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魔法の修行始めました

母 ルーインスの葬儀が厳かに行われ悲しみに暮れていると、父上からの計らいで専属の家庭教師をつけてもらった。

本来、王族専属の家庭教師は10歳の誕生日に子の適性を十分に見極めて配属される。

(何かに集中することで気を紛らわさせろということか。王様なのに優しいな)

僕には魔法の適性があるとのことで、S級冒険者のリンさんが付けられた。

僕の魔法使いのイメージを具現化したような格好でどこか憧れを覚える。

わかりやすくいうとハ○ーポッターのマクゴ○ガル先生の格好に大きな杖を携えた感じである。

前世には無かった魔法が使えることを知り自然と興味が湧く。


「リン先生、これから宜しくお願いします。わからないことだらけの為、質問ばかりかもしれませんがご教授ください。」


8歳児らしからぬ、言葉遣いにリン先生が戸惑っているのが分かった。

(もう少し子供っぽく尋ねるべきだっただろうか?いや、、師に対しては敬意払うべきだよ…な?)


「そこらの大人以上に丁寧な言葉。まるで子供っぽくない。そこまで真剣に取り組んでくれるならこちらも教え甲斐がある。よろしく。」


好印象であり、ホッとした。

初対面の人にはもう少し子供っぽくしないと気味悪がられそうだと心の中にメモをする。

「まずは私がどれだけ凄い人なのかを説明する。私のような天才魔法士に魔法を学べば立派な魔法士になれる。」

ふふんっと豊満な双丘を張りながら、これでもかとドヤ顔をしており自然と笑みがこぼれる。


冒険者と魔法の属性について教えてくれた。


まず冒険者とは各地に支部が存在し、冒険者クラスはF級〜SS級まで存在している。

トップであるSS級に関しては数千年に1人任命される程の逸材であり、ここ数百年はいないそうなので実質最高位冒険者はS級である。

S級1人で最高位種族であるドラゴンに対抗しうるとのことでリン先生の凄さが分かる。

それにこの世界にドラゴンがいることを知り密かに心躍る。

ドラゴンの肉が旨いというのは常識なので是非とも食してみたいものだ。


魔法の属性とは四元素である、火・水・風・土と特殊属性の光・闇、更に希少属性の空間があり全七属性あるらしい。

魔法士の多くは2つの属性を使え、4属性に適性があると大魔導士クラスだそうだ。

リン先生は更に上の四元素に加え特殊属性の闇が得意なようで5属性の魔法が使え賢者だと言われている。


また、個々人で属性に得手不得手があるそうで第一位階魔法〜第十位階魔法まである内のどこまで使える様になるかは属性毎に異なるのが一般的らしい。

ちなみにリン先生は得意属性の闇は第十位階魔法まで使えることを公言しており、闇属性魔法に関して右に出る者はいないとのことだ。


「早速ハーラルの魔法適性を確認しよう。魔法適性を調べるのはとても簡単。この特別な紙に魔力を込めると適性があるか分かる。」


リン先生が7色の紙を取り出す。

試しにと、リン先生が黒色の紙に魔力を込めると紙がボロボロと崩れる。

適性がある場合は、紙に何らかの影響が出るようだ。

しかし、ここで重大な問題にぶつかる。


「リン先生、僕まだ魔力を感知していないので魔力を込めることができないのですが、、、」


「問題ない。私がハーラルに魔力を流し込むから、魔力が流れる感覚を掴むといい。」


両手を握られ、リン先生が魔力を僕に流し込む。

すると身体がポカポカしだし、魔力の流れを知覚できた。

「魔力の流れを掴めたので、魔力適性の確認をお願いします。」


魔力適性の確認を行うと、火・水・土・光・闇・空間の6属性の適性があることが分かった。

四元素全ての属性は無かったが、特殊及び希少属性に適性があったことに笑みが溢れる。

ふとリン先生の顔を見ると驚愕の表情を浮かべ、ブツブツと独り言が漏れている。


「6属性に適性があるなんて、大賢者クラス。伸び具合によってはSS級も目指せる、、?王族はみんな適性属性が多いの?」


このまま自分の世界に没頭しそうであったので、こちらの世界に戻ってくるよう声をかける。


「リン先生!適性もわかったので、魔法を使う修行がしたいです!!」


「おっと、ごめんね。魔法の使い方はとっても簡単。魔法はイメージを具現化したものなの。一般的にはイメージの補助として詠唱することで、使うことができる。イメージがはっきりできれば無詠唱で魔法が使えるようになるの。まずは火属性第一位階魔法の灯火|トーチからやってみる。」


リン先生の詠唱が始まり、魔力の流れを目に意識させるとリン先生の指先に魔力が少し収束しているのがわかった。


「万物の根源たる業火よ、迷い人を照らす道となれ。灯火|トーチ」


詠唱が終わるとリン先生の指先にロウソク程度の大きさの火が現れる。


「灯火|トーチの魔法は簡単だから、初めてのハーラルでも1日練習すれば使えるよう…」


リン先生が話している最中だが、ロウソクを思い浮かべながら指先に魔力を集める。

すると指先にボッと炎が現れる。

しかし魔力を込めすぎたのか火の大きさが先程のリン先生のよりずっと大きい。

少しすると形容し難い脱力感が襲い、頭痛がしてくる。


「初めての魔法で無詠唱、、やはり魔法の才能がある。でも魔力量は一般的なレベルだからまずは魔力量を鍛えた方がいい。」


リン先生は優しく僕を抱きかかえ、ベンチに横にしてくれる。

魔力量の増やし方と今後の修行について教えてくれた。


まず、魔力量を増やすには1度体内にある魔力を出し尽くすことで容量が少しずつ増えていくようだ。

出し尽くした後は大気中に存在する魔力の基である魔素を身体が吸収することで自然回復するとのことだ。

この方法で魔力量が激的に増えていくのは12歳までであり、それ以降は非常に緩やか又は増えることが無いらしい。

そのため12歳までの4年間は魔力量を限界まで鍛えるのが第一目標で差し支えないだろうとのことだ。

魔力を使い切ったからなのか睡魔に勝てず寝てしまう。


こうして修行1日目は終了した。

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