魔法国の盗賊5
国境警備隊隊長のルイスに急遽、来てほしいと呼ばれた。
「アレク皇子、急ぎ出来ていただきありがとうございます。」
「姉様は?」
「フレイヤ皇女はこの砦の近くの村を盗賊から守りに行ったようです。」
「姉様らしい。、で急ぎの用事っていうのは?」
「この南方にある帝国の村や商人たちの襲われる数が多すぎてこれ以上この砦においていく人数を増やすのを待っては居られない状況になってきました。村々から救援要請も多く今すぐ討伐に行かなければ被害が甚大になってしまいます。さらに救援に向かった兵が殺されたこともあり、ですからあと3日でこの砦から討伐に出ようと思います。」
「どれくらいこの砦に置いておける?」
「まだこの砦には800人しか守備においていけないので万が一盗賊と同時期に魔法国が攻めてきたらこの砦が落とされてしまうかもしれないです。」
「魔法国が攻めて来ないと思ってるから王も援軍を出さないのでしょう?」
「いえ、街道の岩が崩落して兵が移動してくるのに時間がかかっているようです。」
「まずいね・・・・。その街道って他国にはあまり知られてない?」
「はい、この街道は商人が多く使うような道ではありません。基本、兵の移動のときに大きく使うだけです。商人達は少し移動したところのもう1つの街道を使っています。ですからこの街道を使って兵を移動させるとどうわかったのでしょう?」
アメリア様だ。王にはもう救援がほしいと送っているってことは王宮でもどう兵を移動させるか話し合いがありそれを聞かれて魔族当たりに街道を通せなくしたのだろう。
俺が甘かった。前回のことで懲りてくれると。本気でそう思ってた。でも奪いに来るなら奪いに行くしかない。
「我々だけでどうするか判断しなければならないということです。」
「、、、、国境警備兵1000人の中から200人置いてって盗賊に勝てると思う?」
「無理とは言いませんが予想外のことが起きた場合にかなり被害が大きくなるかと。」
「だろうね、だけどこっちにはオリビアと姉様の二人がいるから予想外のことでも対応できると思う。」
「では、200人を置いていって1000人の守備兵にして800人で盗賊を討伐しにいくと?」
「それしかないだろうね、盗賊達の中におそらく魔法国の兵士がいるから砦を突破もしくは被害を与えることが目的だろうから守備兵を多くしておかないと。」
「では早速準備に取り掛かります。」
「うん、よろしく。盗賊の場所はわかってるんだよね?」
「はい、あ、あと1つあくまで噂話なんですが8歳になってもいない子供たちがスキルを使って兵士たちを殺していると。子供たちが盗賊たちに従っているのだとしたら800人を超えてしまいます。」
「それが予想外の事態ってことね。あくまで噂話らしいけどホントだと思って警戒しておいて。備えはどんだけあってもいいから。じゃあ3日後に。」
アレクは砦の廊下を歩いていって少し高級そうな部屋に入る。
「アレク様申し訳ございません。」
オリビアが言ってくる。
「仕方ないよ、砦近くの村の救援に行ってたんでしょ。姉様に連れられて。」
姉様は本当に自分勝手だ。
「はい、、」
「まあそれはいいから、3日後に盗賊を討伐しにいくことが決まった。だから準備しておいて。」
「3日後ですか、いきなりですね。まだこの砦に来て一週間ですよ。」
「後で姉様にも伝えておいて。」
「アレク様が伝えないのですか?」
「今、盗賊達というか魔法国の人たちが何がしたいのかわからなくてね、考えたい。」
・・・頭をフル回転させる。
簡単に考えれば魔法国が攻めてくるとか?・・・ない。勇者は中立ではあるが自分の国の王都が攻められたら戦うとおじいちゃん師匠が言っていた。
じゃあこの南部を奪うのか?・・・これもない。ここらへん一帯は農業がかなり発達しているが森も多くてそこまでほしいとは思えない。魔法国は農業にも最低限力を入れているから不作になっていても食糧危機なんてことはない。
では何をしに来るのか。
・・・1つだけあった。狙いはまたルシアとその父様のルークだろう。
客観的な俺が勇者を奪う、1番の方法は脅し、脅迫。
ルシアを人質にとってルーク様を魔法国側に入れる。
もし人質があっても勇者が戦ってきても魔族のせいにして魔法国に害はない。
魔法国が国境を越えてこの砦を攻め落としてしまったらこの帝国の目は必然と魔法国に向く。ここに来る盗賊たちや魔法国の兵士は注目を集めるのが役割だ。
だからこそその裏に隠れる魔族を見ることができなくなる。もちろん前の襲撃で護衛が増やされてはいる。
だがどこまで意味があるかは懐疑的だ。
今オレにできるのは1つで絶対にここを魔法国に奪われないことだ。
今の俺はルシアを守ることは出来ない。だからこれしかないだろう。
、、そういえば8歳になっていない子供たちがスキルを使うとあくまで噂だが言われた。これはおそらく事実だろう。あまりに噂がありえなさすぎる、噂ならもう少し人が信じやすいように嘘で誇張されるはずだ。
この世界の人達は8歳になるまでスキルは使えないそれが常識だ。だから8歳未満の子供が盗賊に従っていると8歳以下でスキルを使った、というあまり現実的でないまるで完全な嘘のように思ってしまう。だが噂には必ず少しの根拠があるはずだ。
煙のないところに火は立たない
というのと同じで。だからおそらく最低でも8歳未満の子供が盗賊に従っているのは確実でスキルを使ったというのも可能性として残しておくべきだ。
これで謎は解けた、あとは準備するだけだ。




