血、努力、才能を持った奇才
最初の方は肉付けを編集でして人物像を細かくしていきたいと思うので物語がかなり変わる可能性があるのでご了承ください。
この物語は日暮凛あるいはアレクサンダー・ホワイト・ランドルスの話である。
(何故かいつからかは分からない、だが私は王というものに憧れていた。小さい頃は漠然と思っていただけだった。しかし小学校の頃になればそれは夢から決意に変わった。その頃は王を夢みて世界の戦争の戦術であったり内政をどう行ったのか熱心に調べた)
(しかし現実は甘くない。日本に王などいないし世界の国を探しても王などほとんどいない。少年は小学校高学年になりどう頑張っても夢そして決意は叶わないと知った。そして日本では官僚と呼ばれる夢に一番近い職業へと就いた。)
「今日も疲れたー。」(俺は26歳官僚エリートである。)
(自分で言うと恥かしいし自称がつくが。
そして残念ながら独身、我ながら何故っと思っています、現在進行系で。金もありそこそこクールな顔まあちょっと悪そうな人の顔をしているけど。正直最近は小さい頃に夢見た王というものを恥ずかしいと思っている。夢が終わったのは案外早かった。いや、はっきりと終わったのは自分が何もできなかったからだろう。)
高校生向けの番組であなたの夢はなんですかと答えるものがあった。周りは当然のように医者や弁護士、なれれば人生が変わるようなそして現実的にも頑張ればなれるものの中、「王様になりたいです。」などと言ったら見ている視聴者みんなが吹き出し笑いするだろう。この民主主義の国でどうなれるというのか見る人が見れば精神科医にでも連れて行かれる。
高校生の頃こんな事があった。
その頃の俺は陰キャさらに中二病というある種の病に侵されていた。
ある日の食堂でのことだ。その日はやけに人が並んでいて長い列ができていた。そしてその列に明らかに割り込んだ人たちがいた。ある男の子が勇気を振り絞って文句を言った。
そいつは高校ではよく話すいい友達だった。だが、相手の先輩たちはこの進学校では珍しい金持ちヤンキー天才みたいな感じだった。自分で言っても何だその混ぜちゃいけないような言葉はと思う。あとから聞いた話では放課後ずっと殴られ裸で校門に貼り付けられたという。
俺は安心した。自分ではなかったことに。そして思う、いま一瞬自分は友達に向かってどんな思いを抱いてしまったのか、そんな自分に戦慄する。その時の友達の画像を取ったヤンキーたちは画像は学校中にばらまき一時は学校中全員が知ることになった。
きっとそいつらは面白半分で配ったのだろうが当事者でもない自分ですらも想像できるほどの友達の苦痛である。友達は1ヶ月後くらいに不登校へとなった。でも、無責任な俺は最低でも、1年もすればヤンキーも卒業して友達も家から出てくるだろうと簡単に思っていた。しかし現実は違った。友達の親が何度も学校へ来てヤンキーたちを学校から退学させてより友達が来やすいようにしていた。俺も友達の家へ行って慰めたりもした。でも友達のが家から出ることはなかった。でも今思えば友達の心の傷がそんな簡単に治るわけないのに。
だからこそ諦めたのだ。結局夢だけはでかくて友達1人救えないものが王なんてなれないと。でも夢を諦めきれなくて官僚になりもちろん親は喜んでくれた。だが同時に自分の中で変えちゃならないものだったと思った。それから逃げるように子供の頃にはまっていた歴史上の人物の伝記や小説を読んでいた。
しかしそれで日本が良くなったり社会が良くなったかと問われれば否と答える。
「プルルルル」電話の着信音がして出ると、高校の友達が死んだと聞かされた。トラックに引かれたそうだ。そして今までやってきたことは何だったんだろうと思う。
(聞けば高校生を助けるために何年も走っていない足で、高校生時代にいいことなんてなかったのに。最後まで友達は正義感かわからないけどかっこよかった。)
「お葬式に参加します。」最後の弔いだと思った。だけど参加することはできなかった。いやお葬式に参列する側でなく慰霊として。
だが今日が凜の転機、ターニングポイントとなった。