魔族3
やられた。スキルを警戒していたのにアレク様とルシア様をワープさせられてしまった。私の落ち度だ。
アレク様!!アレク様!!
「エヴァさん大丈夫ですか?」
「私は大丈夫なんですが皇子様とルシア様が、、」
「今すぐ助けに行きますよ!!」
すぐに向かおうとするが魔族2人が立ち塞がる。
「2人で止められると思っているのですか?」
魔族は全員がオリジナルスキルを持っているが魔力がまったくないという欠点がある。だからこそ身体能力では魔力が少ないとはいえ身体強化できる私と魔族ではレベルが違う、そして私はオリジナルスキルを持っている。スキルの上では互角。なら決めるのは身体能力と実力。
「おお、、さすがの殺気ですね。2人では荷が重いので援軍を用意させてもらいました。」
木の陰から10人ほどが出てくる。
確証はないが明らかに目の前の魔族と今出てきたかな10人は力の差が違う。ということは
「魔族じゃないな?」
「はい、彼らは人間ですよ。私達と利害が一致したね。」
「人間10人ごとき怖くない。」
オリビアは腰から愛剣であるシヴァリオを抜く。真っ赤な刀身で刃渡り70センチと少し短めではあるがオリビアには最も適している刀だ。
1人の人間に狙いを定め一気に距離を詰め首を跳ねようとするが
「体が思うように動かない。なぜだ!!」
「簡単なことですよ。あなた相手じゃ並の人間などゴミに等しい。ですがデバフ系スキルを重複させれば私達2人でも止められますよ!!」
まずい、ワープの能力がここまで厄介だとは。自分やもう一人の魔族をワープさせてどの方向からも攻撃してくる。私が人間を狙えばちょうどいいタイミングで邪魔してくるし人間は人間で弱いデバフとはいえ何個もかけられれば私とて動きは悪くなる。
「エヴァさん抜けられますか?」
「人間5人相手でもいっぱいいっぱいです!!」
普通人間5人相手に戦える時点で流石、光爵家だがオリビアに比べれば数段劣ってしまう。
「他所見していて私がスキルを使ったら死にますよ。ヴィルム一気にいきますよ。」
「体が重い!!、重力か!!スキルを使うしかない!!」
スキル剣聖!!!!!
「やはりまだスキルを使っていませんでしたか。、、っく。」
いくらヴィルムのワープスキルがあるとはいえ本気の私の攻撃を受け止められるわけがない。
ヴィルムはワープを使い持っていた短剣やナイフを投げたり一気に剣で斬り掛かったりするもののオリビアにすべて弾かれる。
「スキルを使った私についてこれるわけがないでしょう!!」
「ならば!!!ヴィルム飛ばしなさい!!!」
「は!!!」
ヴィルムという魔族が私の背後に現れ体を触れられる。
「触るな!!!触っていいのはアレク様だけだ!!」
さっき見たアレク様が吸い込まれた黒い穴に自分も吸い込まれ上空に投げ出される。
「いくらあなたでもその高さからその重力で落ちたら死にますよね!!」
「オリビア様!!」
エヴァさんが心配してくれるがかなりまずい。
この高さから落ちたら死ぬし、魔法で落下スピードを落とそうにも魔法が使えない。
着地できても重症じゃアレク様達を助けに行けない。
アレク様!!弱い私を許してください。
「オリビア様!!私のスキルを使います!!」
スキルの能力内容は大きく分けて2つ。オリビアのような常時スキル型は常に発動し使うことができる。ヴィルムのような特殊能力系は1回1回に多少のインターバルがいる。
そしてエヴァのスキルはある一定範囲内にいる特定した限定の他人のダメージを肩代わりできる能力だ。
スキル藁人形!!とエヴァは心のなかで言う。
ドシャっと大きなものが落ちるような音がしてエヴァが潰れる。
「エヴァさん、あなたの命は無駄にしません!!!!!!」
アレク様、私が弱いばかりに人が死んでしまいました。ルシア様は悲しむでしょう。申し訳ない気持ちと後悔が心を満たす。
着地と同時にスキルのインターバルを必要としていてワープできないヴィルムの首を切る。
「よくも、ヴィルムをーー!!!!」
「私こそよくもエヴァさんをーーーー!!!」
一気に畳み掛ける。時間はない、少し離れたところで戦っていたエヴァさんと闘っていた5人はもう2人まで減っている。
「うああーーーーーーー!!!!!!」
雄叫びを上げ、ディランを斬っていく。私の剣はディランを確実に捉えているもののあと一歩が届かない。
それでも1つ2つと確実に傷が増えていく。
「く、、、、ヴィルムがいないと流石にきついですね。」
とオリビアから距離をとろうと後退したディランだったが小石に足を取られ一瞬だけ体制が崩れる。
そしてディランが小石に足を取られたことに気づかないオリビアではない。
「これで終わり!!!」
剣を上段に構え最速の技を出す。龍堂!!
「ならば!!相打ち狙いですよ!!」
オリビアはディランの体を真っ二つに斬るがオリビアも脇腹を少し斬られてしまった。
「、、、、、、っく。。」
アレク達を助けに行くオリビアはまだ時間がかかりそうだ。
「申し訳ございません。アレク様」




