表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/68

冒険者ギルド

 冒険者ギルドに入ると、まばらに人々が行き交っていた。みんな冒険者なのだろう。

 それを横目に受付カウンターへと向かう。

 カウンターに到着すると、猫耳の女性が話しかけてきた。


「いらっしゃいませニャ~! 何かご用ですかニャ~?」


 おお。猫人族だ。

 この世界には様々な種族が存在する。その一つが目の前にいる猫人族だ。

 頭には触り心地が良さそうな猫耳が生えている。

 この種族はトップクラスに人気で選ぶプレイヤーも多かったのを覚えている。


「えーと。冒険者になりたいんですけど」

「…………ッ! もしかして君がなりたいんですかニャ……?」

「はい」

「…………」

「…………?」


 なんだなんだ。急に黙り出したぞ。

 俺のことをジロジロと眺める猫人族のお姉さん。

 まるで警戒してるかのような……?


「ど、どうしたんですか?」

「…………いえ。何でもないですニャ。では冒険者登録をするので少し待ってくださいニャ」

「はい」


 今の間は何だろう?

 急にテンションが下がったような気がする。

 俺の恰好がおかしいんだろうか。

 でもそういう感じには見えなかったけどな。


 少し待っていると、お姉さんは銀板を持って俺に渡してきた。


「これは冒険者カードなのニャ。冒険者として証明するために必須の物なので絶対に無くさないでほしいですニャ」

「ほうほう」


 だが銀板をよく見ると何も書かれていなかった。

 これではただの薄い板だ。


「何も書いていないんだけど……」

「それに自分の血を垂らすのニャ」

「やってみます」


 指を齧って銀板に血を押し当てた。

 すると――


「おお! 文字が出てきた」

「それは貴方の情報ですニャ。そこにレベルなどが表示されるから常に参考にするといいですニャ」


 なるほどな。

 これがステータス画面になるわけか。



 ―――――――――――――――

 ゼスト

 ランク:F

 レベル1


 STR:5(+10)

 VIT:3(+10)

 INT:2(+10)

 AGI:5(+10)

 DEX:4(+10)

 ―――――――――――――――


 ほう。これが今の俺のステータスか。

 やっぱりレベルは1になっているな。

 全てのステータスが+10されているのは転生特典だな。

 今は+10しかないが、レベルが上がる毎に上昇量も上がるらしい。


「あとはその冒険者カードでスキル習得もできますニャ。レベルが上がったら確認するといいですニャ」

「ふむふむ」


 まぁこの辺のシステムは熟知しているし、特に問題はないかな。


「次はランクについて説明しますニャ。ランクは『F』から『S』まであるニャ。初めて冒険者になる方は全員『F』からスタートすることになっていますニャ」

「ランクを上げるにはどうしたらいいんです?」

「基本的には依頼(クエスト)をこなすことで評価が上がるニャ。後はモンスターを討伐することでも上がりますニャ。それ以外にも総合的な部分で評価されてランクが上昇していくニャ」

「なるほど」


 要はどんどんクエストをこなしてモンスター狩りまくれってことだな。


「でもFランクでは依頼は受けられないので注意してほしいですニャ」

「えっ。どうして?」

「基本的に依頼はEランクから受注できるようになっていますニャ。なので最初はモンスターを討伐するしかないですニャ」

「へぇ~」


 それなりにモンスターを狩れるぐらい強くないと信用が得られないってわけだな。

 まぁ最初はモンスターを狩る予定だったし。しばらくはひたすら討伐かな。


「説明は以上ですニャ」

「わかりました。ではモンスター狩ってきます」

「あっ……」

「えっ?」


 すぐに移動しようとした瞬間に呼び止められた。


「…………」

「…………?」


 ……さっきから何なんだろう。

 俺を見る目が変だ。


「あの……まだ何か?」

「い、いえ……何でもないですニャ……」

「はぁ……」


 まぁいいか。さっさと行こう。


 それにしても何だったんだろうなあの目は。

 俺の事を見下してる……というわけでも無かった。

 不安そうにしている……とも違うな。

 う~ん……


 …………


 ……ああそうか。


 あの目は……




 憐れんでいる目だ――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
[気になる点] 指を齧ってってあるが実際にできるのだろうか?せめて針なり魔力で出来るほうが受け入れやすい。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ