魔法国の盗賊12
レイズ視点からスタートです。
「ブリュッセルがやられたか。」
「はい、このままでは我々が殲滅されるのも時間の問題かと。」
「ブリュッセルのやつは何をやってんだか。」
(かなりやばい状況だがまだやりようはあるな。ガキどもを使うのは気が引けるが俺の命には変えられない。あの皇女を殺るってのもいいがあんだけ強いとな。)
「ここからどうします?」
「そーだな、少し後ろに行きながら1箇所に兵を集めて撤退できるようにしろ。」
「は!!」
(俺のスキルを使えばなんとか切り抜けられそうだな。にしてもあの皇女やってくれたぜ。こっちの士気はだだ下がりだ。)
「おまえら!!相手は皇女だ!!囲って殺れ!!」
「おお!!」
と言うもののさっきと変化はない。だが次第に皇女達は包囲の穴から撤退していく、いや撤退というよりかは体制を整えると言ったところか
(これは都合がいい。こちらも準備が整えられる。)
こうしてこの戦いは長引いていくのだった。
アレク視点
「オリビア、大丈夫ー?」
「アレク様、あの盗賊に勝てたのですね!!」
「ああ、ちょっと斬られたけど」
「アレク様を斬るなんてなんて頭のおかしいやつだ。死んで当然だ。」
オリビアは俺が怪我するといつも大袈裟だ。
「それはそうと姉様達は少し下がって体制を整えるみたいだね。」
「勝ちと決まったわけではないですがブリュッセルという1人のリーダーの不在、包囲の失敗、これで立て直すことはできないはずです。」
「だよね。指示を失った盗賊達は逃げる準備してるし。」
唯一の懸念としては子どもたちの噂がホントだったときいつ使うかだ。
「随分悩んでますね。」
「ここから相手がどう動くのか注意してみないと。」
ん??ここからじゃ全体が見えないけど明らかに敵が後方に兵を割いてる。一気に包囲を抜けて逃げるつもりか?
それしかない。
だが普通の軍と違って盗賊の集まりじゃ散り散りに逃げて行くだろうから各個撃破すればいい。
「オリビア、兵を集めて、逃げられたらめんどくさいから。」
「分かりました。」
兵たちと一緒に姉様がいる戦いの最前線の方までやってきた。
「姉様大丈夫ですか??」
と言いながらも姉様の隊にいる人達は皆かなりの出血してたりかなりの疲労が見て取れる。あの姉様ですら肩で息をして身体の所々に切り傷が出来ている。
「愚弟が心配することはない。それよりこっからどうするつもりだ。」
「相手が何かしらのアクションを起こすようなので少し様子を見てって感じですかね。」
「なら私達は一旦休ませてもらおう。」
ん?相手が包囲を突破しそうになってないか?
「オリビア行くぞ。」
「はい。」
後方に近づいていくと明らかにうちの兵たちの士気が低い。
「何があった?」
「あ、、皇子、来ていただきありがとうございます。少し私達では判断しにくいことが置きまして。」
「なんだ、歯切れが悪いな。」
そう言いながら俺は兵士たちの間をすり抜けもう少し前へ行く。
(確かにこりゃどうすれべいいか悩むな。)
今この状況を説明するなら盗賊達が後退しながら帝国兵の包囲を突破し少し抜け出した状態のところにスキルを取得できる年齢の8歳になっていないような子供たちがこの戦場とも言っていい場所にいるのだ。そして使えないはずのスキルを使い帝国の兵を殺しているのだ。
なるほど子供を使って自分たちの撤退の時間を稼ぐきか、判断が難しい、子供を殺せなどとは絶対に言えないがこのままだとこの子供たちに時間を稼がれ盗賊たちを逃してしまう。
「アレク様」
「なにオリビア。」
「もしかしたら子供たちは操られているかもしれません。」
「なぜそう思う?」
「子供が武器を持った大人にあそこまで躊躇なく向かっていけるとは思えません。」
「そりゃそうだ」
操られているにしろ、操っている相手が分からなければ意味がない。時間もない。子供の命を優先して盗賊共を逃がすか盗賊を厳選した数人だけでも追っかけて頭だけでも取るか、いやこれは無理だ。この状況で攻めるという選択肢は大いに兵士たちの士気を下げる。なら一択だ。
「どうします?アレク様。」
「・・・子供たちを保護する。兵士たちは数人がかりで取り押さえて暴れないようにして。盗賊たちが遠くに行ったらスキルが解除されて操られなくなるから。」
「アレク様がそういうのでしたら。お前たち!!子どもたちを保護しろ!!」
オリビアがそう言っている間に盗賊達は逃走経路を確保し続々と逃げていく、この場に子供達を残したまま。
うちの兵達を見る。明らかに動きが遅い。
子供とはいえスキルを使っている、その恐怖からか
「皇子!!子供達はオリジナルスキルを使います!!」
なに?見ると全員がオリジナルスキルだと思われる見たことないスキルばかりだ。
だがみんな子供がオリジナルスキルを使うということに恐怖しすぎだ。まだ子供に対して剣を構えているものもいる。
「仕方ないか。」
「何がです?」
俺は緑髪の女の子の近くに行き
周りからは「皇子、危ないです!!」と声が聞こえる。
我が国の兵士よ。この子達はオリジナルスキルを持った兵士ではなく子供なのだ。
緑髪の女の子は自分の出血している血から剣のようなものを作り俺に刺そうと剣術を少しもかじったことのない動きで剣を刺そうとしてくる。
俺はその剣を直接手のひらで受け止める。もちろん受け止められず手を貫通する。
痛い!!
「アレク様!!」オリビアの声が聞こえる。
「我が国の兵士たちよ。この子達がいかにオリジナルスキルを持っていようと剣を持って殺そうとしてきても、子供だ!!ここで殺してしまったらやっていることは魔法国のクソどもと一緒だ。我らはこの子達を保護する。反対のものはいるか!!??、、、なら子供たちを保護しろ!!」
俺は目の前の女の子を身体強化を使って拘束する。
「アレク様!!縄です。」
オリビアから縄を受け取り金髪少女を拘束する。
「アレク様。また無茶をして」
「無茶しなきゃこの子達は助けられなかった。」
「もう無茶はしないでください。」
「なるべくね。それより痛いから手のこれ抜いてくれない?」
「無茶をやめてくれたら抜いてあげます。」
「オリビアー。待ってよー。」
数時間後
「撤収の準備を始めろ。」
「はい!」
(今回のこの行動が吉と出るか凶出るか今はまだわからないが吉だと信じることぐらいしか今の俺には出来ない)




