魔族2
戦いって感じに入っていきます。
すぐに戦う相手は決まる。強そうなヴァインの方にルシアが俺がまだヴァインよりは弱そうなヴィルクと対峙する。
ここでおそらくルシアと共闘しての2対2は相手が兄弟と言ってたことからすぐに却下しせめてルシアに邪魔にはならないようにとルシアと距離を取る。
目の前のヴィルクは腰に手を伸ばし一本の長剣を手に持つ。見た感じでは普通の人間やエルフが使う剣と変わらないように見える。ヴィルクは俺に顔を見られたくないのかフードを深く被っていて表情が読み取りにくい。
互いにジリジリと地に足を着きながら距離を詰めていく。俺は腰の護身用の剣に手を掛けながら動く。
2,3メートルほどの距離になり互いにどう攻めるか思考する。10秒ほど経ったところで一気にヴィルクが距離を詰めてきて剣を上段から振り下ろしてくる。それを俺は腰から剣を抜き抜刀術のような感じでヴィルクの剣にぶつける。
ガギィーン
剣と剣のぶつかる音がする。
一瞬しかぶつかっていないのに流石魔族といったところか気を抜けばすぐに力で押し切られる。
すぐに俺は中段に構え、ヴィルクは上段に構えてヴィルクの剣を俺が受けるというかたちになる。
ガギィンとまた剣がぶつかる。
「ふううううーーーー。」
と身体の無駄な力を抜き俺の剣を横に少しずつずらしヴィルクの剣はそのまま何もいないところに振り下ろされる。
「ほう、力を横に流すか。ガキのくせにやるな。」
「大人しくやるられるわけ無いだろ!!!」
「大人しくやられたほうが楽なのになあー。」
と大きく振りかぶって剣を振るってくる。チャンスだと思って懐に入ろうとするがヴィルクの剣の速度はオリビアには及ばないもののさっきよりも1,5倍くらい速い。
避けるのは無理だと判断し剣を体の前で構え受けの姿勢を作るもこれでは防ぎきれないと客観的な俺が言ってくる。だからこそ身体強化をする。
この世界での身体強化は魔法の一種と言うわけではなく魔力を全身に流し魔力をより濃くすると身体能力も上がるというのがこの世界での身体能力だ。
ガンっと強い衝撃を受け少し後方に下がるも体に損傷はない。
「ガキで俺のいまのを防ぐなんてできるわけがねー。身体強化か、やるなお前。」
「身体強化しても何で後方に飛ばされるんだよ!!我は使徒、力を、サンダーアロー」
剣術では押されてしまうなら魔法で対抗するとサンダーアローを撃つ。
「魔法で来るか、だが」
俺の撃った魔法は剣で斬られる。
「なに、、剣で魔法は斬れないはずだぞ!!」
「ガキごときの尺度で測るな。魔法も剣で斬れんだよ。」と剣をかかげる。
「お前ら魔族には魔力が無いんだから魔法に対抗する手段はないはず!!」
「まあ、、そうだな。魔族もお前らエルフや人間の技術を真似することもあるってわけよ。東の極地に魔力の一切ないなんかの種族が魔法を斬ってるってのを聞いて技術を盗んできてやったわけよ。」
世界は広いとはこのことだろう。300年以上も生きているおじいちゃん師匠でも知らないことがあるとは。俺も魔法を剣で斬ってみたい。
そんなことは後回しで1つ聞いておかないといけないことがある。
「どうして俺たちを狙う??」
「俺たちじゃあねえよ。ルシアって7代目勇者を殺るために来たんだよ。お前もわかってるくせに聞いてくるのは性格が悪いぜ。いや時間稼ぎもしくはなんか突破口を探してんのか?まあ探すがいいぜ、そんなものねえからな。」
分かってはいた。
ルシア、いや勇者を殺すなら子供の時だろう。子供を産めば親、先代勇者は多少力が落ちる。今なら襲撃に失敗して居場所がバレても勇者は魔族を倒しに行けないし成功すれば魔王は自動的に世界を取れるってわけだ。
「だがなぜ今なんだ?今まで機会はたくさんあっただろ?」
「簡単なことさ。父親と子供を一気に殺る機会がなかった。子供はスキルをまだ持たない時期が一番殺りやすい。だが父親が生きててまた子供を作られたら意味がねえ。だから一緒に殺るには今だったってことだ。」
一瞬ヴィルクから目を外し、ルシアの方を見る。流石7代目勇者というべきか。魔族相手に互角だ。
「おいおい、他所見してる場合かよ!!」
ヴィルクは中段から横に剣を振り俺はそれをとっさに剣で受けるがさっきよりもさらに威力が上がっている。スピードは変わらないが重さはさっきよりも重い。
「んーー!!重い」
凄まじい威力だ。かなり押し込まれる。このままでは耐えられないと力を逃がすため後方にジャンプする。
このまま仕切り直しか?と思ったが
「そろそろスキルを使うかねえ!!」
どうやらヴィルクは本気を出すらしい。




