセーフティーゾーンに隠れていた。
ブルブルブルブル震えながら
「僕は悪くない、僕は悪くない、あいつらがやれっていうから。」
俺はその男に威圧的に
「何が惡くないんだ?」と問う。
「なんで!!??お前が!!!?なんで??!生きてる!!???」
俺はメガネをかけた彼の髪を引っ張りながら
「生ぬるく育ったお前らとは格が違うんだよ。」
「100体だぞ!!??あの数を相手に生き残るだなんて狂ってる!!??」
「お前はさっき自分は惡くないといったな。確かにその通りだ。弱いから奪われる。負けるから奪われる。この世はそうできてる。だからお前もその世界のルールに従わないとなあ!!??」
「だ、誰の指示か言うから見逃してくれ!!」
俺がメガネの彼に剣を当てると
「ジェームズ!!ジェームズだよ!!あいつが言ったんだ!!どのパーティーにも入れてもらえない僕だけどレオンとリアムを殺したらパーティーに入れてもらえるし資格も!!!資格の凄さはレオン、君にもわかるだろ!!!あれは一生かけても手に入らないようなものばかりだ!!!だからそれに目がくらんで!ごめん!!ごめん!!ごめん!!ごめん!!僕は最低だ。自害するよ。4人も命を危険に晒したんだもの。」
そう言ってメガネの彼は首に剣を当てる。
「ごめん!!!!!!!」
俺は知っている。人がそう簡単に変われない事。
俺が一番知っている。
どこまでいってもこいつは人のせいにするゴミだ。
あの本の凄さがわかるくらい頭がいいんだろう。
でも駄目だ。自分の弱さ、愚かさを知らなければ成長も変わることもできない。
リアムが後ろから
「死で償うなんてそんなのおかしいよ。」と言ってメガネの彼の剣を奪う。
「やり直そう。まだこれからじゃないか。」
俺は剣を振るう。
メガネの彼の首が中に舞う。
「人はそう簡単に変わらないぞリアム。」
「たしかにそうかも、でも」
「こいつは俺から3人も奪おうとした。俺から奪おうとする者は罪だ。アリシアのところへ戻ろう。」
「うん。」
学園国家、トップであるシャーロット・レインの私室で。
シャーロットと執事であるローレンツは話していた。
「今年の1年生は迷宮探索に出かけたようです。」
「そう。もうそんな時期になるのね。」
そう言って机においてある9枚のプリントに目を通す。
「毎年数名の死者が出ておりますからな。」
「今年は出なければいいのですけど、ふふっ。」
そう言ってシャーロットは笑う。
「シャーロット様、不適な笑みを浮かべておりますよ。」
「いえいえ。やっと面白くなってきそうで楽しみなもので。」
「生徒達はどのようにクラス分けされたか気づいているのでしょうか?」
「気づいていないでしょう。推薦枠の中からリーダーの素質がある8名を1クラス2人ずつ配置しクラス内での主導権を得るため揉める。そこでまずスタートライン。」
「この男になぜシャーロット様は関心を持たれるのでしょう?」
そう言って机においてある紙の一枚。リアムと名前が書いてある。
「成績は優秀であり戦闘においても優秀でしょう。ですが人を率いる力や動かす力があるようには思えません。この学園は一見個人の実力だけを問うようで長期的に見れば集団としての力も試されます。なぜこの男を?」
「過去は生徒達全員調べてあるわ。どう生きてきたか、どう考えてきたかをね。そして彼はエルフ達、主に長寿族では異端よ。」
「異端ですか。」
「そう。異端。彼には長寿族のほとんどが持っていない才能というべきかなんというかそれを知っているのよ。だから彼は強い。」
「今回もこの少年は生き残るでしょうか?」
「生き残るわ。そして理解するでしょう。この学校は甘くないと。」
アレク視点
「やっと戻ってきた。」
「2人とも重症の私をほったらかしてどこ行ってたのー?」
「、、、えーーーと。」リアムが答えづらそうにする。
「ごみ掃除だ。」
「こんな迷宮にゴミなんてあるの?」
「ああ、迷宮だからこそのゴミがあった。」
「そう?なら仕方ない。」
こうして6日目も終わり7日目も何事もなく終わった。




