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始まりの王へと至る道  作者: 社不帝
魔法国の陰謀編
35/83

魔法国の盗賊3

ランドルス帝国の南方にある砦の遥か20キロメートルほど離れた山の中に盗賊たちはいた。

その中にあるテントの1つでの会話だ。


「頭、こんなに人数増やしちまって大丈夫なんですかい?」

見るからに盗賊だとわかるような悪人面の男が言う。


「分かってるさ、このまま盗賊400人も統率できるわけない。だからこそ帝国の国境警備隊の奴らが討伐しに来るのを待ってんだよ。」

盗賊と言うには少し小綺麗だと言うわざるを得ない身なりの男が言う。


「討伐に何てきやすかね?待ってりゃこの盗賊団も解散しちまって各個撃破できるくらい少ない人数に別れちまうのに。」

「来ないだろうな。」

「まずいじゃねーですかい。」


「だから、手を打った。400人いる盗賊共を50人ずつに分けて帝国の辺境の村を襲うグループと商人共を潰すグループと人攫いをするグループに分けた。ここまですりゃ人数が足らなかったとしても討伐しに来ざるを得ないだろうしな。まあ余った奴らは、あのガキどもともう1つの目的のために残してるんだよ。」


「手を打ったって聞いて安心しやした。ガキ共は結局なんのためにおいてるんですかい?偶に夜中いなくなってるようだけど、」


「お前が知る必要はない。」

「へいへい。あっしのいいところは物事に深入りしすぎないところでやんすからね、じゃ失礼しやすね。」

見るからに盗賊風な男はテントを出て行く。


「ちっ盗賊共と一緒にいるとストレスがたまるな。」

この男は元々魔法国の兵士であった、今は特別任務を現在受けているのだ。


最初に小さい盗賊団に入り、頭を討ち取って数十人規模の盗賊団を乗っ取る。その後に何個もの盗賊団を魔法国の正式な武器など手に入れさせた乗っ取った盗賊団で蹴散らし人数をどんどん膨らましてそれを南方砦の兵とぶつけるというのがこの男のというか魔法国の特別任務である。


「あんなガキ共でもこの時代じゃ立派な戦いの道具だ。」

男の視線の先にいるのはまだアレクと同じか少し下くらいの年齢の子供達であった。






さっきの男とはまた違うテントいやテントと呼ぶにはお粗末ではあるがテントと呼ばしてもらう。その中では子どもたちが数人集まっていた。


その子供の中にはひときわ目立つ、美形の多いエルフの中でも更に美形な顔をしていて、エルフではまずらしく耳があまり尖っていない肩くらいまで髪を伸ばした緑髪の少女がリーダーのようで皆の意見をまとめていた。



「私達は絶対に一人も死なないために協力するそれだけ。」

「ほんとにそう思ってる?」

緑髪の少女の隣に座っているエルフの少女が言う。

「思ってない、この状況で全員生還なんて。でも少しでもミスったら本当に私達全員死ぬ。それだけはわかる。」


「だよな、俺たちはこんなことしてるけどまだ6歳なんだから。」

緑髪の少女の隣に座っているエルフの男の子が言う。

「6歳なんて私達には関係ない、帝国の兵士だって数人もう殺しちゃった。」

「どうやったら私達生きていけると思うの?」


「俺は普通に帝国の兵士に助けを求めるべきだと思うけどな」

「そうするにはまだ私達が帝国の兵士を一人も殺してない状態で言うべきだった。もう遅い。」

「そう言うけどよ、盗賊の中に隠れてる魔法国の兵士に殺せって言われたら殺すしかないだろう。」

「だよね」


「でも私達の姿は広まりやすい。今頃砦じゃ子供たちがスキルを使って兵士を殺してるって広まってる。」

「俺たち20人が生き残る方法はないのかよ。」

「ある。1つだけ。」


「そんな方法あるのかよ!あるなら先に言えよ。」

「そんな方法あるの?」緑髪の少女以外の2人がシンクロして言う。


「帝国の国境警備隊の隊長もしくはそれ以上の地位を持っているエルフに会って保護してもらう。」

「どうして隊長だったらいいんだよ?さっき帝国の兵士に助けを求めても意味ないって言ったじゃんかよ。」


「意味ないっていうのは兵士達だと自分が殺されるかもしれないと思って私達を殺しにくるから。しかも保護されても殺された兵士の遺族達が許さないって言ってきたら所詮他国の子供の私達は後ろ盾がなきゃ処刑されちゃう。」


「なるほど、隊長さんに私達の命を守ってもらうんだね。」


「しかもうちの国の盗賊に扮した兵士達もボコれるくらい強いやつじゃないと無理ってことだろ。そんなやついないって。」


「希望はまだ少しある。国境警備隊の隊長以上で私達の後ろ盾になってくれるような人格の人でさらに魔法国兵士よりずっと強い人だったら私達は生きていけるかもっていう希望。」


「かなり厳しいってことだろ。まあもうちょっと経てば分かるだろ、俺たちの運が。俺はもう寝る。」

「私も。」


「じゃ、おやすみ」

「エリナちゃん、おやすみー」


「うん、お休み。」


金髪の少女エリナは覚悟していた。あと数日で自分の運命が終わってしまうことを。

8歳にしては頭良すぎって思うかもしれませんがなぜ頭がいいかは次の話で分かるはずです。

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