出発
翌朝。
俺達はレオンさんに連れられてディナイアル商会である建物の前まで移動した。そこでとある馬車の前まで案内された。
レオンさんの横には初めて会うヒゲのおっさんが立っていて、俺達を見ると声をかけてきた。
「ふむ。彼らが護衛してくれる冒険者かね?」
「はい。こちらの方が先程話したゼストさんです」
「ふーむ」
ヒゲのおっさんは俺達のことをジロジロと見てくる。
「あの、この人は……?」
「ああ、すいません。こちらが荷物の運搬を担当するブライアンさんです。ゼストさんについては既に伝えてあります」
「ワシがブライアンだ。よろしく頼むよ」
「あ、はい。こちらこそよろしく」
皆も続けて軽く挨拶を済ませる。
どうやらこの人の馬車を護衛することになったみたいだ。
「しかしなぁ……」
「?」
ブライアンは眉をひそめながら俺達のことを見てくる。
「レオン殿。本当に彼らで大丈夫なのかね? あまり頼りになりそうに見えないが……」
「もう! 失礼しちゃうわ!」
そんなブライアンの態度に怒り出すラピス。
「私はともかく、ゼストはとっても強いのよ! どんな相手でもやっつけちゃうんだから!」
「しかしだな、君らはまだDランクらしいじゃないか。とても死神に太刀打ち出来るとは思えんのだが……」
「……で、でも! ゼストならやってくれるわ!」
「相手はAランクの冒険者でも勝てないような奴だぞ? どうやって倒すつもりだ?」
「…………だ、大丈夫よ! きっと倒せるわ!」
そんな頼りなさそうな態度だと余計に不安にさせてしまう気がする。
「まぁまぁ、お二人とも落ち着いてください。ゼストさんの実力については僕が保証しますよ。僕だってなんの根拠も無く信用したりしませんよ」
「う、うーむ……レオン殿がそう言うのなら……」
あまり納得してなさそうな表情をしているが、これ以上は何も言ってくることは無かった。
まぁ仕方ないな。俺達はまだDランクだし、そこまで信用されていないもんな。
このブライアンという人の態度はある意味では当然ともいえる。
そんなやりとりがあった後、俺達はブライアンの馬車に乗り込むことになった。
運搬したい荷物があった為か少し大きめな馬車だった。
それから東方面に向けて馬車を走らせた。道中は特に何事も無く安全だったのでこのまま進んでいった。
そして数日かけて山岳地帯に入り進んでいく。
ある程度進んでいくと、広めの洞窟が見えてきた。あそこが例の東側に通じる洞窟だろう。
洞窟の前で馬車が停まり、俺達は降りることにした。
「仮に討伐に失敗してもワシは知らんからな。だからここで待たせてもらう」
「うん。それでいいよ」
「もし失敗した場合、すぐに帰って来てもいいことになっている。何時まで経っても戻ってこなかったら遠慮なく帰らせてもらうからな」
「分かった」
ならばさっさと終わらせないとな。時間を掛けると死亡扱いになってしまう。
「さて。一応聞くけど、お前らは本当に付いてきていいんだな? ここで待っててもいいんだぞ?」
3人に向かって改めて聞く。
「も、もちろんよ! これくらいで怖がっていられないわ!」
「力になれるか分かりませんが、私もがんばります」
ラピスの声が少し震えてる気がするが……気のせいということにしておこう。
まぁとにかく意志は固そうだ。これ以上言うのも野暮だな。
「強そうだからついていく!!」
リリィだけ意気込みが少しズレてるように思えるが……まぁいいか。
「それに早く戦ってみたいし!」
「昨日から楽しみにしてたもんな……」
「うん!」
リリィが装備しているアイアンウェアがとても気に入ってるらしく、部屋の中でも動き回っていたからな。
どうやら伸縮性に優れて体にフィットするせいか、ちょっとしたブラ替わりにもなってるらしい。だから特にリリィみたいな巨乳だとある程度揺れを押さえれるから快適らしい。
それでもあそこまで大きいと揺れるけど……
「どうしたの?」
「い、いや。何でもない。それじゃあ行くぞ!」
「おう!」
そして皆で洞窟の中へと入ってい行った。




