不死身のモンスター
「な……何でだ!? 今ぶっ飛ばしたのに何で動けるんだ!?」
「リリィ危ない!」
「……ッ!?」
咄嗟に動いて棍棒を避けるリリィ。しかし動揺は収まらないようだ。
「こいつどうなってるんだ!? 今確かに倒したはずなのに……」
「あたしも完全に死んだと思っていたわ。まさか攻撃が足りなかったの……?」
「だったら何回でもぶっ飛ばしてやる!!」
リリィは大剣を構えて再び突撃しだした。
さっきと同じように相手の攻撃を避けて懐に入った。
「やぁぁぁぁぁぁ!!!」
今度は一撃では終わらず、何度も切りつけて攻撃を止めなかった。
「まだまだ!」
先程と違って相手が倒れそうな状態でも切りつけ、地面に倒れた後でも追撃したのだ。もはやオーバーキル状態で、骨の破片があちこちに跳び散らかっていた。
「こ、これでどうだ……!」
ようやく攻撃の手を止めて巨大スケルトンだった物を眺める。
「や、やりすぎじゃないかしら……。バラバラじゃない……」
「さ、さすがリリィさんです……」
バラバラ白骨化死体みたいな現場になった状態で、3人は地面を見つめていた。
しかし少し待つと……さっきと同じように破片が動き出したのだ。
「!? こ、これでも駄目なのか!?」
ついさっき見た光景に驚きを隠せない3人。
同じようにバラバラの破片が一カ所に集まり始め、次々と組みあがって元の姿になっていく。
そして完成した巨大スケルトンは何事も無かったかのように立ち上がった。
「あんなに切り刻んだのに元に戻るなんて……」
さすがにリリィも驚愕しているようだ。
すぐには攻撃することなく、大剣を構えて対峙したまま動かないでいた。
「も、もしかして何度も再生するモンスターなの……? あれじゃあ倒せないじゃないの!」
「………………」
「どうしたらいいの……!?」
「お、お姉ちゃん。ちょっといいかな?」
「? どうしたの?」
「もしかしたら……私なら倒せるかもしれない」
「!! そうなの!?」
へぇ。どうやらフィーネに策があるらしい。
「た、多分だけど……」
「それでどうやって倒すの?」
「えとね。切っても駄目なら……燃やしたらいけるかなって思って」
「……! そっかフィーネのスキルなら……!」
フィーネは相手を燃やせるスキルを持っている。それでいけると判断したんだろう。
「じゃあお願い! フィーネが頼りよ!」
「う、うん! リリィさん離れて下さい! 私がやります!」
「! た、頼んだ!」
リリィが離れるのを確認してから、フィーネが詠唱を始める。
そしてすぐにスキルが発動した。
「これなら……! 《ファイヤーウォール》!!」
次の瞬間、巨大スケルトンの足元から火の壁が出現した。火は体を包み込み全体的に燃えがった。
「おお! すごいわフィーネ!」
巨大スケルトンは足掻くが、元々動きが遅いせいもあって火の壁から抜け出せないでいた。
その光景を見ていたラピスは弓を構えて狙いを定める。
「これでどう!?」
ラピスから矢が放たれ、相手の足元に命中。それがキッカケになったのか、足元から分解されるように崩れていった。
少ししてから火が消えると、そこには崩れて変色したスケルトンの姿があった。
「すげー!」
「……や、やったわ! これでもう再生しないはずよ!」
「そうだといいんだけど……」
「大丈夫よ! どんな生物も燃えたら死ぬわよ!」
「うーん……」
フィーネだけ不安そうな表情を浮かべながら眺めていた。
そんな中、ラピスだけ俺に近寄ってきた。
「ねぇ見たでしょ? あれならもう平気よね?」
「…………」
「……ゼスト?」
「まだ終わってないぞ」
「え……?」
「お、お姉ちゃん! 見て!」
フィーネが指さす先には、再生しようと動く破片の光景があった。
「う、嘘……」
「そんな……」
何度目かになる復元する光景に3人は驚きを隠せない表情で見ていた。
そして元通りになった巨大スケルトンはゆっくりと立ち上がった。
「切っても燃やしても死なないなんて……どうやって倒せばいいのよ!?」
そんな3人をあざ笑うかのように、巨大スケルトンはカタカタと震えた。




