勇者の剣7
「ねえ、アレクはどんなスキルがほしい?」
最近は俺とオリビアの素振りを一緒にルシアもやったりしている。やはりというかわかっていたことなのだがルシアの素振りは早い。どれくらい早いかと聞かれると答えにくいがオリビアの素振りは振ったかどうかわからないくらい早く、ルシアの素振りは見えはするもののしっかり意識して見ていなければ振っているのか気づかないかもしれないくらいだ。ちなみに俺はしっかりといつでも見えるくらいの剣のスピードだ。
「欲しいスキルだったらやっぱりオリジナルスキルがいいよねー。オリジナルスキルで弱い能力って聞いたことないからオリジナルだった時点で人生約束されたもんだし。」
「ドキドキする?」
「まあね。これでノーマルスキルとかだったらがっかりするけど仕方ないと思うしかないしね。」
「アレク様、大丈夫です。アレク様のほどの人がノーマルだなんてありえません。それにノーマルだったのだとしたらこの世界が間違っているという証明です。」
ノーマルスキルをもらって失意のアレク様と同居生活。たしかに悪くないけどアレク様の王になりたいという夢を否定することはできないわ。
「オリビアは随分僕がいいスキルをもらうって思っているんだね。」
「当然です。」
ルシアと近くで昼ごはんの支度をしていたエヴァは苦笑している。オリビアの俺への忖度は相変わらず凄まじいな。ちょっと恥ずかしい。
「オリビアはもらったときどうだった?」
「そうですね。親から変に期待なんかもされていなかったのでそこまで緊張もせずって感じですかね。」
オリビアは8歳のときに剣聖というオリジナルスキルをもらっていて当時はこの国でも小さな騒ぎになったくらいだ。なぜ騒ぎのなったかといえばオリジナルスキルを授かったのがオリビアで10年ぶりだったのだ。つまり10年間1人もこの国でオリジナルスキルを手に入れていなかったということ。
ちなみに剣聖ってスキルは剣の扱いと身体強化上昇の2つで剣の扱いは普通の状態の8割増しくらいで強くなってるし、身体強化上昇は動体視力や体自体のつかいかたもうまくなっているらしい。なぜ、らしいかは通常状態でも前世の人を大きく超えすぎているからだ。
「うーん、俺はオリジナルスキルだったら魔剣士とかだとちょうどいいんだけどね。」
魔剣士であれば今練習頑張っている、剣も魔法も力を底上げできるしただ器用貧乏にならないかどうかだけは心配だ。
「アレクは魔法と剣、両方得意だもんね。」
「自分と合わないスキルだったりするともったいないいですからね。剣士なのに魔術師のスキルとか。」
そう。珍しい例なのだが剣を一生懸命頑張ってきたのにスキルでは正反対の魔法に関係するスキルだったりもするのだ。逆もあり得るが。
「そういえばスキルって言えばもらった1年後から学園でしょ?。」
この世界ではスキルをもらうと半人前というかその年からは仕事につくこともできるし学校に行くことももちろんある。
「アレクはどこの学校に行くの?」
「学園国家ってとこだよ」
「そうなんだ。私はこの国の学校だから会えなくなっちゃうね。」
すごく残念そうにする。
「もう会えないってわけじゃないし1つ約束するよ。」
「約束?」
「約束っていうか俺の目標だね。次ルシアに会ったときにはルシア相手でも互角に戦うって!!」
「それはかなり難しいことですよアレク様」
これは冗談でもなんでもない。おそらく私はこの子がスキルを得たら正直かなり本気を出さないと勝てないと思うほどに強い。
「目標は高くないと。それにそれくらい強くないと俺の将来の予定が狂っちゃうしね。」
そう言うとルシアが真っ赤な顔して走り去って行く。
それを追いかけエヴァも走り去って行ってしまった。
「どうしたんだろうね?」
おそらく私の予想ではアレク様のその将来の予定というのをルシア様は自分とずっと一緒にいるために強くなりたいと勘違いをされているのだよ思う。アレク様のこの言葉にはおそらく裏もなくただ単純に強くなってなにかしたいことがあるのだろう。そこにルシア様は関係ない。
話を変えるために
「アレク様は学校に行くの楽しみですか?」
「ん?そうだな。あんまり楽しみではないかな。」
前世のこともあるしこの世界では学校という場は一種のアピールする場だ。いかに自分が優れているか卒業式の最期に渡される成績で大きく人生が変わるしだからこそ不正が絶えない。
「やはり不正のことですか?」
「うん。俺が行くのは何カ国かで建てられた学校だからそれだけ実力者も多いだろうけど家の力を使おうとするやつも多いはずだ。」
「ですがアレク様の行く学園国家は不正が一切ないと言うのを宣伝していますが、、」
「不正が一切ないってのはかなり難しいとは思うんだけどそれとも本当にそれをする方法があるのか?」
「学園国家の内情は一切口外禁止でどのようなことがあるのかも一切わからないですからね。」
「目指すは1番だし姉様との約束もあるから頑張っては見るよ。」
「、、ですがアレク様。私が一番気にしているのはアレク様の浮気ですよ。」
「浮気なんてしないよ」
「ですが学園国家にはメイドがついていけない。私は心配で夜も眠れません。」
「じゃあ約束。若気の至りで女の子に手を出さない。これでいいでしょ?」
「なんか適当です」
こんな日常的な会話をできるのもあとちょっとだとアレク達は知らない。




