転生
初めてなので誤字脱字が多いですがご了承ください。
神は焦っていた。
「まずいのう、このままではわしの星フィルスが魔王に支配されてしまうわ。」
この空間はどこまでも無、、、、であり周りを見回しても何もない。そこにぽつんと立っているおじいさんがいた。
見た感じは普通のおじいさんと変わらない。違うのはオーラのようなものだろうか。
なぜ神のような全知全能の存在が焦っているかそれはただ単純に自分が育ててきた星が支配されるのが面白くなかったからだ。しかし神はあまり干渉するのを良しとはしない。だからこそ目をつけたのは転生であった。
「パン」とおじいさんが手を叩くと今までいなかった少年が現れた。
その少年はおじいさんと一緒でオーラというようなものをまとっており銀髪の優しそうな少年であった。
「なんだい?」
「急な呼び出しで申し訳ない。急いでおってな。」
「ふーーん。まあいいや急ぎなんでしょ?はやくー」
「あ、、ああ」
「地球の神よ、悪いんじゃが優秀な人間を1人ほしいのじゃが、くれんかの?」
「まあ一人地球にいてもったい者がおる其奴をやろう」
急に少年は真顔で今までの優しそうな雰囲気はどこへいったのかと思うほどの威厳たっぷりでいった。
「感謝する」
あっさりとしたものだったがそれは当たり前だった。
地球という星は他の星とは格が違うほどに技術が進んでおり干渉を一切しなくとも成長している、簡単に言えばもうすでに完成された星だということだ。
だからこそ1人くらい優秀な人がいなくなってもあまり関係ないということだ。
傍から見ればおじいさん相手にタメ口の少年は許されないが神に年齢などなくただこの姿が好きというだけの普通のものだ。
「やるのはいいがうまく使えるのか?」
「正直どうなるかわからん。」
「はああーー、お前の星はスキルなんてめんどくさいものを作るからこんなことに何だよ。」
「否定はできんな」
「」
静寂が流れる。
このおじいさんの星が発展しない理由は簡単だった。スキルの存在だ。
地球とこのおじいさんの星の違いをあげよう。
地球にはもちろんスキルはない。だからこそ人間はよりうまく人を殺せるようにと技術も進歩していく。
剣での戦いもそうだ。ヨーロッパの国々のように剣で人を斬るというよりかは潰すといった性能の剣があれば日本の刀のように斬るといったことに特化したものもある。
要するにどのように工夫したら相手に勝てるのだろうかということを忘れこの世界の人々はスキルに完全に頼ってしまっているのだ。
「ま、、僕には関係ないしこの子には頑張ってもらうしかないね。」優しそうな少年の顔に戻っていた。
「どのようなものなのじゃ?」
「王様になりたいんだって」
「ほう?」
「だから彼にチャンスをあげようと思って」
「では王族に転生させることにしよう」
「それがいいよ。じゃあとはがんばってねー。」
おじいさんは深く考え込む。この男で世界は変えられるのかと。だがどれだけ考えても答えは出ない。だからこそもうどうにでもなれという気持ちで転生させることを決意する。
神が考えたこの男の死因はトラックによる事故。凛の友達と同じであった。それはもしかしたら因果なのかもしれない。
だが、地球のような比較的安全な星の者が魔王に対抗できるか心配だった。
そこで神は転生者に王族への転生、剣術、魔法ともに努力すればするほど実力が伸びていくというスキルとも違う加護のようなものを与えた。だがそれはいわゆるチートのようなものではなく本当に少し成長が早くなるようなものであった。
だからこそ不安ではある。この転生に意味があるのかと。
だがやはり考えても答えは出ず転生させてしまえと転生させた。
「どうなるか、少し期待しておる」
だがまだ神は知らない。
凜の実力と努力、そしてこの星への影響を。