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第五王子に転生したみたい

これは僕が見知らぬ世界へ行き、自由気ままに暮らしていく物語


僕は平凡な社会人の小林 弘樹(こばやし ひろき)23歳。

高校を卒業して直ぐに上京し、就職できたは良いが所謂ブラック企業だった。

特に課長からのパワハラが強く、帰宅は深夜が当たり前。酷いときは職場で泊まり込みが発生する。

恋人は居ないため、休日は趣味の動画投稿サイト Yotubeで雑学やクイズチャンネルを見るのが日課であった。

朝起きて会社に行き帰って寝る、これが僕のルーティンである。


今日は特別な日である。

初めて課長から大きなプロジェクトを任され、顧客へとプレゼンする日であった。

課長とプレゼンを十分に擦り合わせ、万全を期してプレゼンを行う。しかし課長と顧客の反応があまり良くない。

すると課長が資料を投げ捨て怒号が飛ぶ。

「小林!!何なんだこの資料は!出来が甘いにも程がある!お前とは別で資料を作ってきて正解だったよ。お客様、どうぞこちらをご覧ください。」

言われて気付いた。僕はこれを披露する為のお膳立てだったんだと。

課長は初めから僕にプロジェクトを任せるつもりなんてなく、自分を良く魅せようとしていただけだった。


会議は成功で終わったが、会議後も課長からの説教が続いた。

あまりのショックでボーっとしながら帰る。

僕の心を写すように、朝の天気予報が外れ雨が降っており濡れながら歩いているが、濡れていることなど気にする気力も無くなっていた。

そして何かに吸い込まれる様に横断歩道をへと歩いていく。赤信号であることに気付かず渡ろうとしたため、横切ろうとしたトラックに轢かれてしまい短い生涯を閉じた。



「…っん、けほっ、けほっ」

(身体がダルくて重い、、それに、、眩しいな)

「ハーラル様!!ハーラル様!!お目覚めになりましたか!?メイドのルシアです。お分かりになりますか?何かお飲みになられますか?」


声のする方に顔を振り向けると、非常に綺麗な金色の髪を纏めた女性がメイド服姿で僕の心配をしてくれているようだ。目にクマが出来ており、涙をいっぱいに溜めている。

女性メイドのルシアは僕をハーラル様なる人と勘違いをしていることに気付く。

(こんな綺麗な人に心配されるハーラルが羨ましいな、、)

「ごめんなさい、人違いではありませんか?勘違いさせて申し訳ありませんが、ハーラル様?がお元気であると良いですね。」


ルシアの溜めていた涙が決壊し、頬を伝う。

「あぁ、覚えておられないのですね。ルーインス様がお亡くなりになられた衝撃でパニック状態なのでしょう。」

ルシアの反応を疑問に思い、横に振り向くと鏡があり自分の顔を確認することができた。

鏡を見て衝撃が走った。

「これが僕、、なのか、?」

そこに映ったのは銀色の髪に蒼い瞳の美少年の姿があった。

顔を自分で触り、表情をコロコロと変える。間違いなく鏡に映っているのは自分の様だ。

そこで僕は今置かれている状況を理解した。


僕、転生したみたい。



転生を理解してからの行動は早かった。

まずは自分が一体どこの生まれであるのかを把握するのが先決だ。

転生ものであれば、転生先は貴族がメジャーでありメイドが居る事を考えれば間違いなく育ちはいいはずだ。

そこでルシアに色々と質問し、様々な情報を手に入れることができた。


僕の今世での名は ハーラル・エドワード・グランツィート(8歳) というらしい。

そして今いる場所はグランツィート王国といった島国であり、宮殿内の寝室だそうだ。

名前と王国から分かる通り僕はグランツィート王国の王族であり第五王子だった。

育ちが良いと思ったが、まさかの最上位である王族だった。それに第五王子ということで王位からも遠いため気ままに暮らせそうだ。


僕が倒れた理由としては母が病で亡くなり、それを知った衝撃で僕も倒れてしまったらしい。

王宮お抱えの宮廷魔道士の治癒魔術を何度かけても一向に起きず、母の亡くなったショックでもう起きないのではとなったらしい。

母が亡くなったとの事だが、あまり実感が湧かない。

それより気になったのは、魔法がある世界らしいので、是非ともマスターしてみたいものである。


父親である王も心配しており、目覚めたことを知らせるとすぐに会いに来るそうだ。


まだまだ聞きたいことがあるため質問を続けようとすると扉が勢いよく開いた。


バタンっ!


すると、豪華な衣装に身を包んだ銀髪の凛々しい顔のオジさんを先頭にゾロゾロと部屋に入ってくる。何故か彼が父であることを瞬時に理解できた。恐らくルシアとの会話をきっかけにハーラルの記憶が一部が蘇ってきたのだろう。


父が僕を見て、涙を流しながら抱きついてきた。

「ハーラル!!目覚めたと聞きすぐにやってきた!大事な妻と同時にお前まで失うのかと気が気でなかったぞ!」


僕の頬に自然と涙が流れ、父を抱きしめ返す。

「ご心配をおかけしました。父上、私はもう大丈夫でございます。一足先に神様の元へ向かったお母様を送って差し上げましょう。」

父上は首をゆっくりと縦に振り肯定の意を示す。

「第六后 ルーインス・ローズ・グランツィートの葬儀は3日後、厳粛に執り行う。直ちに関係各国及び国民へと公布することを命ずる。これは王命である。」


父上からの王命により、全ての家臣が準備に取り掛かる。

こうして厳かに母 ルーインスの葬儀が行われ、僕の異世界転生生活の幕が開けた。

のんびり投稿していきます。

元々、異世界転生物のファンだったので自分で書いてみたくなり投稿を始めました。

今後とも宜しくお願いします!

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